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新生活や日本の住宅事情に合ったコンパクトPC2機種についてインタビュー

小型ケースの面倒な自作・検証はBTOPCメーカーに! ゲーム性能や冷却も優秀

2023年04月03日 11時00分更新

文● 松野将太 編集●八尋/ASCII

提供: セブンアールジャパン

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日本の自宅事情にフィットする小型パソコンが人気
ハイエンド水冷クーラーを内蔵可能な小型ケースをピックアップ

――本日はよろしくお願いいたします。最初に、今回取り上げる小型パソコン2台をラインアップするに至った経緯を教えてください。

「ZEFT G32DE」

「ZEFT G37F-Cube」

中嶋 孝昌氏(以下、中嶋氏):「パソコンショップSEVEN」全体の売り上げで見ると、通年でやはりゲーミングパソコンの需要が大きいのですが、ミドルタワーケースやフルタワーケースだけでなく、小型PCケースを使ったパソコンに関する問い合わせも多くいただいています。時期的な話をすると、とくに3月から4月にかけては、新生活の時期ということもあって小型パソコンの人気が高く、この時期にご購入いただけるようなモデルを毎年投入しています。昨年の同じくらいの時期には、In Winの小型ケース「A1 PRIME」を採用した「ZEFT G27V-Cube」をインタビューで取り上げていただきましたが(関連記事)、今年は2つの異なるモデルを用意してみました。

真重 翔氏(以下、真重氏):小型ケースにこだわりを持ってパソコンを選ばれる方は、意外に多いようです。サイトのスペック検索でも、ケースのサイズによる絞り込みをかける方は結構いらっしゃるというデータが出ています。当店のサイト上でも、トップページからたどり着きやすくするためにキューブ型ケースのモデルに特化したランキングページを2月半ば頃に開設しました。主力ケースはやはりミドルタワーやフルタワーですが、高い性能を持ちつつも、コンパクトなサイズのパソコンがほしいという方のニーズに応えていけたらいいなと考えています。

――2モデルをそれぞれ投入することになったのはなぜでしょうか。

中嶋氏:商品化にあたって、「小型化」を突き詰めるのか、「小型化かつ高いパフォーマンス」を両立させるのか、という2つのコンセプトを片方に絞り切れなかったからですね。今回はコンセプトに合致するケースが用意できたので、どちらも商品化してしまおう、ということで2モデルになりました。

西川 龍氏(以下、西川氏):PCケースの選定については、今回の要件はかなりシンプルです。1つはインテルの「K」付きCPUの発熱が大きいということで、大きめのオールインワン水冷ユニットが装着できるケースがいいと。現在は120mmサイズのラジエーターを使った製品は弊社として取り扱いをしておらず、240mmラジエーターでも社内の検証だと冷やしきれないCPUが多く出てきているため、280mmや360mmといった大型オールインワン水冷クーラーの取り扱いを増やしています。小型PCだからといってこうしたクーラーの搭載を諦めるのはもったいないということで、「ZEFT G32DE」は360mmまで、「ZEFT G37F-Cube」280mmまでのラジエーターを搭載可能なPCケースを使っています。

パソコンショップSEVENで選定したPCケースを採用、ときには購入して検証も!
自作erの「違うじゃん」を肩代わりするBTOメーカーに

――やはり、小型パソコンを商品化しようと思うとPCケースが重要になりますよね。こういったPCケースの選定に関しては、メーカーや取引先の企業と相談して決める場合が多いのでしょうか? もしくは、市場調査などで事前にあたりを付け、メーカーに発注をかけることが多いですか?

「ZEFT G32DE」のPCケースはASUS「Prime AP201」。机上設置でも存在感が大きすぎず、圧迫感が少ない小型パソコン。インテリアとして馴染みやすく、天面にも物を置きやすい

中嶋氏:こちら側で「このケースを使いたい」と目星を付けて、メーカーにサンプルを送っていただいて最終的に決めるというパターンが一番多いかなという気がします。先方から商談を受けて決める、という場合もありますが、今回の2モデルに関しては前者のパターンですね。

西川氏:選定前の準備でいうと、借りられるものは代理店からケースを借りて、借りられないものは購入する、という形で検証を進めています。今回の検証でも10個以上はケースを買ったと思います(笑)。

中嶋氏:今回のモデルに限らずですが、PCケースは基本的にスペック上の制約から選定していくか、見た目で選んでいくかのどちらかで、ケースごとに出会い方は全然違うというか、バラバラですね。「ZEFT G32DE」に採用したホワイトカラーのASUS「Prime AP201」に関しては、「見た目がいいよね」というところから検証を重ねて、採用に至りました。

――BTOパソコンの販売にも各社様々なスタイルがありますが、御社はそういったパーツ選定の仕方も含め、比較的「自作PCユーザー」との親和性が高いというか、自作ユーザーが考える、痒いところに手が届くようなチョイスが多いように感じます。

「ZEFT G37F-Cube」のPCケースはCooler Master「NR200P MAX」。280mmの専用水冷ユニットおよび専用電源を搭載する

中嶋氏:自作パソコンだと購入してみてからパーツが装着できなかったり、思うような性能が発揮できなかったりして「違うじゃん」となることもあると思います。とくにケースはそうですが、我々の商品ではしっかり検証を行なっているので、そういうミスマッチは最小限にできるかなと。個々のパーツに問題がない場合でも、組み合わせによっては非常に取り付けがしにくいとか、水冷CPUクーラーのチューブがギリギリすぎて怖いとか、弊社の検証でも起こりますから。自作erの人柱ではないですが、多くの部分の「違うじゃん」を僕らが負担していると思っていただければ(笑)。

西川氏:最近はずいぶん減りましたけど、マザーボードの端子とPCケースのフロントUSBの数が合わなかったりとかはときどき出ますよね。そういう場合、ショップの注文ページでは特定の組み合わせで警告が出るようにしていますが、こちらとしてはどうにか使えるようにして出したくて。すべてではないですが、USB 3.0にType-C変換をかけてフロントに繋いだりとか、USB 2.0をUSB 3.0に変換してさらにType-Cに繋いだりといった工夫を採用するときもあります。

――自分でやると非常に面倒になりそうな作業です(笑)。本当は自作がしたいけど面倒であったり、勝手が分からないからまずはBTOパソコンを買うというユーザーも多いと思うのですが、そういう方にとっては非常にありがたいのではないでしょうか。

真重氏:BTOメーカーはオリジナルPCケースを用意しているところも多いですが、特定のBTOメーカーの色がないPCケースを使いたい、というユーザーの方もいらっしゃるのではないかと感じています。私自身、この仕事を始めてからは週に3~4回は秋葉原のPCショップに寄るようになったんですが、PCケースの品揃えを見ても、弊社のケースのラインアップはかなりトレンドを押さえていると思っています。だからこそ、パーツメーカーのケースが組み立て・検証をされた状態で手に入るという点は、ユーザーの方にとってもうれしいポイントになるのではないかと思います。

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