「OW2」のアジア大会「OWCS Asia」に出場する日本代表チーム「VARREL」と「INSOMNIA」にインタビュー!

2024年04月25日 16時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

「Overwatch Champions Series Asia」に出場する「VARREL」と「INSOMNIA」の2チームにインタビュー

 4月25日から開催される「オーバーウォッチ2」の大会「Overwatch Champions Series Asia」(以下、OWCS Asia)に、日本から「VARREL」と「INSOMNIA」の2チームが出場する。

 「Overwatch Champions Series」(以下、OWCS)は、北アメリカ(NA)、ヨーロッパ・中東・北アフリカ(EMEA)、アジアのプレイヤーを対象とした、新たなプレミア国際競技サーキット。各地域ごとに行なわれる予選と本戦を経て、地域最強のチームを選抜し、競い合う新しい「オーバーウォッチ2」のeスポーツ体系となる。

 そんなOWSCのアジア大会が、OWCS Asiaとなる。日本からは、2月に開催された「Overwatch Champions Series Japan」(以下OWCS Japan)を勝ち抜いたVARRELとINSOMNIAが、OWCS Asiaに出場する。

 OWCS Asiaは、韓国・ソウルにある「WDG Esports Studio」で実施される、ダブルイリミネーショントーナメント。OWCS Asiaの上位2チームは、6月1日~3日に開催される「DreamHack Dallas」で、最初の国際イベントとなる「OWCS Major」にOWCS Asiaの代表として出場する権利が得られる。

 日本から勝ち上がった2チームが出場するだけに、楽しみなOWCS Asia。そんな中今回、出場チームのVARRELとINSOMNIAの2チームにインタビューすることができたので、紹介したい。

 今回インタビューに参加してくれたのは、VARRELのPAINコーチとKSG選手、NICO選手、INSOMNIAの代表のうたぬさん、Undersea選手、Leonopteryx選手だ。

VARRELのKSG選手(左)PAINコーチ(中央)、NICO選手(右)

Undersea選手(左)、うたぬさん(中央)Leonopteryx選手(右)

長年培ってきたチームワーク連携が強み

──OWCS Asiaに進出した感想を教えてください。

Undersea選手OWCS Japanでは大会の体制が変わったことで、強いチームが増えたんですけど、その中でも2位になれてよかったです。

KSG選手:強豪のチームがいて、自分の限界を試せるいい機会をもらえたなと、すごくうれしく思っています。

──OWCS Asiaに向けて取り組んできたことがあれば教えてください。

NICO選手:VARRELとしては、OWCS Asiaに出場する地域の中で韓国が一番強いので、1日の練習時間の配分なども含め練習環境を韓国のチームと合わせてきました。VARRELにゲーミングハウスも提供してもらって、毎日の活動を強化して、OWCSに向けて練習してきました。

Undersea選手INSOMNIAとしては、OWCS Japanの大会期間が長かったこともあって、休みの機会が月に1回くらいしかないくらいスクリムを詰め込んできました。現在は日本人と韓国人の混合チームなので、コミュニケーションの問題を解決するために、多くの時間を費やして、大会に臨んできました。

──2チームのそれぞれの強みを教えてください。

PAINコーチ:VARRELの強みは、練習ではないときも真剣で、練習のときも真剣で、どのタイミングでも真剣に取り組んできたのが強みではないかなと思っています。

NICO選手:2年間くらいロースターが変わっていなくて、同じメンバーで長い間やり続けているので、そこが強みだと思います。

KSG選手:そうですね。長年やっているので互いの性格やこういう風にやっていけばうまくいくなという、いい空気でプレイできているのが強みだと思います。長時間練習するときもあり、辛いこともあるんですけど、長年接してきたつながりで乗り越えられてきたと思っています。

