街中や山道では軽快に
高速道路では安定感バツグンに
ステアリングは街中だと回しやすいが、高速道路で速度が乗ってくるとズシっと重くなる。そう、高速での急ハンドル防止になっているのだ。車体の大きなクルマは、高速走行中に急ハンドルを切ると吹っ飛んでしまう危険性があるので、それをあらかじめステアリングの重さで教えてくれるのは心強い。途中で一部山の中を走ったが、2トン近い車重をものともせずに、右に左に軽やかにコーナリングできたのは、ポルシェスタビリティマネジメント(PSM)やポルシェアダプティブサスペンションマネジメント(PASM)といった足周りの設定と、このステアリングのおかげだろう。
ボディーサイズは、日頃コンパクトカーに乗っている筆者だと大きく感じたが、SUVやミニバンなどの大きなクルマに乗り慣れている人なら、問題ないだろう。全幅が1900mmを超えているのでそれなりに気を使うかもしれないが。車内はカイエンほどではないがそこそこ広く、足下にもゆとりはある。荷室も488リットルなので、モノが乗らないという心配はない。リアシートを倒せば1503リットルにまで拡張できるので、大人ひとりくらいなら車中泊もできそうだ。
【まとめ】SUVの皮を被った911
普段は穏やかに、踏み込めばまさにポルシェ
外見はまさにSUVなのだが、乗ってみるとポルシェのスポーツカー。それがコンパクトSUVの「マカン GTS」だった。他のグレードに乗ったことがないので比較できないのは残念だが、今後は取り上げていく予定だ。
マカンは2014年の市場投入以来、マイナーアップデートは2回あったが、フルモデルチェンジは一度もなく、さらに718とあわせて電動化される予定だ。ガソリン車のマカンはこれで終了かもしれないので、興味がある人は試乗してほしい。
ポルシェというと高級車というイメージで、実際高級車なのだが、マカンの値付けはとても絶妙だ。普通の会社員でも頑張れば手が届きそうな値段(791万円)は、「俺もポルシェオーナーになれるかも」と、クルマ好きの琴線を刺激してくれる。しかも、その運動性能と人もモノも乗る使い勝手はお値段以上と感じた。SUVにはほとんど興味なかった筆者だったが、もっと乗りたくて返すのをためらったクルマも珍しい。
「SUVなんてポルシェじゃない」なんて視野の狭いこと言っててすいませんでしたーッ! 「SUVもポルシェ」を実感させてくれたマカンに感謝したい。これからは心を入れ替えてSUVも試乗します!
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