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アップル「watchOS 10」は10世代目の大改革!

2023年06月07日 08時00分更新

文● @sumire_kon

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 アップルは現地時間6月5日(日本時間6日)、watchOSの次期メジャーアップデート「watchOS 10」の概要を発表した。UIの大幅な変更や、運動、ヘルスケア関連の機能強化が主体となる。

「スマートスタック」で欲しい情報にすぐアクセス

 watchOS 10で新たに追加される「スマートスタック」は、Digital Crownを回すだけで、欲しい情報や機能をアプリを立ち上げることなく手軽にチェックできる機能。全ての文字盤に対応しており、アプリのほかウィジェットを登録することも可能だ。

スマートスタック

 表示内容はユーザーの状況に合わせ、自動で最適な物が選択される。例えば朝の出勤前に天気予報を表示したり、旅行中に飛行機の搭乗券を表示するといった具合だ。

 コンプリケーションの設定枠が少ないシンプルな文字盤を使っているユーザーには、特に便利な機能と言えるだろう。

動く「スヌーピー」など新しい文字盤を追加

 文字盤については「パレット」と「スヌーピー」が追加される。

 パレットは重なり合う3つのレイヤーがさまざまな色で時刻を表現する文字盤。時刻により色合いが変化していく様子を1日を通して楽しめる。

パレット文字盤

 人気コミック「ピーナッツ」からスヌーピーとウッドストックが文字盤に登場する。

スヌーピー文字盤

 キャラクター部分はアニメーション仕様となっており、各キャラクターが文字盤の上に乗ったり、天気に合わせて反応したり、ワークアウト中に動き回ったりするという。

 Apple Watchの文字盤にディズニー・ピクサー系以外のキャラクターが登場するのは、今回のwatchOS 10が初となる。

サイクリング機能の強化

 サイクリング関連では、新たにiPhoneやサイクルコンピューターとの連携が強化される。

 iPhoneについては、Apple Watchで実行したサイクリングワークアウトの進行状況を、ペアリングしたiPhoneにも表示可能となる。これまでは運転中にApple Watchの小さな画面を確認する必要があったが、新機能を使えば自転車のハンドルに取り付けたiPhoneの大きな画面を活用できる。

サイクリングワークアウトは、iPhoneでも情報表示が可能に

 サイクルコンピューターとの連携については、Bluetooth対応のパワーメーター、スピードセンサー、ケイデンスセンサーなどと接続が可能。

 Apple Watch側のセンサー類と組み合わせることで、サイクリングパワー(ワット)やケイデンス(RPM)、機能的作業しきい値パワー(FTP)などの推定に対応する。

機能的作業しきい値パワー(FTP)推定機能のイメージ

ハイキング関連機能の強化

 登山やハイキングなどのアクティビティについては、コンパスアプリに通信関連のウェイポイントを自動推定する機能が追加される。具体的には、「最後にデータ通信が可能な箇所」と「最後に緊急通報が可能な箇所」だ。

「最後にデータ通信が可能な箇所」と「最後に緊急通報が可能な箇所」を自動推定してウェイポイント化する機能

 ルート選定の際には、高度計のデータを活用した各ウェイポイントの三次元表示や、等高線、山の陰影、標高の詳細情報といった情報を含む地形図の表示にも対応する(地形図はまず米国から展開予定)。

 また、Appleマップのオフライン表示については、ペアリングしたiPhoneと通信可能な状態であれば、iPhoneに保存したオフラインマップのデータをApple Watchでも使用可能だ。

メンタルヘルス関連機能の追加

 watchOS 10では、マインドフルネスアプリでその時々の気分や影響を与えた出来事などを記録。自身の心の状態を認識しやすくする仕組みが追加される。

メンタルヘルス関連機能のイメージ

 Apple Watch単体の機能としては少なく思えるが、iOS/iPadOSのヘルスケアアプリと連携することで、自身のリスクレベルの確認、うつや不安症検査へのアクセス、医師に提出するデータをPDFで出力するといったことも可能だ。

視覚の健康に関する機能の追加

 視覚の健康、特に子どもの目の健康に役立つ機能として、外に出て日光を浴びた時間の計測が可能となる。

 同機能はInternational Myopia Institute(国際近視機関)が、近視抑制のため、子どもに対して1日に80〜120分以上外で過ごすことを推奨していることを受けたもの。

 計測はApple Watchの環境光センサーを活用。子どもが自分のiPhoneを持っていない(Apple Watchのみを持っている)状態でも、ファミリー共有で保護者のiPhoneから計測データを確認可能だ。

日光を浴びた時間のデータはiPhoneから確認できる

そのほかの新機能

 ここまで挙げた以外にも、watchOS 10は以下の機能への対応が予告されている。

  • NameDrop(相手のiPhoneやApple Watchに近づけることで連絡先を交換できる機能)
  • FaceTimeビデオメッセージの再生
  • グループFaceTimeオーディオへの参加
  • 服薬アプリの飲み忘れリマインダー
  • Apple Fitness+のカスタムプラン

正式版は秋公開 対応機種はSeries 4以降

 watchOS 10の正式版リリースは2023年秋の予定。アップルでは既に開発者向けのベータ版をリリースしているほか、7月にはパブリックベータも公開予定としている。6月6日現在、公表している対応機種は以下の通り。

●Apple Watch
Apple Watch Series 4/5/6/7/8
Apple Watch SE(第1世代/第2世代)
Apple Watch Ultra

●ペアリング可能なiPhone
iOS 17を搭載したiPhone XS以降のiPhone

 

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