OPPOは積極的に折りたたみスマホを開発するメーカー
OPPOは今年2月にバルセロナで開催された「MWC Barcelona 2023」で縦折り式スマートフォン「Find N2 Flip」のグローバル展開を発表しました。すでに中国では横折り式の「Find N2」とともに発売されているモデルで、この2機種の投入によりOPPOは中国の折りたたみスマートフォン市場でシェア1位の座を獲得しています。
しかし、この2つのモデルが登場する前までは、別のスタイルや形状も検討されていたようです。中国・深センにあるOPPOのショールームを訪問したところ、Find N2シリーズ以前に検討された折りたたみスマートフォンの試作機がいくつか展示されていました。これらは動作する試作機か、あるいはモックアップであり不動品であるかは不明です。
OPPOの折りたたみスマートフォンは2021年12月に発表された横折り式の「Find N」が最初のモデルとなります。本体を開くと7.1型のディスプレーを搭載したやや小型のモデルですが、開発当初は他社同様に、8型弱のディスプレーを搭載する製品として開発されていたようです。2018年4月時点での試作機は、本体サイズはFind Nよりも大きいことがわかります。ちなみにサムスンが折りたたみスマートフォンを初めて世の中に見せたのは2018年11月のこと。OPPOもすでにこのころから折りたたみスマートフォンの開発を進めていたようです。
またファーウェイの「Mate X」シリーズと同じ、ディスプレーを外に折りたたむタイプのモデルも試作していたようです。2018年8月時点ででき上がっていたモデルは、ディスプレーの裏側の片側にデュアルカメラを搭載しており、この部分がストッパーとなって折りたたんだディスプレーを留める構造になっています。
2019年6月時点では外折りの構造もしっかり曲がるように進化。背面側の端のストッパー部分も幅がやや広くなっているように見えます。しかし、結局OPPOは外折り式の製品化はやめ、また他社の横折りスマートフォンと同じサイズのモデルも投入しませんでした。
一方、2019年3月には各社の横折り式と縦折り式とのちょうど中間サイズくらいのモデルの開発も進んでいました。「U型」とOPPOは呼んでいるようですが、ある程度のコンパクトさと大きい画面を両立させようとしたのでしょう。結局この横開き式はU型よりも縦に長くなり、Find Nとして市場に投入されます。
縦折り式は2020年1月に今のFind N2 Flipの原型らしきモデルが開発されています。アウトディスプレーはカメラの横に小さく配置される計画だったようです。2020年2月に発売されたサムスンの初代縦折り「Galaxy Z Flip」はアウトディスプレーがありませんでしたから、このサイズでも画期的なものだったのです。
その1ヵ月後、2020年2月の試作機はアウトカメラが大きくなり、アウトディスプレーもさらに大きくなっています。なお、こちらもアウトディスプレーは実際には搭載されておらず「これくらいのものを内蔵する」というアイディアが表示されているだけですが、閉じたままでもある程度のことができるようにするという考えはこの頃からあったのでしょう。
アウトディスプレーはスマートウォッチの画面サイズくらいでしょうか。アナログ時計を表示できるだけでもスマートフォンの背面を楽しくカスタマイズすることができるわけです。
そして最終的に発売になり、現在中国で「最も売れている折りたたみスマホ」になったFind N2 Flipがこちらです。やはり大きなディスプレーはインパクトがありますし、表示できる内容も多いため実用性も高いですよね。デザインと使い勝手に優れたFind N2 Flipが売れまくっているのも納得できます。
横折式のFind Nは2022年12月に「Find N2」となりマイナーチェンジ。本体はより薄くなり、アウトディスプレーが大型化されました。Find N2は開いた状態でも片手で楽に操作できる点が特徴的で、ミニタブレットとも呼べる大きさです。このクラスのモデルはOPPOだけが製品化しており、ライバル不在の中でどれだけユーザーを増やすかが気になるところです。
折りたたみディスプレーは今後三つ折りタイプも登場するでしょうし、サイズのバリエーションも増えるでしょう。2023年はどんな製品が出てくるのか、楽しみにしましょう。
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