肉食ナベコの「なんでも食べてみる」 第861回
あおさってマルちゃん焼そばに必要ですか?
国民食「マルちゃん焼そば」がお湯かけ簡単のカップ麺に。添付の“ふりかけ”が悩みどころ
2023年08月14日 19時25分更新
ごきげんよう、アスキーグルメのナベコです。みなさんはどんなお盆を過ごしていますか? 私はというと人がやや減ったようにも思える東京で呑気に変わらずやっております。自分としていつもと同じく過ごしたくても「おや、駅前の定食屋がお休み……」といった、ご飯どうしようか問題に直面するなど。お盆ってねぇ。
そんな時に即席麺は裏切りませんよ。お盆にありがとう、カップ麺!
先日「なぜ今までなかった…あの『マルちゃん焼そば』が即席麺で登場!」という記事を掲載したところ反響がよかったので、カップ入り即席麺「マルちゃん焼そば」を食べてみましたよ。
即席麺「マルちゃん焼そば」ありそうでなかった!?
東洋水産のカップ入り即席麺「マルちゃん焼そば」は8月7日に販売開始された新商品。ロングセラーのチルド麺「マルちゃん焼そば 3人前」の味をカップ焼そばにて再現したとのことです。
チルド麺のマルちゃん焼そばはみなさんご存じですよね。チルド(冷蔵)の焼そば麺に粉末ソースがついたフラパン調理用の商品。1975年発売のロングセラーです。もはや国民食といっていいでしょう。
豚肉やキャベツを足すなどお好みでアレンジして思い思いの焼そばを作ることができます。なんといっても魅力は、スパイスがきいてヤミツキな粉末ソース。
私はあの味が好きで好きで、親が作ってくれるのが待ちきれず自分で率先して作るくらいでした。以前の記事にも書きましたが生まれて初めてフライパンを使って料理したのは、マルちゃん焼そばだったのではないかという記憶さえあります。
あれだけ好きだったのに、実家を出るととたんに食べる機会が減りました。フライパン調理するのも面倒ですしね。ですので、お湯だけあの味が楽しめるというなら最高だ!! と期待が高まります。
マルちゃん焼そばとソースは同じではない……!
しかし、作る前にこんなフレーズを見つけ、鼻先にジャブを打ちこまれました。
パッケージをよくみると、「『マルちゃん焼そば3人前』の麺とソースは使用しておりません」と書かれていますね。
なんですって!?
麺は違うとしても、ソースは同じものを使用すると思い込んでいたため驚きました。やはり、チルド麺と即席麺で根本から異なると、味付けも同一ではないということでしょう。
まったく同じものを期待してはいけない。食べる前にそんなことを念頭に入れておくとよさそう。
フライパンは要りません。お湯だけで作っていきます
さあ、気を取り直して作っていきます。中身はかやくと特製油、粉末ソースとふりかけです。粉末ソースとふりかけはピンクの袋の中に分かれて納まっています。
湯戻し3分。お湯を切ったら、特製油を加えて混ぜこんでから、粉末ソースをかけ、さらに混ぜます。仕上げにふりかけを散らして完成。
粉末ソースをかけた段階で、スパイシーで食欲をそそるマルちゃん焼そばの香りが広がります。これですよ、これ!!
香りでテンション上がる感じは、マルちゃん焼そばと完全に一致。
よくある即席麺の焼そば同様、お湯だけで簡単に作ることができました。フライパンは不要です。マルちゃん焼そばの歴史が変わる!
“ふりかけ”はないほうがマルちゃんらしいかも
期待に胸を含まらせていただいてみました。おおっ、濃厚でスパイシーな感じは確かにあのマルちゃん焼そばそのもの。
うまい、うまいのですが……、チルド麺のマルちゃん焼そばをアタマに思い浮かべているとちょっとした差が気になってしまいます。
ひとつは、かやく。キャベツ、味付挽肉と即席麺らしい具材が入っています。こういった商品としては多めに具を入れてくれている気がしますが、やはり家で生の野菜を加えて作る焼そばと大きく差が出てしまうのは否めません。
また、粉末ソースもやっぱりちょっと違う気がします(違うソースを使っていると書かれているので味が違うのは当然ですが)。
マルちゃん焼そばの粉末ソースは発売以来味を変えてない伝統の味。門外不出の秘伝の配合で、某テレビ番組で紹介された際には粉末の醤油、りんご、ポークエキスなどに加えて20種類ものスパイスを合わせてると漏らしていました。
チルド麺のマルちゃん焼そばのスパイシーでヤミツキな味に、今回の商品もかなり寄せてきていますが、完全一致とは言いきれない印象です。複雑な配合でしょうから、何がどう違うと説明が難しいのですが、即席麺のほうのスパイスがちょっと薄く感じるかな?どうだろう?
あらためて、チルド麺のマルちゃん焼そばって神秘のベールに包まれているんですね。「もしかして社内でも他部署には配合が秘密なのかも!?」なんて想像がふくらむほど。
最後に“ふりかけ”。あおさと紅生姜が入っていて文句ない組み合わせですが、これらがどうも香りが強く、ありがちなカップ焼そばの味に引っ張っていってしまいます。自分でマルちゃん焼そばを作った時にも青のり(あおさ)、紅生姜をかける方は問題ないですが、「いつもかけてないよ」という人はふりかけ無しのほうが、“マルちゃん焼そばらしさ”を堪能できると思います。
よくできているのはチルド麺のような弾力がある麺。中太でモチモチしており、粉末ソースをかけた時にいい意味の“ゴワつき”が出て、フライパン調理したかのような雰囲気を醸しています。
お湯で戻す即席麺とチルドで販売されている茹で麺で、本来は差が大きいはずなのに、違和感ないくらいに質感を近づけています。
1食分の価格差が気になってしまう
“完全一致ではない”と書きましたが、あくまでまったく同じではないというだけで、マルちゃん焼そばの味を即席麺でかなり近いところまで再現しており、とてもおいしくいただけました。麺も食べ応えがあり、カップ焼そばとしては大満足です!
かやくについても即席麺らしいと書いてしまいましたが、そもそも、チルドのマルちゃん焼そばそのものには具材はついてないわけですから。それに対して、即席麺のこの商品はキャベツや肉がかやくで最初から入っています。有り難いことです。
頭をよぎるのは価格。マルちゃん焼そばは非常にコスパがよく、物価高の今も3人前でおよそ400円(1人前の商品も140円程度)。
一方で、即席麺のマルちゃん焼そばは254円程度。もちろん、3人分の量が入っているわけではなく1人前です。
お湯を入れるだけで作れる利便性と、コスパは別の問題かもしれませんね。価格差こそあれ、非常に便利な商品です。マルちゃんの焼そばファンの人はぜひ食べて味の差を確かめてほしいです。
ちなみにこの商品、先週発売されたばかりですが、近くのスーパーではすでに残り数点の“品薄”になっていました。追加で補充されるかは不明ですが、ぜひ急いでチェックを。
※記事中の価格は税込み
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