成長のキーとなるのは半導体人材
半導体産業の重要性は、ここにきて多くの人に認知されはじめている。
早坂社長は、「コロナ禍での半導体不足によって、自動車や家電など、生活を支える商品が作れないという状況が世界中で起こっている。半導体の重要性が再認識され、地政学リスクや安全保障の観点からも大きく注目を集めている」とする。
さらに、半導体市場は、これからも高い成長が期待されている。
2020年の世界の半導体市場の規模は約50兆円であったが、2030年には100兆円を超える市場規模に成長すると予想されている。また、産業の裾野が広く、半導体製造に必要な装置や材料などの関連産業も、2020年には約15兆円の市場規模があり、ここでも今後の大きな成長が期待されている。
「JEITAでは、日本の半導体産業復活のために、今後10年で4万人以上の人材が必要であると試算している。半導体産業を支えるのは、いまも、これからも、若い優秀な人材である」と早坂社長は語る。
市場拡大を牽引するのはデジタル社会の発展と、そこで実現される様々なソリューションである。自動運転やAR/VR、先進医療、教育、スマート農業など、革新的ソリューションは、半導体を基盤にして創造されることになる。
「半導体は、PCや携帯電話、データセンター、家電など、様々な製品や産業で使われ、社会や人々の暮らしを支えている。また、将来のサステナブルの社会の実現に向けて極めて重要で不可欠なコンポーネンツである。日本や世界が抱える社会問題を解決することができる」と、早坂社長は半導体の重要性を示す。
その上で、「価値のある製品、サービスを生み出す人材、グローバル規模の課題に立ち向かえる人材を必要としている。半導体産業に関わることで、将来の社会変革、日本や世界の成長を支え、社会の発展に大きく貢献できる。若い人にとってはやりがいのある産業である。いまいちど半導体産業に目を向けてもらい、将来の日本の半導体産業の担う仲間になってほしい」と呼びかける。
日本の半導体産業は、イメージセンサーや車載半導体、パワー半導体、フラッシュメモリでは世界的な競争力を維持しており、半導体製造装置や部材でも高い世界シェアを持っている。また、政府では、日本の半導体産業の復活に向けて、誘致や補助金などの施策を打ち出している。さらに、国の指導のもと、人材育成に関する支援もスタートしている。
「学生にとっても、いまは半導体関連の勉強や研究をスタートさせるいいチャンスである」とする。
JEITA半導体部会によるCEATEC 2022への出展は、次世代の半導体産業を担う人材獲得に向けた大きな一歩になりそうだ。
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