最新パーツ性能チェック 第432回
Core i9-14900/Core i7-14700/Core i5-14400/Core i3-14100/Intel 300をまとめてレビュー
第14世代にもKなしが登場!Core i9-14900からIntel 300まで5製品を一気に斬る
2024年01月11日 08時00分更新
Core i5の下位は依然としてAlder Lake-S
まずはざっくりと第14世代のKなしモデルのスペックを確認しておこう。今回も内蔵GPUのない“Fつきモデル”が存在するが、すべての型番にFつきが存在するわけではない(Core i5-14500)。またグローバルでは存在するが日本には入ってきていない(Core i5-14600/14600F)ものもある。
第14世代のKつきモデルや第13世代のKなしモデルと比べてコアのクロックに差があるが、100MHzや200MHzと非常に僅差であるため、性能差はごくわずかと考えることができる。ただし、Core i7-13700に対するCore i7-14700はEコアが4基増量されている(14700Kと同じ仕様)ため、ここのみ第13世代→第14世代で性能が大幅に向上していると考えられる。
また、KなしゆえにPBPはCore i9〜i5は65W、Core i3以下は60W〜46Wと絞られ、MTP(Maximum Turbo Power)も最大で219Wに下げられている。この点は第13世代のKなしモデルと共通だ。
さてここで注目したいのはメモリーの項目だ。Core i5-14500以下のモデルはDDR5-4800が定格上限となっているが、これは14500以下のモデルはRapor Cove+Gracemontではなく、Golden Cove+Gracemontな“Alder Lake-S”ベースの製品であることが分かる。
これはPコア1基あたりのL2キャッシュにも反映されており、Core i7-14700以上ではPコア1基あたり2MBなのに対し、Core i5-14500以下は1.25MBとなっている。LGA1700も今世代で終了だし、第14世代はRaptor Lake-S “Refresh”なのだから、Raptor Coveを下のモデルに解放して欲しかったところだ。
また、非常に細かいことではあるが、今回もCore i5-14400には上位(といってもAlder Lake-SのCore i5-12600K)向けダイから製造した「B0」ステッピングと、そうでない「C0」ステッピングが存在すると思われる(まだC0を目視していないのでこういう表現とした)。これも第13世代のCore i5-13400と同じだが、性能的に有意な違いがあるかまでは今後の検証に委ねたい。
検証環境は?
検証環境は以下の通りとなる。今回は第14世代のKなし5モデルの性能を見るために、第13世代のKなしモデル4種、さらに第14世代のKつき3モデルを準備(おかげで年末年始はずっとコレだった……)。CPUクーラーは上(Kつき)に合わせて360mmのAIO水冷にしたほか、メモリークロックは上位がDDR5-5600、Alder Lake-SベースのモデルはDDR5-4800に設定している。
また、CPUのPower Limit(PL1/PL2)周りの設定は無制限(BIOSのデフォルト設定準拠)とし、Resizable BARやSecure Boot、コア分離やWindows HD Color(HDR)といった機能はすべて有効としている。
検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル「Core i9-14900K」(24C/32T、最大6GHz)、 インテル「Core i9-14900」(24C/32T、最大5.8GHz)、 インテル「Core i7-14700K」(20C/28T、最大5.6GHz)、 インテル「Core i7-14700」(20C/28T、最大5.4GHz)、 インテル「Core i5-14600K」(14C/20T、最大5.3GHz)、 インテル「Core i5-14400」(10C/16T、最大4.7GHz)、 インテル「Core i3-14100」(4C/8T、最大4.7GHz)、 インテル「Intel 300」(2C/4T、最大3.9GHz)、 インテル「Core i9-13900」(24C/32T、最大5.6GHz)、 インテル「Core i7-13700」(16C/24T、最大5.2GHz)、 インテル「Core i5-13400」(10C/16T、最大4.6GHz)、 インテル「Core i3-13100」(4C/8T、最大4.5GHz)、 インテル「Pentium Gold G7400」(2C/4T、最大3.7GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」 (インテル Z790、BIOS 1801) |
メモリー | Micron「CP2K16G56C46U5」 (16GB×2、DDR5-5600/DDR5-4800) |
ストレージ | Micron「CT2000T700SSD3」 (2TB M.2 SSD、PCIe 5.0) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 4080 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(23H2) |
この連載の記事
-
第458回
自作PC
Arc B580のRTX 4060/RX 7600超えは概ね本当、11本のゲームで検証してわかった予想以上の出来 -
第457回
自作PC
インテル新GPU、Arc B580の実力は?AI&動画エンコードは前世代より超強力に -
第456回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」は高画質設定でも最強ゲーミングCPUであることに間違いはなかった -
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 - この連載の一覧へ