テックワンは1月30日、都内某所にてOne-Netbook社の新製品発表会を実施した。本発表会では、昨年12月に発表されたばかりのインテル最新CPU「Core Ultraプロセッサー」を搭載したPC「ONEXPLAYER X1」と、SSDの増設も可能な外付けGPU(eGPU)「ONEXGPU」がお披露目され、実機が展示された。
Core Ultraを採用した3 in 1 PC
「ONEXPLAYER X1」の発売は2024年3月末で、予約は本日1月30日より開始。CPUは「Core Ultra 7 155H」または「Core Ultra 5 125H」のどちらかで、メモリーは16~64GB、ストレージは1または2TB。予約特価の価格は15万1200円からとなっている。「ONEEGPU」の予約特価は10万1700円。
発表会の冒頭では、One-Netbook社 創業者でCEOのJack Wang氏が登壇し、同社のこれまでの歩みと新製品について語り、その後製品の詳細をテックワンの代表取締役 山田拓郎氏が説明した。
「ONEXPLAYER X1」は10.95インチ、リフレッシュレート120Hzのタッチ対応ディスプレーを備えたタブレットが本体。その本体と別売りの着脱式ジョイスティックやマグネットで接続するタイプカバーキーボードを併用することで、3 in 1の活用ができるとしている。
これまでのゲーム機型PCのディスプレーサイズは、レノボのLegion Goの8.8インチが最も大きかったが、「ONEXPLAYER X1」はそれよりも大きい約11インチ。アスペクト比は16:10と縦長で、540nitと明るい。作業領域が16:9よりも広いため、近年ではノートPCでも16:10を採用している製品が増えているが、タイプカバーキーボードと一緒に使うことで、ビシネス用途でもより活躍するとアピールしている。
CPUは前述したように、インテルの最新Core Ultraプロセッサーが採用されている。ゲーム機型PCはある時期から、海外のネットの掲示板などで内蔵GPUのゲーム起動と安定性が高いとの報告例が多かったため、AMDのRyzenプロセッサーが採用され続けてきた。
しかしながら、One-Netbook社はインテルともパートナーシップを組んでおり、Core Ultraプロセッサーは素晴らしい性能であるため採用に至ったと語った。発表会ではインテル株式会社 マーケティング本部長 上野晶子氏も登壇し、Core Ultraの性能を簡単に紹介した。
GPU性能については、TDP28W時に『スパイダーマン』がHD画質(1280×800ドット)、画質:高画質で78fps。『崩壊:スターレイル』がWQXGA(2560×1600ドット)、高画質設定で60fpsで遊べるとしている。
また、ストレージは最大4TBまで、メモリーはLPDDR5x-7467を最大64GBまで搭載できる。また、バッテリー容量は16890mAhと大容量で、動画連続視聴なら11時間、仕事で8時間。ゲームなら『原神』はHD画質(1280×800ドット)、低画質設定ならTDP15Wで2時間以上。人気FPSの『VALRANT』を解像度がWQXGA(2560×1600ドット)、画質:高画質でもTDP10Wなら3時間以上としている。
さらに、高いクーリング設計、放熱効率の高いパーツを採用し、ゲーム連続プレイ時の温度も抑えられる。バックライト付きのタイプカバーキーボードに加え、指紋認証、顔認証にも対応し、ビジネス用途の利便性も高いとアピール。
ゲーム機型PCは、小型を追求するとインターフェースが少なくなるが、eGPUの性能を引き出せるOCulinkポートに、USB4ポートが2つ、USB 3.2 Type-Aポートが1つ、マイクロSDカードスロットと充実している。
また、Harman Kardon認証を得た高音質なスピーカーを内蔵する。スピーカーは、ジョイスティック接続部の下に位置し、開放されているため、従来機よりも立体的な音質が楽しめるとのこと。
ジョイスティックは十字キーを4方向ボタンから、8方向ボタンのキーに取り替えが可能。これは、格闘ゲームユーザーからの斜め入力の入れ易さからの要望が多かったためとしている。ジョイスティック部はALPS社製でデッドゾーンがなく、ドリフト防止機能も備えている。
さらに、背面にはカスタムボタンを搭載し、発売日が未定となっている後日発売される「ジョイスティックコネクター」を購入すれば、取り外したジョイスティックを取り付けて、1つのコントローラーとして利用できるともしている。
また、従来機と同社独自ソフトにより、TDPやファンを設定したり、キーコンフィグなども行える。
従来のONEXPLAYERは、背面に折りたたみ式のスタンドを備えていたが、「ONEXPLAYER X1」は背面にマグネットで接続しているカバーがあり、これが真ん中で2つ折りになり、スタンドとして機能する。
サイズが大きいながらも、スタンドカバーを取り外した場合は、本体の重量が789gと800gを下回る軽さとのこと。とはいえ、やはりジョイスティックも取り付けた場合は、それなりの重量になるので、長時間持った状態でのプレイは、より小型な製品よりも難しいだろう。
GPU性能を向上させたうえ、容量も増やせる
「ONEXGPU」はThunderbolt 3/4、USB4ケーブル1本でUSBポートを増やし、GPU性能を向上させ、ストレージ容量も拡張できる小型のeGPU。
搭載するGPUは、AMDのRadeon RX 7600M XTと、競合のGPD G1と同じ。CPU内蔵GPUよりも高い性能を発揮し、人気のFPSもWQHDの高解像度でも60fpsを優に超える性能で動作する。
また、背面のカバーを外すと、すぐにSSDスロットにアクセスでき、ストレージを搭載することで接続したPCでも利用できるようになる。
「ONEXPLAYER X1」は約11インチの高精細かつ高色域のディスプレーを備え、迫力あるゲームプレイができる1台。別売りの着脱可能なジョイスティックやタイプカバーキーボードも購入すれば3 in 1で利用可能。
高いCPU性能と縦に長い画面により、ビジネスシーンでも活躍が期待できる。ただし、サイズの割には軽いとはいえ、重量はそれなりにあるため、軽さよりも画面サイズと多様性を求めるユーザー向けといったところだ。
「ONEXGPU」は競合のGPD G1にないストレージの拡張ができるのが特徴。OClinkでも接続できるが、ケーブルは付属せずに別売り(5000円くらいになる予定とのこと)。USB4を搭載するノートPCなどを既に持っている人などは、多岐に活用できるので、気になる人は予約購入を検討してみよう。
ASCII.jpの最新情報を購読しよう