NECが目指す未来に対して共感がないといけない
森田社長兼CEOは、「Truly Open, Truly Trusted」を、「不確実な時代において、NECがパーパスを実現するために、いま、大切にするキーワード」と位置づける。
NECが掲げているパーパスは、「NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します」である。
森田社長兼CEOは、「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造するためには、NECは、多くの人や組織、あるいは社会と共創する必要がある。NECと一緒に共創すると、どんないいことがあるのか、NECはどういう世界を目指しているのか。共創してもらうには、NECが目指す未来に対して共感してもらわなくてはならない」と語ってきた。
そして、「もし、NECの未来に共感できないのであれば、NECの顔認証技術がいくら優れていても、NECには任せたくないということになる」とも語り、NECが示すパーパスを実現したり、それを支える技術を活用してもらったりするには、NECに対する信頼を持ってもらうことが前提であること、オープンな姿勢を持ち、オープンに活用できる技術を提供することが必要であることを示してきた。
「Truly Open, Truly Trusted」は、こうした森田社長兼CEOの思いを言葉にしたものだといっていいだろう。
森田社長兼CEOは、「共感できる人を集めて、ひとつの方向性に向けて共創していくことが、価値の実現に向けて大きな力を発揮することになる。心がオープンであり、人との共創という意味でオープンであることも大切だ。そして、標準化や共通化などにつながるオープンなテクノロジーを作ることが大切であり、そこにはトラストが求められる。相互信頼関係があれば、最初の信用チェックの部分をスキップでき、創造的活動に集中でき、テクノロジーの社会実装が進む。だからこそ、Trulyという意味が重要になる」と述べ、「NECは真のオープンと真のトラストで、All share benefitな世界を目指し、我々の存在意義であるパーパスを果たしていきたい」と述べる。
この連載の記事
-
第588回
ビジネス
富士通の子会社でDX専門のコンサルティングをするRidgelinez -
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? - この連載の一覧へ