味わい深いドット絵と美しい音楽が心に響く
メグとばけものの魅力はまだまだあります。まずはドット絵から。
最近の3Dゲームはグラフィック技術が劇的に進化し、それはもう実写と見間違えてしまうほどです。確かに3Dならではの良さもありますが、2Dのドット絵は3Dと異なる味わいがあって良いんですよね。
2Dのドット絵には、懐かしさと温もりが込められています。それが本作の雰囲気とマッチしていて、プレイヤーに深い味わいをもたらします。そのうえ、ドット絵のアニメーションの表現が非常に豊かです。例えばメグが泣く場面は一度見ただけで泣いていることが瞬時にわかり、心が揺れ動いてしまいます。プレイヤーの感情を刺激するドット絵のアニメーションも涙を誘うポイントと言えるでしょう。
本作は音声がなく、テキストベースで進行します。これもまた懐かしいですね。テキストを読むことで得られる味わいもまた、2Dゲームの良さでもあります。心に響くテキストの数々に感動することもあれば、考えさせられることもありました。いつか本作の名言集が生まれるのではと予想しています。
次の魅力は音楽です。本作の音楽は、『モンスターハンター』シリーズや『ライザのアトリエ2』を手がけた作曲家の裏谷玲央氏が担当しています。ピアノやチェロなどによるメロディは耳と心に残るほどの美しさで、サントラが欲しくなりましたね。
本作の音楽がどれぐらい美しいかは、裏谷玲央氏の公式YouTubeチャンネルでチェックしてみてください。
また、本作のメインテーマ「願いの星」も素晴らしいです。鴫原ローラ(Laura Shigihara)さんが作詞・コーラスを担当しています。神秘的なメロディーと優しいコーラスを聞くたびに何度も心が震え、何度も泣きそうになりました。OdencatさんのYouTubeチャンネルで願いの星を聴くことができますのでチェックしてみてください。
感涙必至のアドベンチャーRPG
ハンカチを用意してからプレイしてください
メグとばけものをプレイしてみて、これは2023年を代表するインディーゲームであるという確信を得ました。ゲームで涙を流すほどの感動を覚えたのは、『UNDERTALE』以来でしょうか。UNDERTALEが好きな人に刺さるかもしれませんね。
本作の泣きどころは、何と言っても"人間と人ならざる者の友情"です。乱暴者のロイと心優しいメグが冒険を通して心を通わせていき、兄妹のような関係になる過程に引き込まれます。クライマックスに近づくにつれ、涙があふれ出てくるんですよ……。私、こういうのに弱いんです。
筆者は「人間とモンスター」「人間とロボット」「人間とエイリアン」といった内容の作品が好きでして……。見た目や価値観、文化などがまったく異なる2人が、お互いを理解して友情を深めていく様に不思議と惹かれてしまうのです。
映画なら『E.T.』や『第5惑星』『ヒックとドラゴン』など、ゲームなら『タイタンフォール 2』『人喰いの大鷲トリコ』などが挙げられます。筆者の嗜好とマッチングしているので、そりゃもう泣かないわけがありません。参りました。
メグとばけものは最高の泣きゲーでした。もはや感涙必至と言うべきでしょう。ゲームをプレイして泣きたい人、心を震わせるストーリー体験をしたい人に触ってほしいです。ハンカチを用意して本作をプレイしてみてください。
【ゲーム情報】
タイトル:メグとばけもの
販売:Odencat
プラットフォーム:Nintendo Switch、Xbox One、Xbox Series X|S、PC(Steam)
ジャンル:アドベンチャーRPG
価格:1650円
対象:12歳以上
©Odencat, 2023
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