外観は従来機種と変わらず、中身やスイッチが進化! 給電はType-Cに

ゲーミングマウス「PRO X SUPERLIGHT 2」は“余計な”進化が一切ない!

2023年10月11日 16時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

「PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEED ワイヤレス ゲーミングマウス」。見た目でいうと、従来モデルとほぼ変わりません。でも若干軽くなっています

 ロジクールのゲーミングブランド「ロジクールG」から、ゲーミングマウス「PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEED ワイヤレス ゲーミングマウス」(以下、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEED)が登場しました。シンプルな形状に必要最低限のボタン配置、軽さといった特徴から、FPSゲーマーを中心に人気を博したマウス「PRO X SUPERLIGHT」の進化版となります。

 発売日は10月13日で、価格は2万5410円。カラバリは、ブラック、ホワイト、マゼンタの3色です。私は従来のPRO X SUPERLIGHTを使っていたので、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDも気になって仕方ありませんでした。そこで、発売に先駆けてお借りし、実際に使ってみたので、今回はファーストインプレッションをお届けします。

形状はそのままに、中身が進化
重さも63未満(従来モデル)から約60gに軽量化

「LIGHTFORCEスイッチ」が採用されています。カチカチとしっかりと押した感があり、心地いいです。ちなみにホイールは、従来モデルとの差は感じられませんでした

 先に、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDが進化した点を紹介しておきます。ゲーマーの皆さんが一番実感できる進化ポイントの1つが、スイッチです。従来モデルではメカニカルスイッチだったのに対し、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDでは、「LIGHTFORCEスイッチ」が採用されています。

 このスイッチは同社によると、メカニカルスイッチのクリック感はそのままに、光学式スイッチのクリックの反応速度も両立させた、ハイブリッドなスイッチになっているとのことです。

 また、センサーも「HERO2」センサーに進化。ポーリングレートは前機種の倍となる2000Hzに向上しています。加えて、従来モデルはDPIの調整は50単位でしたが、本モデルでは5単位での調整が可能になり、細かい感度調整が可能となりました。

「HERO2」センサーに進化しています。ポーリングレートは2000Hzに

 さらに、同社のソフトウェア「Logicool G HUB」から、X軸とY軸の感度を別々に設定することも可能になりました。とくに感度を低めに設定している場合、横はちょうどいいけど、エイムした際の上下のフリックが間に合わないという人もいるのではないでしょうか。そういった場合は、こちらの設定は便利かもしれません。

X軸とY軸の感度を別々に設定できます

 設定できる機能としてもう1つ挙げられるのが、リフトオブディスタンス(LOD)です。LODとは、マウスを持ち上げたときに、センサーが反応しなくなる距離のことです。従来のマウスでLODがちょっと不満という人や、マウスパッドを変えたいけどLODが気になって変えられないという人にとっては、こちらの機能もうれしいポイントではないでしょうか。

LODは、高、中、低の3段階で変更できます

 さて、ここからは実際に使ってみて感じたPRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDのオススメポイントと、イマイチポイントを紹介していきます。

個人的オススメポイント1:クリック感が気持ちい! 単発うちしやすくなった

 前述のとおり、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDはLIGHTFORCEスイッチを採用しています。従来モデルよりも押すとカチッという気持ちいい音と感触になっているので、しっかりと押している感があり、個人的にはかなり好みです。

 反応速度に関しては、正直よくなったかも? といった感じです。FPSをライトに楽しんでいる30代のFPSゲーマーでは、明確によくなった! といえる実感はあまりありませんでした。この辺りは、プロゲーマーの方たちの評価を待った方がいいかもしれません。

 あと、クリック感はめちゃくちゃよくなっていますが、そのぶんクリック音は大きくなっています。配信でクリック音を気にする人や、ゲームだけでなく仕事でビデオ会議をする際にクリック音が気になるという人にとっては、少しクリック音は大きい気がします。

個人的オススメポイント2:DPI調整が5単位なのは、カスタマイズ感があって楽しい

 FPSにおいて、マウスで大事なのが感度調整になります。自分に合ったDPIに設定して、ゲーム内感度も調節することで、一番自分が思ったとおりに照準が動くようになると、よりエイムが向上します。

 そういった際に、従来の50単位の調整だと、マウスのDPIはざっくりと決めておいて、ゲーム内感度を細かくいじるという調整の仕方が普通でした。しかし、本モデルでは5単位でDPIが調整可能なので、マウスでもゲーム内でもより細かい調整が可能となります。

 感度調整は、タイトルごとの練習場で、2対のボットに対してマウスを振って照準を合わせて、ボットの手前で発射したら感度を上げて、通り過ぎて発射したら下げてを繰り返す方法で感度調整をしていました。この際にいじる中心はゲーム内感度でしたが、本モデルではDPIも細かく調整できるので、より感度調整が楽しく感じます。ピッタリ! って感じる感度にできたときは、最高です。

