約1ヵ月の間、世界中が沸き、歓喜し、泣いたFIFAワールドカップが終わった。5Gが初めて利用されるワールドカップとなるなど、モバイルの面でも話題がある。
視聴者は夏季五輪を上回る世界最大のスポーツイベント
4年に一度のFIFAワールドカップ(FIFA World Cup Qatar 2022)が12月18日(現地時間)、閉幕した。連日の夜ふかし(あるいは早起き)の日々がやっと終わったという方も、日本代表が敗退して以来結果だけ見ていたという方も、はたまた現地に応援に行ったという方もいらっしゃるだろう。
日本では、全試合を無料でネット配信した「ABEMA」が一気に存在感を高めた。試合中にカメラを切り替えたり、スタッツを見たり、他の視聴者のコメントを楽しんだり、新しい試聴方法を楽しんだ人も多いだろう。
日本がクロアチアと戦った12月5日の世帯視聴率は34.6%、個人視聴率は20.2%と報じられている。世界でも、11月28日のスペイン対ドイツのスペインの視聴率は65%、同国の2018年のグループステージの視聴率を超えたそうだ。オランダもTVを視聴している人の76.6%がエクアドルでの自国選手のシュートシーンを見ていたという(FIFA発表)。
ワールドカップは世界で最も視聴されているスポーツイベントだ。Statistaによると、前回大会(FIFA World Cup Russia 2018)は35億6000万のユニークビューア(従来型TVとデジタルチャンネルの合計)があったとのこと。これは東京五輪(30億5000万人)、北京冬季五輪(20億1000万人)を上回っている。なお、今年のスーパーボウルは9920万人の米国の視聴者に3000~5000万人の米国外の視聴者がプラスされると推定している(https://www.statista.com/chart/28766/global-reach-and-tv-viewership-of-the-fifa-world-cup/)。
vivoは公式スマートフォンパートナー
折りたたみ式スマホ「vivo X Fold+」をアピール
このように高い注目度のイベントとなれば、スポンサーの効果も大きいだろう。FIFAのスポンサーとしてはアディダス、コカコーラ、Visa、カタール航空、カタールエナジー、ヒョンデ/KIA、Wanda Groupが名を連ねており、さらにワールドカップはバドワイザー、BYJU'S、Crypto.com、ハイセンス、マクドナルド、China Mengniu Dairy Company、Vivoのロゴが並んでいる。
推定されるスポンサー収入は17億ドル(約2250億円)とGlobal Dataは推定している。4年間の権利の平均スポンサーマネーは6326万ドル(約84億円)。同社の予想では金額ベースのトップはvivo。vivoは公式スマートフォンブランドでもある。スマホ好きの人ならスタジアムのピッチにvivoのロゴが目立っていたことをご記憶のことだろう。相当な金額が予想されるが、その価値はあると踏んでいるようだ。
ちなみに、そのvivoは4年前のロシア大会でもスポンサーだった。スタジアム前に大型のブースをもうけたり、公式ソングLive it Upのパフォーマンス中に90秒のロゴ表示、スタジアム内に設置した画面に当時のフラッグシップ(「vivo Nex」)を宣伝するなどのブランディングを実施した(https://www.vivo.com/en/aboutVivo/discover?id=22)。
vivoのスポンサー活動は、欧州など数ヵ国への参入とタイミングを合わせたものだ。UEFA EURO 2020(実際の開催は2021年)でもスポンサーに、次回のUEFA EURO 2024まで公式パートナー契約を結んでいる(https://www.uefa.com/uefaeuro/history/news/0262-10a7e6283cfe-39c5c148caf4-1000--vivo-becomes-official-partner-of-uefa-euro-2020-and-2024/)。
今大会では、9月にFIFAとWorld Cup Qatar 2022でのスポンサー契約を発表した。その際、中国で折りたたみできる「vivo X Fold+」のローンチに合わせて、World Cup初の折りたたみ式の公式スマートフォンになることを発表した(https://www.vivo.com/en/about-vivo/news/fifa)。
なお、毎年欧州で開催されるUEFA Champions Leagueの公式スポンサーにはOPPOのロゴもある。
この連載の記事
-
第342回
スマホ
AR/VRの長すぎる黎明期 「Apple Vision Pro」登場から6ヵ月、2024年Q1は市場はマイナス成長 -
第341回
スマホ
世界で広がる学校でスマホを禁止する動き スマホを使わない時間を子供が持つことに意味がある? -
第340回
スマホ
対米関係悪化後も米国のトップ大学や研究機関に支援を続けるファーウェイの巧みな戦略 -
第339回
スマホ
ビールのハイネケンが“退屈”な折りたたみケータイを提供 Z世代のレトロブームでケータイが人気になる!? -
第338回
スマホ
ファーウェイはクラウドとスマホが好調で大幅利益増と中国国内で復活の状況 -
第337回
スマホ
米司法省、アップルを独禁法違反の疑いで提訴 その中身を整理する -
第336回
スマホ
Nokiaブランドのスマホは今後も出される! バービーとのコラボケータイ、モジュール型などに拡大するHMD -
第335回
スマホ
ファーウェイスマホが中国で好調、次期HarmonyOSではAndroid互換がなくなる!? -
第334回
スマホ
Nokiaのスマホはどうなる!? HMD Globalが自社ブランドのスマホを展開か -
第333回
スマホ
アップルがApp Storeで外部決済サービスを利用可能に ただし手数料は27% -
第332回
スマホ
米国で特許侵害クロ判定で一時は米国で販売停止のApple Watch、修正は認められるか? - この連載の一覧へ