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柳谷智宣がAdobe Acrobatを使い倒してみた 第147回

自己流でやってない? 文書レビュー時に便利なコメントツールの使い分け

2022年10月31日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

提供: アドビ

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 本連載は、Adobe Acrobatを使いこなすための使い方やTIPSを紹介する。第147回は、文書レビューにコメントツールを活用する方法を紹介する。

意外に知らない、コメントツールの基本的な使い方

 Acrobatでは、複数人で効率的に文書のレビューが行なえる。そのレビューを行なう際、コメントを入れたり、文章に修正を加えたりするのだが、適した機能やツールを使わないと意図が十分に伝わらないことがある。

 すべてのコメントを「ノート注釈」ツールで入れていたり、「入力と署名」機能を使ってコメントを入力している人は是非確認しよう。実際に適していない機能を使って、有効利用できず、サポートに問い合わせる人もいるそうだ。せっかくAcrobatを使うのなら、王道のレビュー方法を覚えておくことをオススメする。

 まず、コメントを入れるならコメント機能を利用するのが大前提だ。署名機能や編集機能を使わないように注意しよう。ちなみに、以前は「注釈」機能だったが、2021年9月から「コメント」機能と名称が変更されている。

 ツールメニューから「コメント」をクリックすると、サブメニューが表示される。一番左のアイコンが「ノート注釈」ツールだ。文書内の任意の位置にコメントを追加できる。画像や図面の一部を指定してコメントを付けられるのでわかりやすいのが特徴だ。

ツールメニューから「コメント」をクリックする

コメントを入れたい部分をクリックし、コメントを入力する

 文章のレビューを行なうなら「テキスト注釈」ツールを利用しよう。文章の一部を置換したり、カーソルの位置にテキストを挿入したりできる。余白部分にテキストを新たに載せることも可能だ。

 「この文章をもっとわかりやすくしてください」といったコメントを入れる場合は、「ノート注釈」ツールを使おう。

 文字を目立たせたり、下線や取り消し線を引くこともできる。テキストの一部を強調したいときなどに活用できる。テキストを選択してからハイライトツール/下線ツール/取り消しツールのボタンをクリックするか、ボタンを押してからテキストを選択すればいい。

置換ツール/テキスト挿入ツール/テキスト注釈追加ツールを適用したところ

ハイライトツール/下線ツール/取り消しツールを適用したところ

 例えば、文書の修正をコメントする場合、参考になるファイルを見てもらいたいことがある。別送すると紛失や混同の可能性があるが、AcrobatならPDFに埋め込むことができる。「新規添付ファイルを追加」ボタンをクリックし、「ファイルを添付」を選択。表示アイコンを選んだら、任意のファイルが添付される。ダブルクリックすれば、紐付けられているアプリでプレビューが開くので、手間がかからない。

「新規添付ファイルを追加」ボタンをクリックし、「ファイルを添付」を選ぶ

表示アイコンを選んで「OK」をクリックする

PDFに埋め込んだファイルをダブルクリックすると、プレビューが開くようになった

音声でコメントを伝えたり、図やスタンプを活用する

 レビュー内容は可能な限りテキストでわかりやすく記載すべきではあるが、何らかの理由で口頭で指示を伝えたいということがあるかもしれない。そんな時は、Acrobatで音声を録音し、PDFに埋め込むことができる。

 「新規添付ファイルを追加」メニューから「音声ファイルを添付」をクリックするとレコーダーが開く。赤い●ボタンをクリックすると録音が始まるので、コメントを残し、■ボタンで録音を停止する。「OK」をクリックすると、音声コメントが追加される。

「音声ファイルを添付」をクリックして録音する

音声コメントのアイコンをダブルクリックすれば、コメントが再生される

 Acrobatでは線を引いたり各種図形を書き込むことができる。デザインの指示などで、何か具体的な図形を入れたいときに利用しよう。「描画ツール」アイコンをクリックし、図形を選択すればいい。

 図形の中に「引き出し線付きテキストボックス」という項目もある。コメントツールの中に「テキストボックス」というボタンがあり、PDFにテキストボックスを挿入してコメントを残すことができる。「引き出し線付きテキストボックス」ではこのテキストボックスに矢印を付けられるのだ。具体的な位置を指し示したい時に利用しよう。

「描画ツール」アイコンをクリックして描きたい図形を選択し、マウスで描画できる

テキストボックス(上)と引き出し線付きテキストボックス(下)の違い

 他にも、もし承認印などがあるなら、スタンプツールに登録して押すことができる。また、タッチ操作やペン操作が可能な環境であれば、鉛筆ツールと消しゴムツールでフリーハンドで書き込むことも可能だ。ウェブページや制作物のデザインなどで指示を出すときに便利だ。

 以上が、AcrobatでPDFにコメントを入れる方法となる。こうしなければいけない、というわけではないのだが、基本を覚えておいたほうが応用が利くので、一通り試してみよう。

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