アスクは、11月5日(土)~6日(日)の2日間、ベルサール秋葉原にて自作PCパーツイベント「ASK★FES 2022 ~何かが見つかる!世界のPCパーツ大集合祭り~」を開催。本イベントは自作PCパーツ・PC DIY製品で注目される多数のメーカーが出展し、各メーカーのブースでは最新PC DIY製品が展示やデモンストレーションが行なわれた。
また、様々なステージ企画が催されていた。その中から、先日米ラスベガスのイベントでRadeon RX 7000シリーズを発表したばかりのAMDをピックアップ。本記事では、AMDのブースと、初日に登壇した日本AMD ジャパンマーケティング本部 マーケティングスペシャリスト 佐藤美明氏のステージ内容についてお届けしたい。
最新Radeonが発表されたばかりのため、その話が聞けるかと期待していた人もいたかと思うが、まだ発売前のため残念ながらRadeonのアップデート情報はなかったが、9月に発売されたばかりの最新CPU「Ryzen 7000シリーズ」の魅力について、改めて佐藤氏の口から解説が行なわれた。
Ryzen 7000シリーズのラインアップは、最上位のRyzen 9 7950Xをはじめ、全部で4種類の販売が開始している。発売開始時点では、今までと同じくエンスージアストのユーザーが最上位を求めるため、Ryzen 9 7950Xは即完売になるほど人気を博したという。
Ryzen 7000シリーズは、最新のZen 4アーキテクチャーを採用し、前世代よりも高性能かつ高効率であることが特徴だ。さらに、次世代規格であるPCIe 5.0とDDR5メモリーに対応する。AMDはこれまで2016年に登場したSocket AM4を、約6年間という長い間活用し続けてきた。これは競合にはない強みだった。
しかし、ここにきてPCIe 5.0やDDR5メモリーといった次世代規格に対応すべく、Socket AM5に対応したRyzen 7000シリーズへの移行に踏み切った。CPUソケットを久々に変えたこともあり、現状対応マザーボードは高価ではあるが、AMDは2025年以降もAM5を継続する意向を示しているため、今買い換えて確実に長く使うなら、多少高価でも高い性能を求めるならRyzen 7000シリーズがオススメだとしている。
実際にAMDは、AM4を前述したように長く採用し、マザーボードやCPUクーラーなどが流用しやすく、競合よりも買い替えがしやすいエコシステムを継続してきたので、この言葉の信用度は高い。
また、末尾にGが付くRyzen Gシリーズ以外では、デスクトップ用Ryzenでは初めて内蔵GPUを搭載しているのがRyzen 7000シリーズの特徴であると語った。Ryzen 7000シリーズの内蔵GPUは、CUを2基しか搭載しないため、Ryzen Gシリーズほど高い性能を持っていないが、別途ビデオカードを用意することなく、映像を出力できる。
これにより、ひとまずビデオカードなしでPCを組んでおきたい、万が一ビデオカードが故障した際でも、映像を出力して故障箇所を割り出せる、といったメリットが生まれたのもひとつの特徴といえる。
また、Ryzen 7000シリーズはより高効率化したことで、従来のRyzen 5000シリーズと比べてTDPが高くてもより高性能だが、TDPをあえて65Wまで下げた場合は、高い性能を維持し、約74%とより高い性能差を発揮できると解説。
実際に、この特徴を活かして低消費電力運用するユーザーもいる。そのうち、Ryzen 7000シリーズのデフォルトTDP65WのCPUも発売されると予想されるが、それまでの間はTDPを抑えて小型PCを組むといった需要もありそうだ。
また、RDNA 2アーキテクチャーの内蔵GPUを搭載するため、AV1デコードにも対応する。佐藤氏曰く、RDNA 3世代の最新RadeonとRyzen 7000シリーズを組み合わせれば、エンコードとデコードを振り分けて使える、ということが話題になったという。そのため、Ryzen 7000シリーズと最新Radeonの組み合わせが活かせる機能としてアピールした。
そして、AM5対応のマザーボードはチップセットがX670E、X670、B650E、B650と4種類あり、簡単にいうとPCIe 5.0対応非対応、IO周りの数が異なると解説。また、間もなくPCIe 5.0対応のSSDが各社から登場予定で、競合が定義したXMPのAMD版とも呼べるEXPO対応メモリーにより、簡単にメモリーオーバークロックが可能になると語った。
最後に佐藤氏は、Ryzen 7000シリーズの別ラインアップについて言及したが、NDAに触れるような内容なので、ここでは言及を避けたい。前シリーズのラインアップに即した形で、よりTDPを抑えた製品などの販売に期待したい。