機能性よりデザイン重視のPCケース最新作
ピラミッド型ケースなど毎回奇抜な形の製品を出展するAZZA(アッツァ)。今年の新作はE-ATXケースの「Mesa 811」。PCケースは四角である必要はない、という同社の社風を地でいく形状に仕上がっている。これまで同社のPCケースはその形状ゆえ、収められるPCパーツのサイズに制限があった。そこであらゆるパーツを入れられるようにしたらこの形状になったとのこと。
グラボの着せ替えパーツ
Palitで展示していたおもしろいギミックが、ビデオカードカバーだ。クーラーとバックパネルを覆うカバーの3DデータをPalitのウェブサイトから自由にダウンロードできるようになっている。カバーを好きな色に塗ったり、さまざまな装飾を施せば、自分だけのビデオカードを作れるわけだ。買ったあともカバー作りで楽しめるのがうれしい。
3300rpmの鬼回転ファン
「MEGACOOL」は、PC用ファンで初の3相12極モーターを採用したSuper Flowerの120mmファン。 最大回転数は3300rpmで最大風量は151.87CFMと、ものすごい風量を発生させるが、その分騒音も48.39dBAとかなりの爆音。ファンの厚さも30mmと厚みがあり、使う人をかなり選ぶ。こういうエッジの効いた製品が展示されるのがCOMPUTEXの醍醐味でもある。
量子ドット有機ELを採用する
32:9の超ワイドディスプレー
アスペクト比32:9という、ワイドディスプレーを横に2枚並べたサイズの湾曲ディスプレーがMSIの「Project 491C QD-OLED」だ。49インチ、5120×1440ドットの量子ドット有機ELパネルはリフレッシュレート240Hz、応答速度0.03msと、ゲーミングディスプレーとしても使える性能。製品名にProjectとあるように、試作段階なので販売するかどうかは未定だという。
自律走行型消毒ロボ
COMPUTEXの会場を消毒して回っていたのが自律走行型ロボの「Healthy Guardian」だ。上部から薬剤を散布して大気を消毒。人間を感知すると自動で止まり、避けて移動していた。さすがに会場内が混雑してくると、人間に囲まれて身動きが取れなくなっていたが、それでもその場を消毒し続けてくれているので、むしろその場にいてくれたほうが精神的に安心できた。
超VIPが来場
COMPUTEX TAIPEI 2023取材を終えて
4年ぶりのリアル開催ということで大いに盛り上がったCOMPUTEX TAIPEI 2023。今回の取材を通して感じたことが3つある。1つは「どこもかしこもファンの新製品が連結ファンだらけ」だったこと。ファンの固定やケーブル配線のことを考えるとこれは当然といえば当然なのだが、ケーブル付きファンは悪!とばかりに従来のファンがなかったことにされていたのが印象的だった。
2つめが「ピラーレスのPCケースが大流行」ということ。フロントパネルとサイドパネルの境目に柱がないPCケースがブームになっており、各社のデモ機での採用はもちろん、PCケースの新製品もピラーレスのものが多かった。筆者は木材を使用したPCケースが流行すると予想していたのだが、それはほとんど見かけなかった。
3つめが「SDGsへの取り組み」だ。梱包材の省略やCo2削減、リサイクル素材の使用など、環境問題を意識したものづくりをアピールする企業が増えた。
コロナ前のオーバークロックやマイニングの過熱から一転、コロナ後はエコの方向に風向きが変わった。それを肌で感じられる展示物を今年は多く確認できた。環境に配慮、省電力といった製品は今後さらに増えていくだろう。COMPUTEX TAIPEI 2023は「PCは美しく、梱包は簡素に」そんな言葉がぴったりな内容だった。

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