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山根博士の海外モバイル通信 第653回

アフリカで強いスマホメーカー「Infinix」がノートPCを出していた!

2023年06月23日 09時00分更新

文● 山根康宏 編集●ASCII

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InfinixのノートPC

 世界の主力スマートフォンメーカーと言えばサムスンとアップル以外はほぼ中国系。シャオミ、OPPO、vivo、HONORといったあたりが世界シェア上位を占めています。しかし、その下を見ると実は知られざる巨大メーカーがあるのです。それはInfinix、Itel、Tecnoの3社。この3社はTranssion(伝音)の傘下企業で、中国メーカーながらインドやアフリカなど新興国をターゲットにした製品展開をしています。

 近年は東南アジアにも進出しており、エントリークラスのモデルから着々と存在感を高めています。しかもスマートフォン以外のスマートデバイスも積極的に展開中です。

大型ディスプレーも販売中。中華スマホメーカー同様様々な製品を展開

 マレーシアのクアラルンプールを訪問したときに、地元の家電ショップではInfinixのノートPC「INBOOK X1 SLIM」が販売されていました。天板はメタル素材でツートーンの仕上げの上に、Infinixのロゴが入っています。全体の仕上げは2~3年前のシャオミのノートPCと同じくらいということで、まだ若干の甘さはあるものの価格を考えると悪くないデキです。

Infinix INBOOK X1 SLIM

 スペックはディスプレーが14型(1920×1080ドット)。インテル第10世代のCore i3/i5/i7を搭載し、メインメモリーは8GBまたは16GB(Proモデル)、ストレージは256GBまたは512GB(Proモデルのみ)となっています。外部端子類はUSB Type-CとmicroSDカードスロット、重量は1.48kgです。価格はi3モデルが1279マレーシアリンギット(約3万9000円)。エントリークラスの製品です。

低価格なノートPCだ

 もともとInfinixのスマートフォンも新興国向けの低価格なモデルが多く、スマートフォンに加えてノートPCを購入したい学生層などをターゲットにしているため、スペックよりも価格を重視した製品を出しています。先進国で勝負するつもりは元からないわけですね。とはいえ、見た目はスタイリッシュで安っぽくはありません。このあたりはInfinixといえども新興国では大手メーカーですから、ノーブランドの怪しい製品とは品質がまったく異なります。

ベーシックなシルバーカラーのモデルもある

 マレーシアではノートPCしか見かけませんでしたが、タイのバンコクへ行ったところ、スマートフォンは多数の製品展開をしていました。大手家電チェーン店へ行ったところ、サムスンやOPPOと並んで製品を並べており、もはやメジャーメーカーの仲間入りを果たしています。

バンコクの家電チェーン店店頭。奥からサムスン、OPPO、vivo、Infinixと並ぶ

 Infinixのスマートフォンも今や5G対応モデルも出ており「Infinix Note 30 5G」はチップセットにDimensity 6080を搭載、1億800万画素カメラに45W充電対応の5000mAhバッテリーで7499バーツ(約3万円)です。着々と東南アジア展開を進めるInfinixが、いずれシャオミなどの低価格モデルを脅かす存在になるかもしれません。

5G対応のInfinix Note 30 5G

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