専門家「どんなテクノロジーも、結局は使い方次第」
現在、生成AIの教育への活用については慎重な議論がされている。ベネッセが小学生の保護者に実施した独自調査でも、約6割が生成AIに肯定的な一方で、約3割は使ってほしくないと回答している。新しい技術の活用力を養う良い機会、新しい興味を得て考える力がつくのではというポジティブな意見がある一方で、自分で考えなくなりそう、自分で書いて表現しなくなりそう、情報の正誤の判断がつかないといった、不安の声も少なくなかったという。
そこでベネッセでは、独自にシステムを開発するとともに、「5つのルール」などの監修を専門家に依頼。体験会には監修者の広島工業大学 安藤明伸教授も登壇した。「人間は新しいテクノロジーに不安を覚えがち。検索エンジンが出てきたときも、調べる力がなくなると言われた」と安藤教授。だが今日も書物には書物の良さ、図書館には図書館の良さがあり、Webに正しいことばかりが書いているわけではない。「情報を鵜呑みにするのではなくリテラシーが必要。今は大人も子どももそういう世界で生きているし、生成AIが広がればまた新しい情報リテラシーが求められる。どんなテクノロジーも、結局は使い方次第。保護者とお子さんで対話しながら、新しいテクノロジーを使うことがとても大切」と話していた。
AIで「考える力」を伸ばす
今回のサービスは夏休みに期間を区切ったもので、終了後は登録情報なども破棄される予定だ。「まずは小学生の親子をターゲットに、自由研究にどう取り組んでいいのかわからない、あるいは生成AIを使ってみたいけど、少し怖いという印象をお持ちの方に体験していただければ」と、的場氏。また、今後の進研ゼミへの展開については「研究開発を進めていきたい。子どもたちの考える力を伸ばすことが、今非常に重要なテーマになっていますので、そういったサポートができるような形を考えていきたい」と話していた。