アマゾンは9月7日(現地時間)、同社が展開する電子書籍出版サービス「Kindle ダイレクト・パブリッシング(KDP)」について、新たに生成AIを使ったコンテンツに関するルールを追加した。
AIを使ったコンテンツを2つに分類
追加されたルールでは、生成AIを使ったコンテンツを「AI生成コンテンツ」と「AIアシストコンテンツ」の2つに分類。KDPを利用してコンテンツを出版または再出版する際、同社への申告が必要か否かを定めている。
●AI生成コンテンツ【申告が必要】
AI生成コンテンツの定義は「AIベースのツールによって作成されるテキスト、画像、または翻訳」。生成AIなどで実際のコンテンツを生成してそのまま使用する場合や、AIが生成したコンテンツを人間の手で大幅に編集して作成したコンテンツが該当する。
KDPを利用するコンテンツにAI生成コンテンツが含まれる場合、同社へ申告する必要がある。
●AIアシストコンテンツ【申告は不要】
コンテンツ(テキストまたは画像)を自身が作成した後、AIベースのツールを使用して編集、改良、エラーチェックなどをするケースは、AI生成ではなく、AIアシストコンテンツと見なされる。また、AIベースのツールで引き出したアイディアを基に、最終的に自身がテキストや画像を作成した場合もAIアシストコンテンツと判断される。
AIアシストコンテンツについては、同社への申告は不要だ。
Authors Guild(全米作家協会)の声も影響か
本件についてAuthors Guild(全米作家協会)は同日、「Amazon’s New Disclosure Policy for AI-Generated Book Content Is a Welcome First Step(日本語訳:AIで生成されたアマゾンの書籍コンテンツに関するアマゾンの新しい開示ポリシーは歓迎すべき第一歩です)」と題するコメントを公開。今回KDPに追加されたAI関連のルールは、同協会とアマゾン側が過去数ヵ月に渡り交渉した結果、設定されたものであることを明らかにした。
コメントの中で同協会は、他の主要なプラットフォームや出版社に対しても、引き続きKDPと同じような透明性を求めていくとしている。