このページの本文へ

荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第788回

「この猫、何て呼ぶ?」 これまでいろんなカメラで撮ってきた、いろんな色や模様の猫を集めてみた

2022年11月02日 12時00分更新

文● 荻窪 圭/猫写真家 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

大あくびしてる長毛の黒猫。よく見ると茶色が混じってたりするが黒猫だ。最近、黒猫をよく見る気がするのだが、気のせいか。2022年3月 ソニー α7C

 昔に比べると明らかに減ってはいるのだが、今でも街を歩いてると、ふと猫に出会うことがある。街のすき間で生きてる姿を見ると、つい頑張れよと思いつつカメラを向けてしまう(だから、この連載も続いてるのだけど)わけである。

 で、どんな猫だった? と聞かれると、色や毛の長さや模様で答えるしかない。今回は、そんな話。まあ、白ければ白猫だし、黒ければ黒猫だ。純粋な白猫や黒猫はほとんどいないのだけど、その辺はアバウトだ。冒頭写真の長毛の黒猫も、陽射しが当たってると、かなり茶色が混じってるのがわかる。

長毛の白猫。見るとわかるとおり、茶色がちょっと混じってるが、ここまで白ければ白猫である。ふさふさしてるから「シロフサ」とでも呼びたい感じ。2020年2月 ニコン COOLPIX P950

 三色混じっていれば、三毛(ミケ)である。たいてい黒と茶と白だ。

ボンネットの上にちょこんと座ってたミケ。黒と茶と白の3色だからミケだ。2022年7月 富士フイルム X-H2S

 白が混じらない、黒と茶の猫はサビネコと呼ばれる。鉄錆の「サビ」だ。最近、東京ではあまり見かけない気がする(この写真は神奈川県で撮ったもの)。サビネコって、その精悍な感じがけっこう好きなので、出会えなくて寂しい。

ごろんと転がってたサビネコ。ワイルドな感じがしていいのである。後ろには黒猫もいる。2020年9月 富士フイルム X-T4

 縞模様があれば、トラである。大雑把にいって、明るい茶色であればチャトラ、暗めのトラならキジトラ、グレーならサバトラだ。

 キジトラのキジは、鳥の「雉」。雄(オス)のキジは派手な色をしているが、キジトラの雉は雌(メス)のキジのことで、確かにそういう色をしている。サバトラのサバは、魚の「鯖」だ。

明るい色のチャトラ。日向でぬくぬくしてたのだった。2019年12月 富士フイルム X-T2

よく見かけるキジトラ。人なつこいことが多い気がするけど、単によく出会うからかもしれない。このキジトラは不用意に近づいてきてくれた。2020年9月 ニコン Z 5

けっこう数は少ないと思うサバトラ。ホワイトタイガーと呼びたくなる。2018年7月 ソニー Cyber-shot DSC-RX100M6

 トラ系でいちばん多いのがキジトラだそうで、確かによく見かける。うちのかふかも、キジトラだ。さらにチャトラに白が混じってれば、チャシロ、キジトラに白が混じっていれば、キジシロなんて呼ばれる。

 この猫は、キジトラで白が混じってて、おでこのところがぱかっと割れてる(ハチワレという)ので、「キジシロのハチワレ」といったところか。ハチワレは、「鉢割れ」のこと。

冬の日、ひなたでまぶしそうな顔をしつつ、ぬくぬくしてたキジトラのハチワレ。気持ちよさそうである。2020年12月 キヤノン EOS Kiss M2

 でも、猫の色と模様って実際にはもっと複雑で、いろんな要素が混じっているからややこしい。 この猫なんか、白にキジトラが混じってる。白ベースにほかの色が混じってるのを「トビ柄」と言うそうで、この場合は「トビキジ」か。

白地にキジトラが混じってる。けっこう多いと思う。白と茶の組み合わせと思ったら、茶色に見えたところがトラ柄だったとか。2022年1月 ニコン Z 9

 では、この太い縞の猫の模様は何と呼ぶべきか。

サビネコか、ミケか。茶と黒の縞模様ではあるんだが、こんなに太い縞って珍らしくない? 2018年11月 オリンパス OM-D E-M1 Mark II

 この、白猫に墨で何か描いたような模様は何と呼ぶべきか。

白地に黒でもグレーでもなく、薄墨っぽい感じがいい。2020年8月 キヤノン EOS R6

 街で出会う猫は、いろんな色や模様が混じってて、何と表現したらいいか、語彙が試されるような気になる。とある団地で見かけたクリーム色の猫を、子供たちは「ラテ」と呼んでた。なかなかいいセンスだ。

 猫を撮りたくなるのは、みな個性的で、色も模様も毛の長さも性格も違うところなのかもしれない。鼻の色も目の色も肉球の色も組み合わせると、バリエーションはすごく豊富なのだ。それがいいのである。

■Amazon.co.jpで購入
 

筆者紹介─荻窪 圭

 
著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン