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日本上陸10周年イベント「SendGrid Night 10th Anniversary」レポート

毎月1350億通ものメールを送信する「SendGrid」の現在地とこれから

2024年02月01日 11時00分更新

文● 柳谷智宣 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 構造計画研究所は、2023年12月13日、同社が「SendGrid」を日本で提供開始してから10周年を記念したイベント「SendGrid Night 10th Anniversary」を開催した。アメリカのSendGridの開発チームメンバーも来日、メールのトレンドやSendGridの進化および今後展開などについて話を聞くことができた。

SendGridの日本デビュー10周年を記念した「SendGrid Night 10th Anniversary」が開催された

8兆通のメールを送信してきたSendGrid 開発チームに聞くメール配信で重要な要素とは

 SendGridは、2009年にローンチしたクラウドベースのメール配信サービス。スケーラビリティが高く、大量のメールを送信することができるので、企業のマーケティング部門を中心に活用されている。メールの送信や管理、追跡を簡単に行なえる上、分析やレポート機能も充実しているのが特徴だという。

 構造計画研究所は1956年に創業、もともとは構造設計事務所としてスタートした。熊本城といった大きな建築物の構造計算などを手掛け、事業を拡大。2000年にはJASDAQに上場している。そして縁があり、2013年12月からSendGridを日本市場で展開している。

「海外のクラウドサービスを使う際、ネックになるのが言語。ウェブサイトやドキュメント、サポートが英語だと難しいです。日本円で支払いたいといったビジネス習慣なども、海外のクラウドサービスを導入するハードルになっていました。そこを取り払って、皆さんに安心してお使いいただけるようにするのが私たちの使命です」と語るのは、構造計画研究所の専門役員 クラウドビジネス部 部長である中井勘介氏。

構造計画研究所 専門役員 クラウドビジネス部 部長 中井勘介氏

10年前に日本でのサービス提供を開始した

 続いて登壇したのはインダストリー・リレーションズ&OPMシニア・ディレクターであるレン・シュナイダー氏。早速、中井氏に「Eメールを市場に展開し始めて、最初に驚いたことは何ですか?」と質問。

「当時はチャットツールがメインのコミュニケーションツールになると思っていたので、まさか、そんなにメールの需要があるとは、思っていませんでした」と笑う中井氏。

 とは言え、当時も多くの企業のメールを送信していたSendGrid、創業からの4年間で1600億通ものメールを送信していた。そこからメールの数は右肩上がりに増え続け、現在ではなんと毎月1350億通のメールを処理している。最近のサイバーウィークでは、640億通ものメールを問題なく送信。これまでの合計送信数はなんと8兆通。凄まじい数だ。

SendGridが送信するメール数は爆発的に増え続けている

 Gmailを開いてメールアドレスを入力すれば、10通のメールは簡単に送信できる。100通もいけるかもしれない。しかし、一般的なプロバイダーのメールサービスでは、規則や規制があり、1000通、1万通を送るのは難しくなる。

「なぜ、いまだにEメールが好まれるのでしょうか? 端的に言えば、大きな収益を生み出しているからです。Eメール市場は、2027年までに約180億ドルに成長すると言われています。Eメールマーケティングの投資収益率は高く、1ドルの投資に対して36ドルから40ドルのリターンがあります。つまり、Eメールの正しい使い方を知っている企業にとっては、非常に効率的なチャネルだということです」(シュナイダー氏)

インダストリー・リレーションズ&OPMシニア・ディレクター レン・シュナイダー氏

 一方で、99%の人が朝起きたらメールをチェックしているものの、一日にメールを読むのに費やす時間は減少傾向にある。単純にメールの送信量を増やせばエンゲージメントが高まるとは限らない。

「同じメールを何度も送ったからといって、相手がそのメールに興味を持ってくれるとは限りません。実際のところ、おそらく逆効果になるでしょう。どうすればメール疲れと戦えるのでしょうか?もっともシンプルな方法のひとつが、“Preference Center”です」とシュナイダー氏。

 Preference Centerは、メールマガジンなどの購読を受信者自身が設定する画面。つまり、メール購読のオプトイン/アウトの受付フォームだ。Preference Centerから、受信者が何をどのくらいの頻度で受け取りたいかを教えてもらい、メール配信のコントロールを取り戻し、エンゲージメントを高められる。宛先リストから完全に抜ける以外の選択肢を選べるようになる。

Preference Centerでメール疲れに対応できる

 正しく効果を測定することも重要だ。メールの中にピクセルが埋め込まれ、メールを開くと開封のシグナルとなる。しかし、2021年にAppleはメールプライバシー保護機能をリリース、画像はApple側でキャッシュされ、開封の追跡は難しくなった。

 そこで指標となるのがクリック数だ。URLを開いてウェブページを見て、何らかの行動を起こさせることがメールの目的だからだ。重要なのは、メッセージは量より質とシュナイダー氏は指摘する。

 魅力的で質の高いメールを長期に渡って送り続けるためには、まず件名を改善する必要があるという。短い文章で参加者の注意を引くようなサブジェクトラインにする。テキストは件名を繰り返すのではなく、内容を拡大し、その重要性を強調する。そして、スマホの画面に最適化されたデザイン。最後に、みんな写真が好きなので、意味があり、インパクトが大きい画像も掲載することがポイントだという。

メールは量より質が重要

 また、エンゲージメントを高めるなら、CTA(Call to Action)は本文の上部に記載し、適切なランディングページにリンクさせる。送付先のセグメントも必要だ。顧客全員に同じメールを送るのはNG。先週何かを買ったばかりの人には、3か月前に何かを買った人とは異なるメールを送信するべきだという。

 BIMI(Brand Indicators for Message Identification)の技術にも注目だ。認証済みのメールメッセージにブランドのロゴを添付するための規格で、受信者が送信元を識別し、信頼度を高める効果がある。メールにブランドのロゴを表示できるので、開封率が高まることが期待できる。Yahoo!の検証では、エンゲージメントが10%も上昇したという。

まだ対応プロバイダは少ないがBIMIがエンゲージメントを高めるのに効果がある

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