ZTEはAXON、Nubia、REDMAGICの
3つの高性能モデルで勝負!
ここ数年、おとなしい動きをしていたZTEのスマートフォンですが、2023年に入ってからラインナップを整理していくようです。4月12日にはハイエンドモデルとして「AXON 50 Ultra」が発表されました。チップセットはSnapdragon 8+ Gen 1。一方、過去のAXON最上位モデルが採用していた機能の1つ、アンダーディスプレーカメラ(UDC)は非採用となりました。UDC採用スマートフォンはサムスンやシャオミが出しているものの、数は限定的で、ZTEは楽天モバイル向けの「Rakuten BIG」から数えると、派生モデルも含めすでに10機種以上を投入しています。
AXON 50 Ultraは中国の衛星通信に対応し、携帯電話ネットワークのないエリアでもSMSの送受信が可能です。それに加えて自社開発のセキュリティーチップを搭載。俳優のウー・ジン(ジャッキー・ウー)をイメージキャラクターに迎えるなど、ターゲットはビジネスユーザーに見えます。
カメラは6400万画素+5000万画素超広角+5000万画素3倍望遠と高性能ですが、1つ前のチップセットを搭載していることから、AXONブランドはビジネス向けの高い安全性が保てるスマートフォンとして展開していくのかもしれません。
AXON 50 Ultraより先に発表された「nubia Z50 Ultra」はZTEの関連会社となったNubiaの製品で、こちらはSnapdragon 8 Gen 2にUDCディスプレーを搭載。カメラは6400万画素+5000万画素超広角+6400万画素3.3倍望遠と、AXON 50 Ultraより高性能です。
Nubiaの現在の主力ブランドはゲーミングスマートフォンの「REDMAGIC」です。しかし、Nubiaは元々ZTEからスピンアウトして生まれたメーカーで、初期の製品は星空撮影が可能などカメラ性能を売りにした「nubia Z」シリーズが主力でした。その後はデザインモデルや両面ディスプレーモデルなどを出したものの、いつの間にやらREDMAGICがNubiaのメジャー製品となっていったのです。
2019年発売の両面ディスプレー「nubia Z20」の後継機として2021年に登場した「nubia Z30 Pro」は6400万画素トリプルカメラのカメラフォンで、nubia Zシリーズの本来の姿を復活させました。
nubia Z50 Ultraには、ゴッホの名画をモチーフにした特別モデルも存在します。こんな遊び心を持った製品を展開するのはカメラフォンをアートのツールとして使ってほしいと考えているからかでしょうか。
これら2つの前モデルとも言える、2022年5月に登場した「AXON 40 Ultra」はSnapdragon 8 Gen 1に6400万画素カメラ3つ、UDCディスプレー搭載という、本体スペックもカメラも最高の製品でした。AXON 40 UltraがZTEの最上位モデルであり、これ1台に最新の技術すべてを詰め込んだ製品だったのです。
ですがハイエンドモデルはほかのメーカーも次々と新製品を出しており、AXON 40 Ultraの後継機をさらにスペックアップするとなると、開発コストもかかりますし製品価格も高くなるでしょう。そこでZTEはAXON 40 Ultraの後継機を「ビジネス」「カメラ」と2つに分けたと考えられます。
2023年のZTEはゲーミングモデルも出し、若いユーザーにブランドが知られている「nubia」をカメラフォンとしてアピール、主力ラインであるAXONはビジネスユースを狙った質実剛健な製品とし、さらにゲーミングフォンのREDMAGICを3本目のハイエンドモデルの柱にするという、贅沢な展開をしていくのでしょう。
REDMAGIC 8 ProはUDCディスプレーを採用したことから、リフレッシュレートは120Hzとなっています。これは前モデルのREDMAGIC 7などの165Hzからスペックダウンしました。UDCにより画面を遮るものが一切なくなりゲームプレイに集中できることを優先したのでしょうが、他社のゲーミングスマートフォンの最新モデルが165Hzディスプレーを搭載していることを考えるとちょっと残念です。もしかすると、次世代のUDCディスプレーは144Hzや165Hzに対応予定で、REDMAGIC後継機ではそれを搭載するのかもしれません。
日本ではREDMAGICが販売されているものの、ZTEのスマートフォンはあまり目立っていません。nubia Z50 UltraやAXON 50 Ultraのようなハイエンドモデルもいずれ国内展開を期待したいですね。
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