サムスン電子の「Galaxy Z Flip5」を使ってみました。7月26日に韓国・ソウルで「Galaxy Z Fold5」と同時に発表され、日本では9月1日に発売されました。2タイプの折りたたみスマホのうち、従来は“Galaxy Z Foldが主役”という印象でしたが、今期はサムスンがFlipを激推ししています。
筆者は昨年リリースされた「Galaxy Z Flip4」を使っていますが、大きく進化したGalaxy Z Flip5に触れて「1年待つべきだったかも……」なんて思ったりもしました。そこで、前モデルとの比較も含めて、Flipユーザー視点でGalaxy Z Flip5をレビューします。
◆ヒンジの改良により、ほぼ隙間なく折りたためる
Galaxy Z Flipシリーズの最大の利点は、コンパクトに折りたためること。Galaxy Z Flip5のサイズ感は前モデルと同等で、重さも同じ約187g。しかし、折りたたみ時に持つと、かなり薄くなったと感じました。
その理由は横から見ると一目瞭然。前モデルまでは折りたたみ時に隙間が生じて、厚さが不均等でした。一方、Galaxy Z Flip5は「フレックスヒンジ」という新しいヒンジ構造の採用により、ほぼ隙間なく折りたためるように進化しています。
折りたたみ時の表面のディスプレーが大きくなったことも特徴。前モデルのカバーディスプレーの画面サイズは約1.9型(260×512ドット)でしたが、Galaxy Z Flip5は約3.4型(720×748ドット)に。表示できる情報量が増えて、名称も「フレックスウィンドウ」に変更されています。
右側に指紋センサーを兼ねる電源ボタンと音量ボタン、左側にSIMスロット、底部にUSB Type-Cポートという配置は従来通り。両面のパネルはガラスで、フレームとヒンジにはアーマーアルミニウムを使用。ハイエンドモデルらしいリッチな質感です。
前モデルまではヒンジに「Galaxy」と刻印されていましたが、Galaxy Z Flip5は「SAMSUNG」になっています。グローバルの仕様と同じになったわけですが、Galaxy Z Flip4を持っている筆者には、日本だけの「Galaxy」ロゴがレアに思えて気に入っています。
◆カバーディスプレーの使い勝手が大きく向上
従来モデルのカバーディスプレーは、ガラケーのサブディスプレーのように、時刻や通知を確認するのが主な用途でした。電話をかけたり、音楽を操作したり、カメラを起動して撮影できる機能もありましたが、画面に表示される情報に制約があるので、急いでなければ“開いて操作したほうが使いやすい”というのが実情でした。
一方、Galaxy Z Flip5のフレックスウィンドウは、閉じた状態での使い勝手がグンと向上。メインディスプレーと同じような操作で通知を見たり、クイック設定パネルを開いて設定を変更したりでき、さまざまなウィジェットを使うことも可能です。メインディスプレーではアプリを使いますが、フレックスウィンドウでは3.4型画面に最適化されたウィジェットが使える仕様になっています。
ウイジェットだけでなく、一部のアプリを起動することも可能。プリインストールされているアプリでは「YouTube」「マップ」が対応。「Playストア」から入手するアプリでは「LINE」や「Netflix」が対応していました。個人的には「X(旧Twitter)」や「Instagram」も使えるといいなぁと思いました。今後のアップデートを期待したいところです。
フレックスウィンドウによって、閉じたままで自撮りがしやすくなったことも利点。閉じた状態からは、フレックスウィンドウのタッチ操作または電源ボタンの2度押しでカメラを起動でき、撮影サイズ、セルフタイマーなどの撮影設定も可能。
ポートレートモードや動画にも切り替えられ、閉じたままで撮影した画像を確認することもできます。自撮りをする機会が多い人は、これを目当てに買う価値もありそうです。
カバーディスプレーが大きくなったことにより、ホーム画面のカスタマイズも楽しめるようになりました。プリセットされたデザインの中から好きなものを選べるほか、別売のケースの背面側に入れるNFC内蔵のシートに合わせたデザインになる機能も備えています。
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