マイクロソフトは7月18日(現地時間)、同社のAIチャットボット「Bing Chat」の法人向け「Bing Chat Enterprise」を発表、プレビュー版をリリースした。
また、法人向け「Microsoft 365 Copilot」の価格を月額30ドルと発表、さらにコンシューマー向け「Bing Chat」に「Visual Search in Chat」機能を追加したことも発表された。
機密情報を完全に保護
AIツールで機密性の高いビジネスデータを扱う場合は、データが完全に保護されていることが絶対条件となる。
Bing Chat Enterpriseに入力したデータは完全に保護されており、組織外に漏洩することはない。また、チャットデータは保存されずLLMのトレーニングには使用されることもない。もちろんマイクロソフト社員がデータを覗き見ることもできない。
Bing Chat Enterpriseの見た目はコンシューマー向けとほぼ同じだが、プロンプト入力欄やBingの回答欄に「Your personal and company data are protected in this chat(チャット内のあなたの個人情報と会社のデータは保護されています)」という文字が表示されるので見分けることができる。
スタンドアローン契約も可能
コンシューマー向け同様、Bing Chat Enterpriseはウェブ上の最新データの読み込みが可能。ユーザーのプロンプトに応じてグラフ、チャート、画像を含む回答を生成する。引用元もすべて表示されるのでファクトチェックも容易だ。
Bing Chat Enterpriseへのアクセスするには、「Bing.com/chat」や「Microsoft Edge」のサイドバーなど、Bing Chatが使える場所にビジネスアカウントでログインすればよい。
アカウント名の右側に「Protected」と表示されればBing Chat Enterpriseにアクセスしていることがわかる。
7月18日(現地時間)よりMicrosoft 365 E3、E5、Business Standard、Business PremiumユーザーはBing Chat Enterpriseを追加費用なしで利用できる。将来的にはユーザーあたり5ドル(およそ700円)/月のスタンドアロンサービスも追加され、さらに「Windows Copilot」からも利用できるようになるという。
また、現在早期アクセスプログラムで一部の企業に提供している「Microsoft 365 Copilot」の正式版の価格を、ユーザー当たり月額30ドル(およそ4150円)/月にすることも発表されている。
ついにマルチモーダルサーチが可能に
コンシューマー向けBing Chatには、OpenAIの最新LLM「GPT-4」のマルチモーダル(文章だけではなく画像や動画も扱える)機能を活用した「Visual Search in Chat」が追加され、プロンプト欄にテキストだけではなく画像を含めることができるようになった。
見知らぬ料理の写真を送ってレシピを調べたり、車の写真を送ってメーカーや年式を調べたりすることができるのだ。
なお、グーグルは7月13日に発表したAIチャットボット「Bard」の「Google レンズ」機能で同じくマルチモーダルサーチを実現している。