オンライン会議に使えるのは確かだが
実利用を想定するとやや微妙か
オンライン会議アプリなどで調べると、カメラの解像度は静止画で1280×720ドット(HD解像度)、動画で720p/30fpsだった。Webカメラと呼ぶぐらいなので、カメラとしての解像度は低い。最近のWebカメラの上位機種では、4Kや2K(フルHD)に対応した製品もある。オンライン会議には高性能だとしても、画像入力装置としてはこの程度の解像度はほしいところだ。
スマートフォンのカメラは、最近では機種選択の条件でもあり、安価なUSB Webカメラより多少は画像品質を期待できる(機種次第ではあるが……)。Webカメラがない、壊れた、画像が気に入らないといった場合にWebカメラを買う必要がなく、手持ちのスマートフォンが利用できることはメリットだとは言える。
実際のところ、無線LAN経由で安定的な接続を維持しようとすると、HD解像度あたりが限界なのかもしれない。過去のWindows 11プレビュー版では接続が不安定なことがあったが、現在はかなり安定している。
この解像度だと、写真を撮るならスマートフォンのカメラで撮影して、スマートフォン連携の「フォト」機能経由で、写真データをPCに持ってくる方が解像度が高く鮮明な写真が得られる。
そもそも昨今のモバイルPCでは、Webカメラを持つものがほとんどだ。結局、標準でカメラがないのはデスクトップPCぐらい。そうなると、オンライン会議などでは、モバイルPCの内蔵カメラを使う方が自然だろう。また、スマートフォンをWebカメラにしてオンライン会議で使うとき、どうやって固定するのかは結構難題で、なんらかの「スタンド」が必要になる。
さらにいえば、外出先などで、オンライン会議をするインターネット接続をどうするかという問題もある。筆者は、モバイルPCを購入するときにモバイルネットワーク対応の機種をできるだけ選んでいる。ただ、普及したとはいえ、SIMの入るPCはまだ少数派である。また、スマートフォンとは別にモバイルルーターなどをPC用に持ち歩くユーザーも少ないと思われる。
となると、スマートフォンを使ってPCをインターネットに接続させる必要がある。スマートフォンをモバイルホットスポット(Wi-Fiテザリング)として使うと、無線LANの帯域をカメラと通信で分け合うことになり帯域が制限される。
実際、スマートフォンをWebカメラするのと同時に、Wi-Fiホットスポット接続したところ、ほかにはカメラアプリしか使っていないのに、接続が不安定になり、Webカメラ機能が終了してしまった。やはり、両方を無線LANで使うのには無理がありそうだ。
そうなると、インターネット接続はUSBテザリングしか選択肢が残らない。Bluetoothテザリングは、4G/5G世代では遅すぎる。Webカメラとして動き続けるスマートフォンに電力を供給という点からも、これがベストな使い方であろう。
スマートフォンをWindowsのWebカメラにする機能、出来はいいのだが、人によってはメリットを感じにくいのではないかと思われる。今後の改良を期待したい。
この連載の記事
-
第459回
PC
WSL 2.4.4ではtar形式でのディストリビューションが配布でき、企業での利用が容易になってきた -
第458回
PC
Windows上でhostsファイルを活用する -
第457回
PC
IPv6アドレスは先頭を見ればどんな種類かわかる -
第456回
PC
あらためてIPv6基本のキ -
第455回
PC
Windowsで現在どのネットワークアダプタがインターネット接続に使われているかを調べる方法 -
第454回
PC
Windows 11 24H2では「デバイスの暗号化」の条件が変わり、より多くのPCでドライブが暗号化される -
第453回
PC
Windows 11 24H2の配布開始後もすぐにはやってこない Windows UpdateとSafeguard Holds -
第452回
PC
Windows 11 Ver.24H2が登場 Copilot+ PCとそうでないPCで実質Windowsが2つに分かれる -
第451回
PC
新しいWindowsサンドボックスではコマンドラインからの制御が可能に -
第450回
PC
ユニコードで文字数を数える方法 -
第449回
PC
WSLはプレビュー版でGUIでの設定が加わった! リリース2.3.xの新機能を見る - この連載の一覧へ