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イベントのオンデマンド配信もスタート、「VeeamON TOUR Japan 2022」基調講演レポート

Veeamが考える「最新のデータ保護とその未来」、最新ソリューションも紹介

2022年11月15日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 ヴィーム・ソフトウェア(Veeam Software)が2022年11月9日、年次カンファレンスイベント「VeeamON TOUR Japan 2022」をオンラインで開催した。現在(11月14日から)はオンデマンド配信もスタートしている。

「VeeamON TOUR Japan 2022」のオンデマンド配信がスタートした(画像クリックでイベントサイトが開きます

 同イベントでは「Veeam Backup & Replication」「Veeam Backup for AWS/Azure/Google Cloud/Microsoft 365」「Kasten K10」などVeeam製品の最新情報やノウハウを伝えるセッションだけでなく、製品導入顧客4社による導入事例セッション、Veeamのエキスパートに直接オンラインで質問できるコーナーなども提供された。

 「最新のデータ保護とその未来」と題された同イベントの基調講演では、日本法人 執行役員社長の古舘正清氏、APJ担当GM&SVPのシヴァ・ピレイ氏が、Veeamが考える「最新のデータ保護」の姿、さらにその将来像について説明した。またソリューション・アーキテクトの高橋正裕氏は、旗艦製品の次期バージョンである「Veeam Backup & Replication v12(VBR v12)」の注目機能について紹介した。

ヴィーム・ソフトウェア 執行役員社長の古舘正清氏

Veeam Software APJ担当GM&SVPのシヴァ・ピレイ(Shiva Pillay)氏

顧客が求める「クラウド活用/標準化/セキュリティ/自動化」に対応していく

 「今やあらゆる業界、企業にとって、データは人材の次に重要な資産になった」。基調講演の冒頭、ピレイ氏はそう切り出した。現在のビジネスや生活はデータによって支えられており、データという資産を保護することは企業にとって不可欠の取り組みである。この点について異論を差し挟むIT関係者はいないだろう。

 ただし、その取り組みは容易ではない。ハイブリッドクラウド/マルチクラウドやSaaSの利用が浸透する中で保護すべきデータの保管場所は分散化が進んでいる。最新のランサムウェアがまず狙うのはバックアップデータの無効化、破壊だ。さらに、ビジネス要件を考えると単にデータ損失を防ぐだけでは意味がなく、ダウンタイムを最小化して迅速にビジネスを復旧できるレジリエンスも実現する必要がある。

 こうした顧客要件を深く理解し、技術と製品の開発を進めてきたのがVeeamだと、ピレイ氏は語る。

 仮想ワークロード(VM)の保護からスタートしたVeeamは、パブリッククラウド(AWS、Azure、Google Cloud)、Kubernetes、SaaS、物理ワークロードにもその保護対象を拡大している。幅広いインフラへのオープンな対応で複雑化したIT環境を統合的に監視/管理し、ワークロードの柔軟な移動や管理の自動化、コストの最適化を実現しているのも特徴だ。

ピレイ氏は大津赤十字病院、ロックフィールド、KDDI、御堂筋税理士法人といった日本の顧客企業のVeeam製品に対する評価を紹介した

 続いて古舘氏は、Veeamによる年次調査「データプロテクションレポート2022」の結果に基づき、顧客企業が現在抱える「最新のデータ保護に関わる課題」とは何かを紹介した。

 古舘氏は、この調査結果からは4つのキーワードが読み取れると分析する。その4つとは、インフラにおけるクラウド採用が進む中での「クラウドの有効活用」、これまでサイロ化していた複数のバックアップ環境を統合する「標準化」、ランサムウェア攻撃などへの対策となる「セキュリティ」、インフラ管理で採用が進む自動化ツールとの連携を進める「自動化」だ。

「データプロテクションレポート2022」より、「最新/革新的なデータ管理/データ保護ソリューションの特徴とは何か?」についてのユーザー回答

 こうした顧客ニーズの変化に対して、現在のVeeamは「クラウド」「セキュリティ」「コンテナ」という3つにフォーカスしてビジネスを推進している。

 ここで重要なポイントが、Veeamでは単一のソフトウェアプラットフォームをベースとして、仮想/クラウド/物理/SaaSの各環境にあるあらゆるワークロードとデータを保護/管理し、なおかつオンプレミス/マルチクラウド間のワークロード移行を支援できるという点だと、古舘氏は強調する。上述の「クラウド活用」「標準化」といった顧客ニーズを満たす特徴だ。

 「ハードウェアと一体化した、アプライアンス的なアプローチを提案するバックアップベンダーも増えているが、Veeamではハードウェアと完全に切り離された“100%ソフトウェア”で提供している。それゆえに既存のストレージをそのまま活用できるなどハードウェアの選択肢が広い。ライセンスも特定ハードウェアに固定されず、オンプレミスで購入したライセンスをクラウドで活用することもできる(Veeamユニバーサルライセンス)。さらに、まずは保護が必要なワークロードだけでスモールスタートしていくことも容易だ」(古舘氏)

仮想/物理/クラウド/SaaSのデータ保護を単一のソフトウェアプラットフォームでカバーする点が大きな特徴

 また「セキュリティ」のニーズに対しては、強力なランサムウェア対策を講じていることを紹介した。Veeamでは、ランサムウェア攻撃に備えたバックアップデータ保管について「3-2-1-1-0ルール」を提唱し、それを実現する「Linux強化リポジトリ」や仮想環境でのリカバリ自動テスト機能などを提供している。

 クラウド活用/標準化/セキュリティ/自動化という顧客ニーズを満たした結果、国内の顧客企業も着実に増えており、「日本法人は毎年、グローバルのVeeamを大きく上回る成長ができている」と古舘氏は語った。

国内の最新顧客事例。クラウド活用の推進とバックアップの統合/標準化、さらにランサムウェア対策や自動化ツールとの連携といったポイントを重視してVeeamを選択するケースが多いと説明した

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