第三の創業から10年を経て
振り返れば、NECは、2008年度に約3000億円の最終赤字を計上。半導体、PC、携帯電話、ISP事業などを切り離し、大規模な事業再編に取り組んだ。
NECでは、そうした経験を経て迎えた2013年を「第三の創業」と位置づけ、「社会価値創造型企業」への変革を宣言した。このとき、NECの存在意義について徹底的に議論し、そこから導き出された結論が、その後の「安全・安心・公平・効率という社会価値を創造する」ことを掲げたNECのパーパスにつながっている。この議論には、当時は、執行役員常務だった森田社長も最初の段階から参加している。
つまり、パーパスを実現するためのメッセージとして打ち出した「Truly Open, Truly Trusted」は、思いつきのようにいきなり登場した言葉ではなく、約10年の取り組みのなかから、生まれた言葉だともいえる。
森田社長兼CEOは、「OpenとTrustは、普遍的であり、重要なキーワードである。だが、不確実性が高まるいまの時代だからこそ、OpenとTrustが持つ真の意味を見つめなおす必要がある」と語るが、それは、約10年の経験と蓄積をベースに生まれた言葉であり、その意味の重さが伝わってくる。
「Truly Open, Truly Trusted」は、「いまの時代だからこそ、NECが果たすべき役割は増している」と語る森田社長兼CEOが、強い意思を持って発信したメッセージだといえる。
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