案外、部屋で仕事もできそう
豪華客船の船内って実際、どうなってるの?「ウエステルダム」の船内に潜入してみた
2024年04月10日 07時30分更新
設備は利用無料、食事も無料なので
滞在時間の割にコスパが良い
豪華客船での船旅と聞くと、料金はめちゃくちゃ高いのではと思われますが、実は旅としては意外にコスパが良かったりします。その理由のひとつは、プールなど多くの船内設備が無料で使えることに加えて、滞在中の食事は基本的に無料だからです。3食ともメインダイニングで、ディナーではコースから選択できるなど、飽きずにおいしい料理が楽しめます。
メインダイニングのほかに、夜食も提供しているビュッフェスタイルのレストラン「リド・マーケット」があり、プール近くにはピザやハンバーガーなどを提供している「ダイブイン」があるため、はっきり言えば、起きている時間はいつでもなにかしら食べることができる状態です。これだけの食事を旅先で普通に体験しようとすると、かなりの料金になってしまうので、結果的にはコスパが良いというわけです。
ちなみに、2025年3月16日に日本を出発して、日本国内と韓国4都市を15日間で回るプラン(ホーランドアメリカ/ノールダム)の場合、販売代理店によって価格は変わりますが、旅行代金は大人1名(2名1室利用・諸税、船内チップ別)で28万8000円〜となっています。さらに諸税やチップが、現時点で793ドルほどかかるのでプラス12万円ほど。また、後述しますが、ドリンクやインターネット接続が利用できるパッケージ「Have it all」を付けると1泊55ドルなので、そこに12万円ほどプラスされます。
トータルだと53万円弱で価格としては高く感じるかもしれませんが、1日あたり3万5000円ほどです。宿泊代と食事代、移動費や船内でのアクティビティ代を合わせた価格と考えると、かなりコスパがいいですよね。もちろん"年に何回も海外に行きたいから旅費は極力抑えたい"といったスタイルの人には高いと感じるかもしれませんが、"数年に一度、時間をかけてラグジュアリーな旅をしたい"という人にはオトクに感じるはずです。旅のスタイルは人それぞれですからね。
気になる通信環境はStarlink
高速Wi-Fiパッケージもあって安心
さて、前述したパッケージ「Have it all」ですが、これには11ドル以下のドリンクが1日15杯まで飲める「シグネチャー・ビバレージ・パッケージ」、メールのほか一般的なウェブブラウジングが利用可能な「Wi-Fi SURFパッケージ」、寄港地での現地ツアー料金に充当できる「寄港地観光クレジット」が200ドル分(10~20泊クルーズ)と、メインダイニングよりもハイクラスで席料が必要となるスペシャリティ・ダイニングが2回(10~20泊クルーズ)ぶん含まれます。このパッケージ、単体でそれぞれ頼む場合、1泊100ドル以上かかるので、ホーランドアメリカのクルーズを申し込む場合は必須と言えるパッケージです。
特にASCII読者のようなテック好きの人なら、Wi-Fiパッケージは必要不可欠ですよね。ちなみに客船のWi-Fiインターネットサービスというと、以前までは料金は高い割に低速でしかも容量制限があったりして使いにくいというイメージでしたが、最近はかなり改善されてきています。特にこのウエステルダムでは、通信設備をStarlinkに昨年変更しています。
Wi-Fiでのインターネット接続は同時に1台までですが、通信品質には定評があるStarlinkの回線なら、インターネットにつながっていないと干からびてしまう筆者のような人でも、安心して乗船できるでしょう。
もちろん港に停泊中や、沿岸を航行中のときはその国のモバイル通信もキャッチできて、スマートフォンなどでインターネット接続が可能です。ですが、客船って鉄の塊でできているので、船内にいると外からの電波をキャッチしにくいんですよね。窓に近いところやオープンスペースはまだマシですが、船内中心部はかなり厳しいのも事実。なので、Wi-Fiでのインターネット接続サービスは必須です。
「Have it all」には早期予約ボーナスも
船内で動画サービスを見たいなら予約必至
また、この「Have it all」には数量限定の早期予約ボーナスも用意されていて、事前予約しておくと、料金は同じでもドリンクパッケージは15ドル以下の飲み物が15杯/日までの「エリート・ビバレージ・パッケージ」に、インターネット接続は「Wi-Fi PREMIUM パッケージ」にアップグレードされ、船内チップの基本料金も無料となります。
「Wi-Fi PREMIUM パッケージ」は動画サイトなども利用できるプランなので、ネットヘビーユーザーにはうれしいところ。豪華客船のプールサイドに寝転んで、カクテルを飲みながらタブレットでNetflixの動画を視聴……なんてことができるわけです。ホーランドアメリカラインのクルーズを申し込む際には、「Have it all」の事前予約は絶対ですね。
以上がホーランドアメリカラインの豪華客船「ウエステルダム」のレポートでした。ホーランドアメリカラインは、氷河やアラスカの動物・大自然を体験できるクルーズに力をいれています。世界中旅をしている筆者もアラスカは未踏なので、ホーランドアメリカラインのツアーでアラスカに行ってみたくなりました!
この記事を書いた人──中山智(satoru nakayama)
世界60ヵ国・100都市以上の滞在経験があり、海外取材の合間に世界を旅しながら記事執筆を続けるノマド系テクニカルライター。雑誌・週刊アスキーの編集記者を経て独立。IT、特に通信業界やスマートフォンなどのモバイル系のテクノロジーを中心に取材・執筆活動を続けている。
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