 また、感度はプリセットを複数用意することができます。FPSではこの感度、MOBAだったこの感度といったようにジャンルでわけてみたり、「VALORANT」と「Apex Legends」などFPSタイトルごとにわけてみたりすることもできます。理想の感度を細かく調整する作業が好きな人にとっては、うれしいポイントではないかと感じます。

個人的オススメポイント3:形状がほぼ変わらなかったこと

マウスを新調すると、握り方に慣れるのに時間を要するときもあります。しかし、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDのデザインは従来モデルとほぼ同様なので、何の違和感もなく使い始められました。従来モデルでも一番気に入っていたのがこのシンプルで握りやすい形状なので、ここが変わらなかったというのは、個人的にかなり好印象です

 PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDは、形状が従来モデルとほぼ変わっていません。そのため、握り心地やサイドボタンの位置、マウスホイールの感触といった部分は、従来モデルと同じに感じます。それでいて数グラム軽くなっていることを考えると、どこを軽くしたの? と疑問に思えるほどです。

 しかし、私はこれがかなりうれしかったです。なぜなら、従来モデルも使い倒していて、どう握るか、サイドボタンに指をどう添えるかということが、そっくりそのまま新モデルでも利用できるからです。

サイドボタンの位置も変わっていないので、指が位置を覚えていました

 メーカーが新モデルを出すときは、従来モデルでもよいものでないといけないという想いがあると思うので、少し形状を変えたり、ボタンをより押しやすい位置にと考えて少し移動したりすることも少なくありません。

 しかし、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDではあえてそうしなかったのだと思います。それは、従来モデルにファンがたくさんいるということをしったうえでの判断だと思います。私もその1人ですから。じゃあ形は変えずに中身を進化させて、軽量化もするといった判断を下したところは、さすがだと感じました。

ソールの位置にも変更がないので、滑りやすさといった部分でも違和感なく使えました

個人的オススメポイント4:対応ゲーミングキーボードと一緒のUSBレシーバーで接続できる

USBレシーバーは底面のフタを開けて収納できます

 PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDに同梱するUSBレシーバーは「WIRELESS-2-in-1 CONNECTIVITT」という機能を搭載しています。これにより、こちらに対応するゲーミングキーボードであれば、1つのレシーバーでマウスとキーボードどちらも接続することが可能です。

 ゲーマーは、多くのデバイスをパソコンに接続します。そのため、USBポート不足になりがちです。そのため、1つでもUSBポートを節約できるというのは、かなりうれしいポイントといっていいでしょう。

個人的オススメポイント5:USB Type-C給電に!

左がPRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDで、右が従来モデルです

 従来モデルの端子はmicroUSB端子でしたが、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDはUSB Type-C端子になっています。私のパソコンデスク周りもほとんどがType-C給電のデバイスです。そのため、ここからmicroUSB端子のケーブルを増やすのは正直面倒くさいです。そのため、Type-C給電になってくれたというのは、地味に結構うれしいポイントです。

個人的イマイチポイント1:POWERPLAYとの相性は今後に期待

 まだ発売されていないので何ともいえませんが、同社の「Logicool G PowerPlay Wireless Charging System」との相性が、現段階ではイマイチです。まず、現段階だとPOWERPLAYに接続した場合、ポーリングレートが2000Hzではなく、従来の1000Hzしか対応していませんでした。

恐らくPOWERPLAYが未対応なのか、1000Hzまでしか選択できません

 また、私が使っているPOWERPLAYのせいかもしれませんが、たまにほんの一瞬ですが反応しなくなるなと感じるときがありました。これは、今後ソフトウェアのアップデートで改善される可能性は十分にあると思いますが、お借りしたタイミングでPOWERPLAYでも2000Hzが使えたら、よりうれしかったなと感じました。そのため、POWERPLAYもしくはPRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDのアップデートがアナウンスされるまでは、USBレシーバーを使ってプレイしたほうがいいと思います。

個人的イマイチポイント2:円安の影響で価格が高い

 こちらもどうしようもない点ではありますが、従来モデルが1万8810円なのに対し、PRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDの価格は2万5410円とかなり高いです。円安なのでどうしようもないということは理解できますが、クリック感にこだわりがなかったり、DPIを細かく調整する必要がないと感じていたり、センサーは従来で十分と感じる人は、あえてこちらを選択する必要がないかもしれません。

 より進化を感じたいという人は、もちろんPRO X SUPERLIGHT 2 LIGHTSPEEDを選択してほしいですが、そうでもないと思う人は、よりお手頃なPRO X SUPERLIGHT LIGHTSPEEDでもまだいいのかなと感じます。

正統な後継機がほしいという人には、かなりオススメ!

 とはいえ、従来モデルと比べると、さまざまな箇所が進化していることは間違いありません。マウスにはとことんこだわりたい、従来製品が好きで正統な後継機が気になるという人にとっては、かなりオススメできる機種であることは間違いないです。

 気になる方は発売後に、実際にゲームが試せる店頭などで、いったん触ってみてはいかがでしょうか。従来の握り心地で、クリック感が向上していたり、感度調整やセンサーも進化していることが確実に実感できるという人にとっては、かなりオススメだと思うので、ぜひチェックしてみてください。

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