Dropbox内のドキュメント内容を要約し、質問に回答する「Dropbox AI」も紹介
AI搭載でGmailもNotionもAsanaもDropboxもまとめて検索、「Dropbox Dash」登場
Dropbox Japanは2023年7月11日、AIを搭載したユニバーサル検索ツール「Dropbox Dash」の記者説明会を開催した。米国では6月22日に発表されており、現在はベータ版として公開されているもので、Dropboxだけでなく、NotionやGmailなど他のSaaS内のデータもまとめて検索できるのが特徴だ。
Dropboxが創業した16年前と比べると、現在は個人が扱うデータの量が格段に増えている。そのうえファイルという形だけでなく、クラウドのいろいろなアプリ内にデータが散在している状態だ。そんな中から、自分が欲しいものを即座に取り出すのは難しくなっている。
こうした状況の中、Dropboxが提供を開始したのがDropbox Dashだ。Dropbox Japan 代表取締役兼社長の梅田成二氏は次のように語った。
「現在、ラージ・ランゲージ・モデル(LLM、大規模言語モデル)が急速に進化している。こうしたAI技術を製品に取り込み、ユーザーによりパーソナライズされたAIを提供することで、もっと働き方の効率を上げることができると考えている。今年4月には、Dropboxの創業者であるドリュー・ハウストンが『AIファーストカンパニーに進化していく』と表明し、6月にはその第1弾として、米国でDropbox Dashのベータ版ならびにDropbox AIのアルファ版を紹介した。日本版はまだ提供していないが、実は、日本はいろんな意味でAIの重要性やニーズが強い国だと考えている」(梅田氏)
Dropbox DashとDropbox AIについては、Dropbox プロダクトデザインディレクターのデヴィン・マンキューソ氏が解説とデモを行った。
クラウド上のさまざまなアプリ(SaaS)に情報が散逸していると、「あのプロジェクト計画のドキュメントはどこにあるのか」「今年の戦略プランは誰が作成したのか」「コーポレートクレジットカードの情報が欲しい」などと思っても、なかなか簡単にアクセスすることができない。ある調査によると、現在のナレッジワーカーは仕事に必要なコンテンツを「探す」作業だけで、週に8.8時間も費やしているのだという。さらには、アプリ間の移動に1日60分以上費やしている人も69%に上る。
パーソナライズされたAIがあれば、そんな課題を解決できる。もっとも、その際にはプライバシーとセキュリティを重視して、信頼性と安全性も確保する必要がある。そこでDropboxが提供するのが「Dropbox AI」だ。
「たとえばプレゼンテーションや契約、提案書などに関して疑問を持った際に、その答えを探すために何百ページも探さなければいけないことがある。これをDropbox AIが代わりにやってくれる。ドキュメントを読んで、そのドキュメントに関する疑問に簡単に答えてくれるのだ。200ページぶんの情報であっても、1クリックで一気に要約してくれるので、読むのにかかる時間も短縮される。将来的には、Dropbox全体を対象にする計画がある」(マンキューソ氏)
ハイブリッドワークやリモートワークなど新しい働き方が広まっているが、それと同時にデジタルワークスペースはどんどん複雑なものになっている。大量のアプリケーション、タブ、リンク、コンテンツを行き来し、うまくナビゲートしながら仕事をしなければならず、使いにくさから新たなフラストレーションも生まれているという。
ここでユニバーサル検索ツールのDropbox Dashを使えば、Dropbox内だけではなく、他のアプリ内にあっても情報を検索できるようになる。AIを活用しているので、常に学習を続け、使えば使うほど洗練されるという。
自分が使っている、DropboxやGoogleドライブ、OneDrive、Asana、Notionなど接続し、どこにコンテンツがあったとしても、Dropbox Dashが見つけてくれる。もちろん、検索対象となるサービスは自分で選択し、接続できる。
Dropbox Dashは、ショートカットキー(WindowsはCtrl+Eキー、MacはCommand+Eキー)で即座に起動できる。操作スピードを重視しており、検索したいキーワードを入力すると、さまざまなサービスの中にある情報が候補として表示され、クリックするとすぐに表示される。
さらに、Dropbox Dashはブラウザ拡張として、情報の整理に役立つ「Stacks」と「Start Page」という機能も提供する。StacksはURLの保存、整理を手軽に行える機能だ。ファイルはフォルダ、楽曲はプレイリストで整理するように、Stacksはクラウドのコンテンツを整理できるのが特徴だ。
またStart Pageは、Dropbox DashへのアクセスやStacksの表示、最近作業していたコンテンツへのショートカットなどをまとめて表示するダッシュボード機能だ。コンテンツが整理され、仕事がしやすい状態になっている。
「私たちは長年、AIが仕事を変革する可能性があると信じてきた。これは今始めたことではないのだ。ずいぶん前から機械学習技術に注目し、製品に取り込んできた。重要なのはユーザーや組織、コンテンツ、コンテキストを理解し、パーソナライズされたAIを搭載すること。もちろん、プライバシーと安全性を最重要視している」(マンキューソ氏)
現在のところ、Dropbox Dashは英語版のみの提供で、Dropbox AIはまだ日本で利用できない。一部のユーザーに初期バージョンを提供してフィードバックをもらっているところだという。ユーザーからはポジティブなフィードバックが得られているが、プロダクトをさらに改善して正式リリースする予定だという。なお、Dropbox DashはWebサイト(https://www.dropbox.com/ja/dash)からウェイトリストに登録できるようになっている。)
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