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山根博士の海外モバイル通信 第658回

東南アジアを1ヵ月まわって見つけた日本で見ないスマホたち

2023年07月19日 12時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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日本では見られないスマホを発見

 6月に展示会取材も兼ねシンガポール、マレーシア、タイと3ヵ国を回ってきました。現地に行けばスマートフォンのお店に行くのが常の筆者ですが、普段日本では見かけないモデルをいろいろと見てきました。その中でも自分がちょっと気になった製品をいくつか紹介します。

日本にも上陸したrealmeの上位モデル
「realme 10 Pro+ 」

 海外でコスパの高いモデルを次々と出しているrealmeの上位モデルです。チップセットはMediaTekのDimensity 1080、メインカメラは1億800万画素。バッテリーは67Wの急速充電対応の5000mAhを搭載します。定価は1599リンギット、約4万8000円。実はこの製品を見たすぐ後に、後継機「realme 11 Pro+」も登場しているのですが、こちらの製品も引き続き販売されています。

realmeのハイエンドモデル

1億800万画素カメラを搭載する

1万円ちょっとの価格が魅力
シャオミ「Redmi A2+」

  こちらは1万円ちょっとの格安モデル。シャオミの割り切りモデルです。チップセットはMediaTekのHelio G36、カメラは800万画素で、サブの深度測定カメラもわずか80万画素とかなり性能を抑えています。ディスプレーももちろん6.52型HD+と低解像度。しかし、399リンギット=約1万2000円という価格から、東南アジアではライトユーザーに受けているモデルです。

1万円ちょっとの激安モデル

800万画素+80万画素の低スペックカメラ。背面は滑りにくい仕上げだ

スタイラス内蔵スマホ
TCL「STYLUS 5G」

 本体にスタイラスを内蔵する手書き対応の5Gスマートフォン。アメリカで販売されていますが、アジアでも一部の国に投入されています。チップセットはMediaTekのDimensity 700、カメラは4つありますがメイン5000万画素、超広角500万画素、マクロと深度測定が200万画素。バンコクのスマートフォン量販店では1万990バーツ、約4万4000円でした。

スタイラスを本体に内蔵、普段は普通のスマホとして使える

本体からスタイラスを抜くと手書きアプリなどが起動する

目に優しいタブレット
TCL「NXTPAPER 10S」

 TCLの眼にやさしいディスプレー「NXTPAPER」を採用した10型タブレット。バックライトを使わない反射型タイプの液晶ディスプレーなので、ブルーライトもカットされます。また、消費電力も少ないといった特性があります。チップセットはこれもMediaTekのMT8768を搭載、Wi-Fiのみ対応で価格は999リンギット、約3万円です。

紙のように眼にやさしいディスプレーを搭載する

5Gスマホのエントリーモデル
ZTE「Blade A72 5G」

 ZTEのエントリー向け5Gスマートフォンです。チップセットはMediaTekのDimensity 700、メインカメラは1300万画素、バッテリーは4000mAhで価格は849リンギット、約2万6000円です。約1年前のモデルですが、ZTEのスマートフォンは中国以外での展開は広がっておらず、マレーシアでは2023年に入ってから少しずつ製品を出しているようです。ブランド力も弱いため、5G格安機で存在感を出そうとがんばっています。

マレーシア市場参入のキラーモデル

エントリークラスのモデルで価格勝負

元Gioneeの新メーカー
FreeYond「F9」

 以前記事で紹介した、元Gionee関係者が立ち上げた新しいメーカー、FreeYondの「F9」がマレーシアでしっかりと販売されていました。Redmi A2+と同じ399リンギットの格安スマートフォンです。デモ機などがなく、実機を触ることができなかったのですが、新しいメーカーの製品が増えるのはうれしいこと。後継機もどんどん投入してほしいと思います。

Redmiのライバルとなる1万円台の格安スマホだ

 今回紹介した製品のほとんどがエントリークラスのモデルですが、東南アジアではこのクラスの製品が一番の売れ筋であり、各メーカーも積極的に新製品を投入しています。派手なハイエンドモデルの陰に隠れて、知られざるスマートフォンが毎月のように発売されているのです。

realmeのマスコット「realmeow」の限定フィギュアをマレーシアメディアに見せてもらった

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