株式会社MONSTER DIVEが提供する「STREAM TICKET」（以降、ストチケ）は、映像コンテンツを有料ライブ配信できるプラットフォームだ。事前の配信審査などはなく、映像があればすぐに配信可能。視聴用のチケットも同時に販売ができる仕組みだ。音楽ライブや演劇といったエンタメだけでなく、スポーツシーンでの利用も考えられる。今回は、MONSTER DIVEへの取材を基に、「ストチケのスポーツ界への活用や可能性」を探ってみた。
ライブ配信とチケット販売が同時に行える
ストチケは誰でも有料ライブ配信ができる、チケット販売型ライブ配信プラットフォームだ。ライブ映像を有料で公開するだけでなく、同時に「チケット販売」ができるのが特徴。チケット枚数は最少1枚から発行でき、一般的なチケット販売と異なり興行審査などがないため、最短5分で販売が開始できる。ライブ配信に関する初期費用はかからず、配信者側が負担するのはチケット販売に応じた手数料8％のみとなっている。
また、2022年12月1日には「ファイル配信機能」を追加。これは事前に収録した映像ファイルを管理画面にアップロードしておくことで、指定時間に自動でライブ配信が始まるというもの。いわゆる「疑似ライブ配信」ができる仕組みだ。例えば、過去に配信した映像を再アップして、チケット購入者だけに配信するといったこともできる。
リアルタイムで行うライブ配信は、機材やスムーズな配信ができるインターネット環境を用意する必要があるが、「ファイル配信機能」は映像ファイルがあれば、特殊な機材や環境を整備することなく有料での映像配信が可能になる。疑似ではあるが、ライブ配信のハードルを下げ、間口を広げてくれる機能だといえる。
マイナースポーツでの活用が期待される
新型コロナの影響で、トップチームでもスポンサーが得られない、広告収入が下がったなどの問題を抱えているが、小規模のチームやマイナースポーツはさらに厳しい環境に陥っている。また、観客を入れての試合実施もいまだに問題になっている。そのため、どのように試合を発信するか、どのようにして収益を得るのかが課題だ。
しかし、ストチケを使えば手軽に試合映像が発信でき、収益も得られるため、規模の小さなチームやマイナースポーツのチームでの活用が期待される。試合に興味がある人、試合が見たいという人に確実に届けられる上、チーム側も規模を予測してチケット発行ができるため売れ残りにくい。コストをかけずに試合映像を配信しつつ、収益得られる仕組みを重宝するスポーツチームは多いだろう。
配信やチケット手配にかかる労力が省ける分、そのリソースを他に回ることができるのも本サービスの利点だ。また、疑似ライブ配信ができるファイル配信機能を使えば、過去試合をアップロードしたり、あらかじめ撮影した映像コンテンツ（選手のインタビューなど）を予約配信したりもできる。ここでもチケットを販売すれば、さらに収益が見込めるだろう。
部活動も重宝するストチケ
ストチケでは、有料配信のほかに、限定での「無料配信」を行うこともできる。例えば、ファンクラブ会員向けに、テレビ放送されないような普段の練習や試合を発信したり、スポーツ自体に興味を持ってもらう目的で、希望者に無料で限定配信したりが可能。有料と無料とを使い分けることで、より効果的なマーケティングが可能になる。
MONSTER DIVEの岡島将人代表取締役によると「無料限定配信は、スポーツチームだけでなく、中学や高校の部活動といったさらにミニマムなところでの活用も期待できる」という。実は、新型コロナの影響で、練習試合はもちろん、規模の大きな大会でも保護者が応援に行けないことが増えている。例えば、引率者含めて5人までと定められていたり、保護者は1人だけと限定されていたりするのだ。
「子供の活躍を見ることができない」という人のために、応援に行くことができた保護者が、他の保護者に向けて試合の模様を配信するといったこともある。ところが、一般的なライブ配信ではプライバシー問題が懸念される。限定配信という方法であれば、関係者のみしか見ることができないため、プライバシーの問題もクリアできるわけだ。
ストチケは、エンタメだけでなく、スポーツにおいても非常に大きな可能性を秘めたサービスだといえる。大きなスポーツ興行だけでなく、部活動といった規模の小さな場面でも活躍するため、スポーツ自体を盛り上げ、スポーツの裾野を広げることにも貢献するだろう。
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