うたぬさん:周りから評価されているのが、スロースターターで、後半から盛り返せるチームかなと思っています。OWCS Japanの準決勝でも、2本取られて後がなくなってから3本取り返したので。よくも悪くも波があるチームなので、いい波に乗れたら強いと思います。

Undersea選手:タンクとDPSのフロントラインの3人が、オーバーウォッチ1のころから長く一緒にやってきているメンバーで、加えて韓国人の選手をサポートとしてフロントラインを支えてもらう形で加入してもらったので、連携が取れる3人と、フィジカルが強くしっかりと支えてくれるサポート2人が揃って、いい感じのシナジーが出ているんじゃないかなと思います。

Leonopteryx選手:一緒にフロントラインでやってきて、チーム活動意外でもランクを回したりと仲良くやっているので、連携は強いと思います。

OWCS Asiaのトーナメント表

──OWCS出場チームの中で注目しているチームと選手がいれば教えてください。

NICO選手:初戦で当たるYETIです。韓国の予選で4位だったチームで、今回のOWCS Asiaで一番突破するべき壁だと思っているので、そこは注目しています。注目している選手は、Team FalconsのProper選手です。MVPを獲得したこともある選手で、世界最強のDPSと呼ばれているので、そことも対戦してみたいです。

KSG選手:注目のチームはDAFです。VARREL自体が今までの試合でも負けてしまっていて、とくに大事な場面で負けたこともあったので、その悔しさを払拭できるように勝ちたいです。選手は、YETIのDonghak選手選手です。僕と同じロールで、タンクの中でもとくに強いなと感じている選手なので、自分のパフォーマンスを発揮して、戦ってみたいなと思います。

Leonopteryx選手:注目のチームはCrazy Raccoonです。日本でも人気のチームで、初戦で当たるので、日本でも注目度が高い試合になりそうだなと思っています。注目の選手はTeam Falconsのsmurf選手です。オーバーウォッチ1のころからずっと活躍している尊敬する選手なので、戦ってみたいですね。

Undersea選手:注目のチームは、HONEY POTです。まずは日本が超えるべきチームだと思っているので、まずはHONEY POTを倒して、日本チームのレベルが上がった姿を見せたいです。注目している選手は、Crazy RaccoonのHeeSang選手です。僕と同じく色々なDPSヒーローを使うフレックスDPSなんですが、どのヒーローを使っても強いんです。憧れの選手ですね。戦ってみてどうなるか、全力をぶつけたいです。

──OWCS Japanで、印象に残っている試合があれば教えてください。

Undersea選手:準決勝のREVATI戦です。僕たちがOWCS Asia進出を決めるための試合で、BO5だったんですけど先に2マップ取られてしまってマッチポイントになってしまいました。みんなメンタルが折れてもおかしくない状況だったんですけど、諦めずに戦い抜いて勝つことができたので、印象深いです。

Leonopteryx選手:予選やプレイオフで戦ったSix Blow戦です。同じタンクのpressure選手がめちゃくちゃ強いので、強い相手と対面する試合は、印象に残っていますね。

KSG選手:REVATI戦ですね。HoFac選手がヒットスキャナでめちゃくちゃ活躍していて、新しいルールを採用した大会ということで、日本の中に新しい風が吹いているなというのが分かる試合で、印象に残っています。

NICO選手:INSOMNIA戦ですね。VARRELはOWCS Japanで1マップしか落としていなくて、その1マップがINSOMNIA戦だったので。3対1で終えることができたんですけど、いいパフォーマンスができていた試合だったので、そこが一番印象に残っています。

──好きなヒーローを教えてください。

NICO選手:ソジョーンです。DPSはエイム重視なヒーローとスキル重視なヒーローの2パターンいるのですが、僕はエイムすることが好きなので、ソジョーンは好きなヒーローであり、得意なヒーローでもあります。

KSG選手:オりーサです。もともとオリーサというヒーローのバックグラウンドも好きで、使用感もプレイスタイルも好みです。今パッチからはオリーサメタの感触もあるので、色々重なっていて、今大会でもオリーサが使えるんじゃないかと思って、楽しみにしています。

