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Windows Info 第426回

WindowsでAndroidスマホをWebカメラにする機能を試した

2024年04月07日 10時00分更新

文● 塩田紳二 編集● ASCII

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オンライン会議に使えるのは確かだが
実利用を想定するとやや微妙か

 オンライン会議アプリなどで調べると、カメラの解像度は静止画で1280×720ドット(HD解像度)、動画で720p/30fpsだった。Webカメラと呼ぶぐらいなので、カメラとしての解像度は低い。最近のWebカメラの上位機種では、4Kや2K(フルHD)に対応した製品もある。オンライン会議には高性能だとしても、画像入力装置としてはこの程度の解像度はほしいところだ。

 スマートフォンのカメラは、最近では機種選択の条件でもあり、安価なUSB Webカメラより多少は画像品質を期待できる(機種次第ではあるが……)。Webカメラがない、壊れた、画像が気に入らないといった場合にWebカメラを買う必要がなく、手持ちのスマートフォンが利用できることはメリットだとは言える。

 実際のところ、無線LAN経由で安定的な接続を維持しようとすると、HD解像度あたりが限界なのかもしれない。過去のWindows 11プレビュー版では接続が不安定なことがあったが、現在はかなり安定している。

 この解像度だと、写真を撮るならスマートフォンのカメラで撮影して、スマートフォン連携の「フォト」機能経由で、写真データをPCに持ってくる方が解像度が高く鮮明な写真が得られる。

 そもそも昨今のモバイルPCでは、Webカメラを持つものがほとんどだ。結局、標準でカメラがないのはデスクトップPCぐらい。そうなると、オンライン会議などでは、モバイルPCの内蔵カメラを使う方が自然だろう。また、スマートフォンをWebカメラにしてオンライン会議で使うとき、どうやって固定するのかは結構難題で、なんらかの「スタンド」が必要になる。

 さらにいえば、外出先などで、オンライン会議をするインターネット接続をどうするかという問題もある。筆者は、モバイルPCを購入するときにモバイルネットワーク対応の機種をできるだけ選んでいる。ただ、普及したとはいえ、SIMの入るPCはまだ少数派である。また、スマートフォンとは別にモバイルルーターなどをPC用に持ち歩くユーザーも少ないと思われる。

 となると、スマートフォンを使ってPCをインターネットに接続させる必要がある。スマートフォンをモバイルホットスポット(Wi-Fiテザリング)として使うと、無線LANの帯域をカメラと通信で分け合うことになり帯域が制限される。

 実際、スマートフォンをWebカメラするのと同時に、Wi-Fiホットスポット接続したところ、ほかにはカメラアプリしか使っていないのに、接続が不安定になり、Webカメラ機能が終了してしまった。やはり、両方を無線LANで使うのには無理がありそうだ。

 そうなると、インターネット接続はUSBテザリングしか選択肢が残らない。Bluetoothテザリングは、4G/5G世代では遅すぎる。Webカメラとして動き続けるスマートフォンに電力を供給という点からも、これがベストな使い方であろう。

 スマートフォンをWindowsのWebカメラにする機能、出来はいいのだが、人によってはメリットを感じにくいのではないかと思われる。今後の改良を期待したい。

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