eSportsからリアルレースへ! SUPER GT マッハ号、冨林勇佑選手密着レポ 第16回
SUPER GT第7戦はチーム地元の九州大会! 冨林勇佑は予選・決勝ともノートラブルで走り切り18位完走
2023年10月28日 15時00分更新
2023年のSUPER GT第6戦「AUTOPOLIS GT450km RACE」が10月14~15日に大分県のサーキット、オートポリスで行なわれた。ここが地元レースとなる「マッハ車検エアバスター MC86 マッハ号」(冨林勇佑/松井孝允)は、今季ベストレースをするべく、予選から奮闘。ポイント獲得とはならなかったが、eスポーツ選手兼プロドライバーの冨林はノートラブルで長丁場のレースを走り切り、18位完走を果たした。
熊本県と大分県の県境に位置し、標高800mのところにあるオートポリス。コースの高低差が激しいうえに、タイヤにも厳しいコース。そして、昨年から導入が進められている450kmのフォーマットで開催された。
ここまで、トラブルにも悩まされながらも、粘り強く上位を目指して戦い続ける5号車。九州はチームの地元ということもあり、何としても好結果を残したいところだ。
◆予選1回目を勝ち抜けず厳しい結果に
気温16度、路面温度18度と肌寒いコンディションで始まった土曜日の公式練習。5号車は積極的に周回を重ねていくが、ライバル勢のタイムに近づくことができず、21番手でセッションを終えた。
午後の公式予選は、松井がQ1を担当。このコースでは86マザーシャシーで優勝経験のあり、予選一発の速さを出してQ2に繋ぎたいところだ。松井も現状のベストと言える走りでラップタイムを刻んだが、1分45秒306のベストタイムでB組11位。今回も厳しい結果に終わった。
なお、ポールポジションは2号車「muta Racing GR86 GT」が獲得した。
◆決勝レースは果敢に攻めるも18位に
15日の決勝日は青空が広がるなか、450kmの長距離戦が始まった。22番グリッドからのスタートとなった5号車は、冨林がスタートを担当。ピットが開く5周目に給油のみのピットインを行ない、実質的な1ストップ作戦で上位進出を目指した。ピットアウト直後は順調な走りを見せ、途中にはフルコースイエローも何度か導入され、流れは5号車に向きつつあるのかと思われた。
しかし、肝心のペースが思うように上がらず、戦略的なアドバンテージを作ることができず……。それでも、冨林はペースを上げようと試行錯誤を重ねた。他車のピットストップもあり、一時はGT300クラス11番手を走行。入賞圏内まであと少しというところまで迫っていた。
41周を終えたところで2度目のピットインを行ない、松井にドライバーチェンジ。後半戦も粘り強く追い上げようとした。ライバルと比べて力強い走りを見せられていないものの、現状の5号車ができる最大限のパフォーマンスを引き出し、松井は最後まで周回を重ねていった。
これまではレース後半にトラブルに見舞われて戦線離脱を余儀なくされるケースがあったが、今回はメカニックたちも懸命にメンテナンスし、トラブルが出ないように徹底的に対策。それが功を奏し、今回は一度もトラブルに悩まされることはなかった。
最終的にスタートポジションから4つ順位を上げて18位でチェッカーフラッグ。目標としているポイントに手が届かなかったが、ここ数レース果たせていなかった完走ができたことで、ひとまずチーム一同、胸を撫でおろしていた。
GT300全体を見ると、52号車「埼玉トヨペットGB GR Supra GT」が何周にも渡る2号車とのバトルを制して前戦に引き続き優勝。2連勝を成し遂げ、チャンピオンシップが圧倒的有利に。2位が2号車、3位が31号車「apr LC500h GT」となった。
チャンピオンの権利を残すのは52号車と2号車の2台のみ。最終戦もてぎでは、激しい一騎打ちが見られるだろう。
◆冨林勇佑選手コメント
今回も早めにピットストップをしましたが、それをしたことで逆にペースを上げにくくなった部分があったのかなと思います。もちろん、バトルでタイヤを使ったところもありましたし、FCYが入ったことも苦しくなる原因でした。そのたびにタイヤの内圧が下がって大変でした。
でも、序盤はバトルもして、何周かは守ることができましたけど、けっこう大変でしたね。5周目ピットの戦略をとると、2回目の給油が長くなるので、見た目上で順位を争っている相手にも最終的には前に行かれてしまいます。いずれにしても、もう少し速さが必要です。
でも、今回はトラブルもなく、最後まで走り切れたので良かったです。次は最終戦なので、何としても結果を残したいですね。
◆GT500は36号車「au TOM'S GR Supra」が優勝!
GT500も激しいバトルが繰り広げられたのだが、12番グリッドからのスタートとなった36号車「au TOM'S GR Supra」が怒濤のオーバーテイクを見せ、堂々の優勝。チャンピオンシップのポイントリーダーの座を維持し、トップのまま最終戦に挑むことになった。
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