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メタ観光推進機構が意識調査を発表。ニッチはニッチでない!? 全体の84%が「従来型ではない観光に興味がある」と回答

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 筆者も理事で参加している一般社団法人メタ観光推進機構(所在地:東京都渋谷区、代表理事:牧野友衛)から興味深い調査の発表があったので紹介する。

 調査は、旅行者 の多様な旅のテーマに対しての興味・関心を調査した「観光の多様化に関する調査」。2023年6月に直近3ヵ月以内の国内旅行経験 がある20〜60代の男女1000名を対象に行われた。

 今回の調査結果のハイライト。

・従来型の観光ではない旅のテーマに高い興味・関心が示され、観光は多様化。年代別では20〜30代がより広い興味・関心を持つ結果に。 

・従来型ではないテーマの観光に関心があると答えた人は84%に上る。 

・回答者のおよそ半数(47%)が、複数の旅のテーマが重なっている「旅行先の地図」 に興味があると回答。多様なテーマが可視化されたツールが求められている。

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すみだメタ観光祭で制作した「すみだメタ観光マップ」

旅のテーマは多様化。従来型の観光ではない旅のテーマ「地形」「昭和レトロ」「廃墟」が若い年齢層に人気

 旅行者が興味・関心を惹かれるテーマについての質問では、従来型の観光ではない旅の テーマに対して高い興味・関心が見られた 。「地形(30%)」「昭和レトロ(29%)」「廃墟(27%)」などこれまでニッチと思われていたテーマに対しても回答者のおよそ30%が興味があると回答している。年代別では、20代・30代は一人あたり平均10以上のテーマを選択している。 旅のテーマは多様化し、特に若い年齢層にその傾向が顕著だ。

 最初に旅の目的地を決める際には、ドラマやアニメの聖地巡礼だったり、テーマパークや、あるいは歴史的な名所、絶景などがフックとしてあると思われるが、以下の表にあるように、実際に現地を訪れた際には、様々なテーマが重層的に存在していて、同時に楽しむことが起きていそうだ。また、そういった多層的な観光のレイヤーを楽しむという見方自体を、新しい観光のテーマ設定として示すことの可能性も感じさせる。

メタ観光推進機構の調査結果。旅の30のテーマについての集計(よくあてはまる・ややあてはまる)

メタ観光推進機構の調査結果。旅の30のテーマについての興味・関心に関する年代別平均数

ニッチと思われていたテーマなど旅の嗜好は多様化し、ツールとしての地図への関心も高い

 以下の表にまとめられているが、「従来型の観光ではないテーマを主な目的として旅行をした人」は全体の21%にとどまるものの、「行ったことはないが興味はある(25%)」、「旅先にあればついでに行ってみたいとは思う(38%)」を含めると、回答者の84%が、従来型ではないテーマの観光に興味があると回答している。今後、地域の観光振興において、多様なテーマから観光資源を顕在化させることで、旅行者のニーズを掘り起こし、新たな魅力の創りだす可能性が感じられる。

メタ観光推進機構の調査結果。従来型ではない観光の経験と関心

 そして、多様な価値のある地域の魅力を可視化するツールとして注目されてきているのが地図。メタ観光推進機構は、多様な旅のテーマを可視化するオンライン地図「メタ観光マップ」を制作している。地図に関する質問では、複数のテーマが重なっている「旅行先の地図(例:メタ観光マップ)」への興味関心について、回答者の約半数(47%)が興味があると回答している。「今、自分が住んでいる自治体」を対象とする同様の地図については、半数を超える52%が興味があると回答した。

 筆者がメタ観光的なものを意識したのは、NHKの『ブラタモリ』と位置ゲームの『イングレス』『ポケモンGO』。東京ウォーカー、関西ウォーカーなどの都市情報誌、ウォーカー・シリーズに30年近く携わってきて、オールジャンルで、様々な切り口の観光を考えてきた中で、むしろ、その「重なり」自体が面白いのでは、と気づかされたのが、これらのコンテンツだ。とはいえ、まだまだ、「重なり」自体を楽しむことは、東京スリバチ学会や暗渠マニアックス、ドンツキ協会などの街歩きが盛況とは言え、これからだと感じている。今回の調査では、このあたりの可能性が数字で出たのではないだろうか。

 一般社団法人メタ観光推進機構 代表理事の牧野友衛のコメント

 「旅行者のニーズは確実に多様化しています。このため、地域が多様な価値を可視化することで、誘客や滞在時間の伸び、満足度の向上につながる可能性があります。 また、オンライン地図による多様な観光資源の可視化は旅行者のみならず、地域住⺠にとっても価値あるものになり得ます。今後ともメタ観光の実践を通じ、地域の観光振興とともに住⺠の方々の生活向上に貢献してまいります」

【調査概要】

調査方法:インターネット調査 

調査時期:2023年6月

調査対象:直近3ヵ月以内に国内旅行経験(宿泊および日帰り。帰省や友人の訪問は除く)のある20~69歳 

有効回答数:1000名

上記調査の詳細https://drive.google.com/file/d/11Iiz3ONivNnV3WreHZ1E9QvbnzfPDdH-/view

メタ観光推進機構のnote
https://note.com/metatourismjp/n/n2b0ef5d4374b?fbclid=IwAR1RC-P5wW7YCNgbTecBCI2j0wgSY44pbMEB1DAwh1bxn1Ydj9ATzD8-LeM

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