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前田知洋の“マジックとスペックのある人生” 第180回

「ウルトラファインバブル」の実力は? シャワーヘッドmitosを試す

2022年11月22日 16時00分更新

文● 前田知洋 編集●ASCII

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マジシャン、メイクをすることが多いです

 筆者は男性ですが、最近はメイクをする機会が多めです。その理由は、スタジオでの企業CMやCameoのメッセージサービス用の動画など、強いライトの下で撮影することが増えてきたから。

 撮影用のファンデーション(いわゆるドーラン)は、シミやシワなど顔の欠点を強力にカバーするかわりに、落とすのが大変。本来は舞台の上でダンスや演劇でも使われるものなので、当たり前といえば、当たり前です。

 若い頃は、パパッと軽く拭くだけで済ませていました。しかし、今は肌への負担を考え、しっかりていねいに落とすことにしています。

 ただ、メイクをしっかり落とすとなると、専用のオイルを使ったり、石鹸を使ったりと、意外と大変。そこで、ずっと前から気になっていた、SANEIの「ウルトラファインバブルミスト洗顔 シャワーヘッド mitos」(以下、mitos)を購入することにしました。価格はAmazon.co.jpで1万4670円です。

mitosのスペック

 数ある「ウルトラファインバブル」をうたう製品の中からmitosを選んだ理由は、老舗の住宅水栓メーカー、SANEIの製品だったから。2018年4月に三栄水栓製作所から商号変更した、1954年創業のメーカーです。

 水回り品は、ほぼ毎日使うモノ。初期投資が多少かかっても、故障せず、ストレスなく使える製品を選ぶことが大切です。

 水回りの製品を替えるときに「あるある」なのが、ネジのサイズが合わないこと。ネジの世界は複雑怪奇で、直径が同じでもネジ山のピッチ(細かさ)がミリやインチ単位だったり、ネジ山の微妙な角度にも種類があったりします。まして液体やガスが通る管をつなぐネジなら、とくに注意が必要です。

シャワーホースのメーカー別に2つのアダプターが付属し、3種類のネジに対応している

 筆者の浴室の混合栓とシャワーホースは、すこし贅沢してドイツの製品。日本のmitosとの接続にはアダプター探しに苦労すると思ったのですが、そのままピッタリ接続できました。気分もいいし、先行きもいい!

浴室で使うグローエ(ドイツ)製シャワーホースにはアダプターなしで接続できた

ウルトラファインバブルとは1μm未満の泡のこと

 さて、商品名にもあるウルトラファインバブルとはなんのことでしょうか。SANEIの公式サイトによると、毛穴や毛髪よりも、はるかに小さく目に見えない空気の泡のことだそう。

 まず、直径が100μm(0.1mm)より小さな泡を「ファインバブル」と呼びます。さらに、1μm以上100μm未満の気泡を「マイクロバブル」、1μm未満の気泡をウルトラファインバブルと区別されています。

 ウルトラファインバブルは、あまりにも小さいため、浮力も小さく、水中から逃げずに漂いつづけるそうです。この泡が皮膚の油汚れなどに吸着し、汚れを浮かせ、洗い流すといわれています。

 mitosは1mLあたり6100万個のウルトラファインバブル(平均粒径は0.09μm)を発生させるとしており、その効果は以下のように解説されています。

○手洗いよりも素早く汚れを洗い流す
○水圧は通常のシャワーの1/4、手洗いの1/2
○シャワー後に肌が乾燥しにくい

1日目から効果を実感

 筆者は、ウルトラファインバブルのような新製品、新しい技術に対しては、その効果に半信半疑になることも多いです。しかし、mitosは使ったその日から効果を実感しました。

 まず、入浴後は温泉に入ったときのように身体が軽く、ずっとポカポカしています。公式サイトにおいても、自社の従来シャワーに比べ、mitosの水流は保温効果が持続するとしています。ミストシャワー水流による肌へのマッサージ効果で、そう感じるのかもしれません。

 とくに顔にミストをあてると、エステシャンにマッサージをされているような極上の感覚。普段よりも長くシャワーを使ってしまいますが、30%の節水機能もあるので安心です。

 もう1つの楽しみかたは、シャワーヘッド使って湯船をためる「ウルトラファインバブル浴」です。そのときの水道水の空気の含み具合にもよりますが、細かい泡でお湯が乳白色になることもあり、さらに温泉気分が味わえます(メーカーによると、お湯が乳白色にならなくても、身に見えないウルトラファインバブルは十分に含まれ、効果はあるとのこと)。

シャワーヘッドは「ストレート」「ミスト」の2つの水流にレバーで切り替えられる

 持ったときのバランスも、以前使用していたドイツ製のシャワーヘッドとほとんど変わらない感じ。ただし、ユニットバスなどで使われる軽いシャワーヘッドをご使用しているなら、mitosのヘッドは重く感じるかもしれません。店舗などで実際のヘッドをご覧になり、さらにお湯や水の重みが加わることを想像してみると後悔しないはずです。

 ここで、注意してほしい点が1つあります。製品の取扱説明書には「湯温が急上昇し、やけどのおそれがあるため『ツーバルブ混合栓』への接続」を禁じています。

 しかし、筆者の浴室では自動湯温調整機能付きの給湯器の湯を水と混合せずに使用していることから、湯温が急上昇することはないと判断し、自己責任で取り付けています。

「ツーバルブ混合栓」の取り付けをメーカーは推奨していないが、自宅の給湯器が自動湯温調整機能付きのため、自己責任で取り付けている

レビューの声の通りで、大満足

 購入に際し、ショッピングサイトのレビューで筆者が参考にした意見は、「ストレートとミストに(水流が)切り替えられるのが良い」「エステ気分が毎日味わえる」「肌がしっとりすべすべになった」など。

 また、「安定の信用できるメーカーなので」という意見もありました。購入して実際に使用した筆者からしても、以上の声には同意見です。肌がしっとりすべすべになるという点には、個人差もあるところでしょうが、筆者の感想でいえば、今までとのシャワーヘッドとの違いを明らかに感じています。

 興味深かったレビューは「ミストで顔に5〜10分程当ててます」というもの。長すぎでは? と思いましたが、筆者もあまりの気持ち良さに、同じことをしています(笑)。ほかにも、「足の匂いが、お湯だけでとれた」という声もありました。ある程度使い続けないと検証しにくいところですが、筆者の年頃では大切なことなので、買って良かったかも……。

マジックのテクニック、ワンアヘッドで失敗のない買い物

 マジックに「ワンアヘッド」というテクニックがあります。これは、観客から怪しまれないように、秘密の動きをワンテンポ遅くする方法です。

 いままで、新製品をすぐに買い、失敗を繰り返してきた筆者は、そんなマジックのテクニックを応用して、ユーザーのレビューが多く出揃ってから欲しかった製品を買うことにしています。そのテクニックのおかげでしょうか、今回買ったmitosも大満足。

 まあ、一般的には「後出しジャンケン」と例えたほうが、わかりやすいのかもしれませんが……(笑)。

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、チャールズ英国王もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。

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