Undersea選手:ゲンジです。オーバーウォッチを始めてから、ムービーやゲームプレイ動画を見ていて、キャラクターデザインやスキルセットが一番魅力的に感じて使い始めました。NICOさんとは逆で、スキルや偏差撃ちを駆使するキャラクターが好きというのもあります。ゲンジをいっぱい練習してきたので、好きかつ得意なヒーローです。

Leonopteryx選手:ウィンストンです。もともと昨年くらいまではほとんどウィンストンしか使っていないくらい得意です。ウルトを使っているときが一番楽しいです。

──INSOMNIAでは、本大会に向けてクラウドファンディングを実施し、3日で目標金額を達成されたようですが、率直な感想を教えてください。

うたぬさん:3日でありがたいことに100万円達成しましたし、初日の6時間くらいで60万円くらい支援いただいて、ただただありがたいなというのが率直な感想です。現在は200万円を目標にしています。今回、選手たちの環境を整えたいということで、まずは100万円を目標にクラウドファンディングで支援をお願いしたのですが、選手たちはこの大会を通して色々なものを吸収して帰ってくると思います。そこからさらに強くなるための環境作りのために、目標金額を200万円にさせていただきました。

韓国チームに勝てるか注目してほしい

──自分たちのチームのここに注目してほしい! という試合やストロングポイントがあれば教えてください。

NICO選手:韓国のチームに勝てるかどうかに注目してみてほしいです。自分たちの目標で、日本の課題点でもあると思っているので、ぜひ応援をお願いします。

KSG選手:チームとして注目してもらいたいのは、マップやメタによって色々な構成をチャレンジしてきました。試合のマップによってこの構成でやるんだ! というような見方でも楽しんでいただければと思います。

Undersea選手:メタやマップによって構成を変えたりはするのですが、チームのみんなが得意なのは、ウィンストンを起用するダイブ構成です。その構成のときは選手皆が最高のパフォーマンスを出せるとおもっているので、その構成が出るマップやメタのときは、ぜひ注目してください。

Leonopteryx選手:Crazy Raccoon戦で奮闘する姿に注目してほしいです。

うたぬさん:試合もそうなんですが、それ以外の選手のパーソナルな部分も可愛いので、そこも見ていただけたらうれしいです。

──最後に、OWCS Asiaに向けた意気込みをお願いします。

NICO選手:僕たちの初戦はYETI戦になります。そこには全力で挑んで勝ちにいきたいと思っています。OWCS Asiaは、VARRELの集大成ともいえる大会と思っているので、いい結果をファンの皆様に届けられるように頑張ります。応援よろしくお願いします。

KSG選手:今大会は、個人的に挑戦的な意味もあるので、この機会をいただけてすごくうれしいです。ファンの方々にも楽しんでいただけるように、いいパフォーマンスを出して盛り上げていきたいなと思っています。

PAINコーチ:OWCS Japanも、自信満々でほかのチームを倒してきたいので、今回も倒す! という意気込みを持って、勝ち進んでいく姿を楽しんでもらえたらと思います。

Undersea選手:初戦がCrazy Raccoon戦で、日本でも注目が集まる試合になると思っています。ファンの皆様に支えていただいているので、韓国でもいいパフォーマンスが出せたらいいなと思っています。

Leonopteryx選手:昨年はふがいない結果になってしまったので、今回はまず1勝から狙っていきたいと思います。

うたぬさん:この大会を色んな方々がサポートしてくださっているなという実感があって、大会運営もクラウドファンディングで支援いただいた皆様もそうですし、一緒に取材を受けてくれるチームもあって、そういった大会を最大限、選手たちが楽しかったといえるように、サポートしていきます。」

──ありがとうございました。

■関連サイト

この記事をシェアしよう

ASCII.jpの最新情報を購読しよう