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沼本CMO「マイクロソフトは日本のAIトランスフォーメーションを全面サポート」

ホンダとサイバーエージェントがCopilot導入成果を披露 ―「Microsoft AI Tour」開催

2024年02月26日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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ビジネス全体の生産性を向上するCopilot ― サイバーエージェントはCopilotでエンジニアが2.5倍働ける環境を目指す

 沼本氏は、Microsoft CloudにおけるAIトランスフォーメーションの実現に向けたサポートを3つの段階で紹介した。その第一歩となるのが、生成AIアシスタントであるMicrosoft Copilotによるビジネス全体の生産性向上だ。

 Copilotという名称は、“地球上のすべての個人とすべての組織が、より多くのことを達成できるようにする”という同社のミッションに則り、Autopilot(人間不在の自動操縦)ではなく、人を中心としたCopilot(副操縦士)を目指すことを意味している。

 Copilotはすでに、組織や企業の働き方にインパクトを与えているという。「Copilot for Microsoft 365」のアーリーアクセスプログラムにおける調査では、“75%が情報検索に費やす時間を短縮”、“71%が日常的な煩雑な作業の時間を節約”“欠席した会議のキャッチアップが3.5倍迅速化”、“週平均で1.2時間分の時間削減”といった効果が出ている。そして、77%が既にCopilotが手放せない“ファン”になっているという。

調査結果からみるCopilotの働き方の変革

 また、日本のユーザーに嬉しいデータとして、日本人が英語で実施された会議に参加して、Copilotにサポートしてもらいながら内容を要約したところ、実に97%の精度でまとめられたという。これはネイティブなイギリス人がCopilotを使用せずに要約した場合の数字よりも高く、「国際的な協業関係の中でもCopilotは役に立つのではないか」と沼本氏。

 現在、Copilotはナレッジワーカー向けのCopilot for Microsoft 365だけではなく、営業(セールス)や開発者、データプロフェッショナル、セキュリティ担当者、カスタマーサービスなど、さまざまなロールベース向けに展開が始まっている。

すべてのエンドユーザーにCopilotを展開する

 キーノートでは、Copilot for Microsoft 365のユーザーとして本田技研工業(ホンダ)、開発者向けのGitHub Copilotのユーザーとしてサイバーエージェントが紹介された。

 本田技研工業の執行職 デジタル統括部長である河合泰郎氏は、「自動車業界は100年の1度の変革期を迎えており、ホンダでは第2の創業という形でこの変革を加速しようとしている。この加速で大きな要素となってくるのがデジタル戦略に基づくさまざまなIT施策である」と説明。この変革の加速の中で、生成AIが大きな武器になると同社は捉えている。

本田技研工業 執行職 デジタル統括部長 河合泰郎氏(左)

 

 河合氏は、生成AIのユニークなところとして「いきなり民主化されたため、技術的なハードルが低い」点を挙げる。他社との競争に負けないためにはいち早く活用することが重要ではあるが、とはいえ何でもできるわけではないため、ホンダでは3つのレイヤーで生成AIの活用を考えているという。

 ひとつ目が、インターネットなどにある一般常識を知能化するレイヤー、2つ目が、従業員の日々の業務で発生する情報や知識を知能化するレイヤー、3つ目が、専門家の知識を意図を持って知能化するレイヤーだ。「ひとつ目のレイヤーと2つ目のレイヤーを組み合わせて、幅広く社員に展開することで、変革を加速していく」と河合氏。

 Copilot for Microsoft 365が2つ目のレイヤー、業務で発生する非構造化データを扱うにおいて重要な位置付けになるという。Copilotが2つ目のレイヤーの情報を、プラットフォームを横断して適切に引き出すことで、日常業務を効率化して、より人間がやるべきところにフォーカスできる。

 河合氏は、「ホンダのブランドスローガンは“The Power of Dreams”。社員ひとりひとりが持っている夢を力に変えていく、ここをCopilot for Microsoft 365でさらに加速させ、更にお客様と我々の持っている夢を掛け合わせ、大きな力に変えることを期待している」と今後の抱負を述べた。

 続いて、サイバーエージェントの専務執行役員(技術担当)である長瀬慶重氏は、「生成AIが出てきたときに、インターネットやスマートフォンの登場と同じくらいのインパクトを感じた」と語る。

 同社のAIへの取り組みは、2016年にAI Labという研究組織を立ち上げ、広告効果を高めるところからスタートしている。そして今後は、メディアやゲーム事業、あるいはコンテンツ生成といった領域でも積極的に活用していく予定だ。

サイバーエージェント 専務執行役員(技術担当) 長瀬慶重氏(左)

 サイバーエージェントは、日本でも最大級のGitHub Copilotのユーザーであり、今では1000人を超えるエンジニアのほぼ全員が活用しているという。

 同社では、2023年のGitHub Copilotの全社導入にあたり、生成AIの業務利用を進めるためのガイドラインを策定。さらには、導入支援の専門部署も設け、誰が生成AIを使用しているかモニタリングしながら、常にフィードバックができる環境を構築した。

 セキュリティを含む生成AIのリスクに対しては、全社員にリテラシー教育を実施することと、法務とセキュリティエンジニアからなる専門チームが各ツールを評価することでケアしている。

 現時点では、GitHub Copilotの導入によって約10%生産性が向上。1年後には20%から30%、3年後には50%を目途に、更なる効率化を目指す。「つまりは、Copilotでエンジニアが2.5倍働けるような環境を目標としている」と長瀬氏。「3年後に生成AIを徹底活用している企業とそうでない企業を比べたときにどちらがすごくなるか。答えはシンプルで、徹底活用する企業しか生き残れないし、それが競争優位性につながると思っている」と、来場者に活用を呼びかけた。

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