通勤、通学時に電車車内でPCゲームをプレイするという用途において「ゲーミングUMPC」は唯一無二の存在。しかしNintendo Switchなどと比べると遙かに高額なので、躊躇している方も多いことでしょう。そこで今回お勧めしたいのが、合体機構とカバーキーボードが用意された「ONEXPLAYER 2」。
ゲームコントローラーを取り外し、カバーキーボードを装着すれば、2 in 1 PC的にさまざまなスタイルで利用できる「マルチポータブルゲーミングPC」なのです。ゲーム機以外の用途にも活躍してくれるということで、購入時の価格的ハードルがグッと下がる本製品のレビューをお届けいたします。
カラー、メモリー、ストレージの異なる6モデルを用意
ONEXPLAYER 2にはスノーホワイトとミッドナイトブラックの2色が用意。そしてそれぞれに16GB/1TB(メモリー/ストレージ)モデル(15万7700円)、32GB/1TBモデル(17万2900円)、32GB/2TBモデル(18万8100円)が用意されています。
なお記事執筆時点では予約特典として5%オフと、ONEXPLAYER 2専用カバーキーボード、オリジナルスリーブケースが同梱されるキャンペーンが実施されていますが、発売前に終了になる可能性もあるとのことなのでご注意ください。
カラー、メモリー、ストレージ以外のスペックは共通。OSは「Windows 11 Home」、CPUは「AMD Ryzen 7 6800U」(8コア/16スレッド、最大4.7GHz、TDP28W)を採用。メモリーはLPDDR5、ストレージはPCIe Gen3 x4接続SSDを搭載しています。
ディスプレーは8.4インチ2.5K IPS液晶(2560×1600ドット、350cd/m²、60Hz、タッチ対応、ペン対応)を搭載。ポータブルゲーミングPCとしては画面が大きく、高解像度なのが売りです。
ちなみにペンは同梱されていませんが、「Surface互換充電式デジタルスタイラスペン(4096筆圧対応)」が3630円で販売されています。「Surface互換」とあるとおり、「Microsoft Pen Protocol」対応のスタイラスペンであれば利用可能です。
コンパクトなボディーにインターフェースは数多く装備されており、USB 4×1、USB 3.2 Type-C×1、USB 3.0 Type-A×1、microSDメモリーカードスロット×1、3.5mmイヤフォン端子×1、そしてカバーキーボード接続用とコントローラー接続用の金属端子が用意されています。USB Type-Cは2基装備されていますが、上面がUSB 4、下面がUSB 3.2である点には注意が必要です。
ゲームコントローラーの脱着は非常にイージー。コントローラー背面に黒いボタンが用意されているので、これを押して上にスライドするだけ。はめるときには逆に下にスライドさせればオーケー。
秒で脱着可能です。スムーズに脱着できるわりにはガタツキは非常に少ないので、ゲームプレイ時に違和感を覚えることはまずないはず。ボタン、レバーのクリック感、反発力も適切。操作していて心地いいコントローラーに仕上がっていますね。
「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は10982pts
さてONEXPLAYER 2はCPUに「AMD Ryzen 7 6800U」(8コア、16スレッド、最大4.7GHz、TDP28W)を搭載しています。Ryzen 7 6800UはZen3+アーキテクチャーが採用されており、内蔵グラフィックスはRDNA 2アーキテクチャーの「AMD Radeon 680M」を搭載。前世代よりパフォーマンスを大幅に向上させました。
というわけでまずは定番ベンチマークを実施してみましょう。まずCPU性能ですが、CPUベンチマーク「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は10982pts、CPU(Single Core)は1508ptsとなりました。R23で大台の1万を大きく上回っており、TDP28WのCPUとしては現行最高クラスの処理性能を備えていますね。
ベンチマークは設定ユーティリティー「Game Center」で最高パフォーマンスに設定して実施しました。ただしバッテリー駆動時間は「性能」を20W、「CPUクロックスピード」をデフォルト、「CPU最大ステータス」を「CPUブーストOFF」、「冷却ファンの回転数」を自動に設定して実施しています。
一方、「3DMark」のTime Spyは2704、Fire Strikeは6813、Wild Lifeは15326を記録しました。ちなみに3DMarkの推定ゲームパフォーマンス(Estimated game performance)を見てみると、「Apex Legends」が1080p Ultra時に50~70fps相当となっています。
フルHD解像度で50~70fps相当ということは、RDNA 2アーキテクチャーの「AMD Radeon 680M」のパフォーマンスの高さを証明しています。前世代CPU搭載ポータブルゲーミングPCのように1280×720ドットに落としてプレイしなければならないゲームはかなり減るはずです。
ストレージ速度についてはシーケンシャルリードで3502.54MB/s、シーケンシャルライトで2915.41MB/sと、PCIe Gen3 x4接続SSDとしては順当な結果です。ひんぱんにストレージへのアクセスが発生するクリエイティブ系アプリを利用するならPCIe Gen4 x4接続SSDがほしくなるところですが、ONEXPLAYER 2でゲームや一般アプリを利用するなら、今回のパフォーマンスは実用上十二分です。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%、ボリューム40%でバッテリー残量5%までという条件でYouTube動画を連続再生したところ、7時間44分37秒動作しました。もちろん高負荷なゲームをプレイした際には、公式サイトに記載があるとおり約162~330分とバッテリー駆動時間は短くなりますが、ノートブックモードで一般的な作業をこなすのであればモバイルマシンとして活用できるだけのスタミナ性能を実現しています。
「FINAL FANTASY XV」でのフレームレートはどのぐらい?
さて最後に実際のゲームで、解像度別にフレームレートがどのように変化するのか見ていきましょう。使用するのは3Dゲームベンチマーク「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」。
品質は「標準品質」で、HD(1280×720ドット)、フルHD(1920×1080ドット)、WQHD(2560×1440ドット)の解像度ごとのフレームレートを「MSI Afterburner」で計測してみました。
さて気になる結果ですが、HD(1280×720ドット)では平均58.8fps、フルHD(1920×1080ドット)では平均34.1fps、WQHD(2560×1440ドット)では平均22.6fpsというフレームレートを記録しました。
さすがに高画質なぶん、負荷が大きいFINAL FANTASY XVではフルHD(1920×1080ドット)は34.1fpsに留まりますね。ただFINAL FANTASY XVは1フレームを争うゲームではないので、個人的にはフレームレートよりも解像度を優先させる設定はアリだと思います。
携帯ゲーム機、ノートブック、タブレットだけでなくミニPCとしても活用できる
ONEXPLAYER 2最大の魅力はやはり汎用性の高さ。取り外し可能なゲームコントローラーと、オプションで用意されたカバーキーボード、スタイラスペンにより、携帯ゲーム機、ノートブック、タブレット端末として活用可能。外付けディスプレーとキーボード&マウスを接続すれば、ミニPCとしても利用可能です。1台で多くの目的を達成できる自由度の高いPCを求めているのなら、ONEXPLAYER 2は非常にお勧めできる一台です。
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