GIGABYTE「AORUS GV-N407TAORUS M-12GD」はプラスアルファの魅力が満載
GeForce RTX 4070 Tiとフレームレート爆上げのDLSS 3で快適4Kゲーミング
VGAクーラーのパフォーマンスを確かめる
まずはAORUS GeForce RTX 4070 Ti MASTER 12Gが搭載するAORUS WINDFORCEクーリングシステムの冷却性能と静音性を、Core i9-13900Kを搭載したテストPCに搭載して調べていこう。
なお、テスト環境はオープンフレームケースで構築しており、室温は季節柄エアコンを動作させているが、16度前後になっている。
テスト環境 | |
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CPU | Intel「Core i9-13900K」 (24コア/32スレッド、最大5.8GHz) |
CPUクーラー | CORSAIR「Hydro X XC7 RGB PRO CPU ウォーターブロック」 (本格水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「Z790 AORUS ELITE AX(rev. 1.0)」 (インテルZ790、ATX) |
メモリー | Samsung「DDR5-4800@5200」 (16GB×2、DDR5-5200 CL36-36-36) |
ビデオカード | GIGABYTE「AORUS GeForce RTX 4070 Ti MASTER 12G」 (GeForce RTX 4070 Ti、GDDR6X 12GB) |
ストレージ | Western Digital「WD_BLACK SN850 2TB WDS200T1X0E」 (2TB M.2 SSD、PCIe4.0) |
電源ユニット | SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W」 (1000W、80PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」22H2 |
静かに余裕のある温度に抑え込む
AORUS WINDFORCEクーリングシステム
ストレステストには、「3DMark」の「Speed Way Stress Test」を利用している。テスト中のGPU温度などは、「HWiNFO64 Pro」を使用して記録している。テストに使った「Speed Way」は、DirectX 12 Ultimateに対応し、レイトレーシングやメッシュシェーダーなどを利用した次世代の重量級ベンチマークテストになる。
GIGABYTE製空冷ビデオカード最高峰クラスのAORUS WINDFORCEクーリングシステムに加えて、TGPが285Wでテスト実行中のCPU Power(HWiNFO64 Pro)は、260W前後で推移するとあって、GPUコア温度の「GPU Temperature」は、50度台を維持している。GPUコア内の最も熱い温度となる「GPU Hot Spot Temperature」でも最高64度台だ。また、GDDR6Xメモリー温度も50度台で安定と、まったく不安を感じない温度になっている。
余裕のある温度だが、ファンが爆音というわけでもない。3基のファンの動作はデフォルトでセミファンレスに設定されており、GPUコア温度が50度に達するまでは停止している。50度を超えるとファンは、回転率60%で動作する設定になっているが、回転数自体は1300rpm前後と低速回転仕様になっている。それでも十分な風量を確保できるのは、大型の108mm径ファンだからだ。
気になる騒音値もチェックしていこう。計測は、PCケース搭載時にサイドパネル側に位置するビデオカード側面部から30cmと、ファン側から30cmの位置で行なった。また、計測時は、CPUクーラーの水冷ラジエーターに搭載する120mmファン×3基は停止している。
ストレステスト中のファン回転数は、最高で1400rpm台(63~65%)までアップするが、結果は側面側で39.5dBA。ファン側は40dBAを超えているが、それでもゲームパフォーマンスのチェック中を含め、静かに感じた。PCケースに収めれば、フロントメッシュなどのエアフロー重視タイプのPCケースでも騒音は気にならないだろう。
ゲーミングパフォーマンスをチェック
前世代ハイエンドのGeForce RTX 3090を上回るGeForce RTX 4070 Tiのゲーミングと、クリエイティブシーンでのパフォーマンスは、すでにGeForce RTX 4070 Tiレビューの前編と後編で明らかにされているが、軽くAORUS GeForce RTX 4070 Ti MASTER 12Gのゲーミングパフォーマンスをチェックしていこう。
比較には、前世代ハイエンドGPUで、GeForce RTX 3090に迫るパフォーマンスを発揮し、昨年夏ごろには12万円前後まで値下がりしていたGeForce RTX 3080 Tiを用意している。
GPU比較表 | ||||||
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GPU | GeForce RTX 4070 Ti | GeForce RTX 3080 Ti | ||||
GPUコア | Ada Lovelace | Ampere | ||||
製造プロセス | TSMC 4N | 8nm | ||||
SM数 | 60基 | 80基 | ||||
CUDAコア数 | 7680基 | 10240基 | ||||
RTコア | 60基(第3世代) | 80基(第2世代) | ||||
Tensorコア | 240基(第4世代) | 320基(第3世代) | ||||
ROP数 | 80基 | 112基 | ||||
テクスチャーユニット数 | 240基 | 320基 | ||||
ベースクロック | 2310MHz | 1365MHz | ||||
ブーストクロック | 2610MHz | 1665MHz | ||||
メモリーデータレート | 21Gbps | 19Gbps | ||||
搭載メモリー | GDDR6X 12GB | GDDR6X 12GB | ||||
メモリーバス幅 | 192bit | 384bit | ||||
バスインターフェース | PCI-Express4.0(×16) | PCI-Express4.0(×16) | ||||
TGP | 285W | 350W | ||||
補助電源 | 16ピン(8ピン×2または×3) | 12ピン(8ピン×2) |
定番ベンチマークの「3DMark」を使って、ゲーミングパフォーマンスをみていこう。まずは、Direct X11ベースを使用した「Fire Strike」だ。
テスト解像度が4Kの「Fire Strike Ultra」のテスト中フレームレートはさすがに60fpsを下回っているが、スコアーとフレームレートは、前世代80番台の10%程度向上している。
続けて実行したDirect X12ベースの「Time Spy」も順当な結果で、GeForce RTX 3080 Tiから最高で20%ほど数値を伸ばし、4K解像度で実行される「Time Spy Extreme」のフレームレートは、60fpsオーバーを記録している。
最新APIであるDirectX 12 Ultimateに対応した次世代重量級ベンチマークテストの「Speed Way」を実行すると、メモリーバス幅が影響してか、フレームレートは50fps台で、RTX 3080 Tiからは8%程度の向上に留まっている。とはいえ、前世代80番台を超えるパフォーマンスをしっかりと発揮している。