2022年9月15日(木)から4日間開催(最初の2日はビジネスデー)している東京ゲームショウ2022(TGS2022)。できる限り数多くのコンテンツを体験してきたが、その中でも筆者が1番驚いたともいえるタイトルが『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』だ。
筆者はOculus(現Meta)のデベロッパーズキットから、アスキーのVR担当として数多くのVRコンテンツを視聴してきたが、年々VRのハードウェアとコンテンツが進化しているのを感じている。VR元年とささやき始めた初期は、数分ほどの短い体験のコンテンツが多かったが、ゲーム本編をフルにVRで遊べるタイトルとして注目を集めたのが『バイオハザード7 レジデント イービル』だった。
ホラーゲームというのは、非現実的な体験であるVRコンテンツとして非常に相性が良い。静かなところに足音だけが響く、扉を開けたら突然ゾンビが襲ってくるのでは?と人の想像力を働かせ、“怖い”と思わせる非日常体験が堪能できる。
今年の東京ゲームショウでもいくつかVRコンテンツが出展されていた。しかし、ハードウェアの発表やいくつかコンテンツ発表はあるものの、未だ実際に体験できる機会がなかったソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)の次世代VRシステム「PlayStation VR2」(PS VR2)で唯一体験できたのが『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』ということで、非常に人気を博した。
TGS2022の初日も整理券はすぐになくなり、体験できた人はごくわずかだった本作が、いったいどういったコンテンツだったのか、ご紹介したい。
美麗な360度映像は圧巻、銃の操作もリアル!
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』は、ドミトレスクとその娘たちが住まう城の前から開始する。雪が降り積もる城までの道は、非常にリアル。特に雪が積もって固まっている様子は写真か?と勘違いするほど。以前インタビューで雪に覆われた村を再現するためのロケで大寒波に襲われた、という経験を元に描いていると回答を頂いているが、そうしたリアルな体験が、実在感のある映像に活かされているのだと感じる。
城の中に入ると、その調度品の見事さにも驚かされる。平面で見ている時もリアルだと感じてはいたが、VRだとより近くに、そして360度の視界で城の中を楽しめるので、中世ヨーロッパを思わせる日本とは明らかに違う空気感を感じられる。
移動は左手のアナログスティックで行ない、右手のスティックで視点を変えられる。また、中指に触れるボタンを押しながらで、モノを掴むことができる。左腕にはナイフが装備されているので、右手でそれを掴み攻撃ができる。今回の体験版では、部屋の中を漁っていると、すぐにハンドガンを見つけることができる。ハンドガンは右の腰に装備されているので、それを右手で掴んでトリガーボタンで銃が撃てるようになる。マガジンは左の腰に装備されている。
体験版では総弾数には限りがなく、弾が切れたら右手の〇ボタンでマガジンをリリース。新しいマガジンを左の腰から左手で掴み、右手の銃に近づけてマガジンを装填。その後、左手でスライドを掴んでリリースさせることでリロードが行なえる、という実際の銃に近い形でリロードする。
銃には赤外線レーザーがなく、ロックオン機能などもないので、ゾンビが出現したら、実際の銃のように狙いを付けて撃つ必要がある。最初はどの程度向ければ頭に当たるかなどがわからず、ボディーショットばかりになってしまうのもリアルだ。
ある程度進むとイベントが始まり、ドミトレスクの娘に捕まってドミトレスクの元に引きずられる。自分は立っているのに、地面に転ばされ引きずられるのは割とシュールだ。『バイオハザードヴィレッジ』をプレイしている人はご存じだろうが、ドミトレスクは非常に長身だ。そのドミトレスクから見下ろされるのだが、素直に“デカッ”という感想がでてしまう。
それだけ大きく圧迫感があり、こんな大きい女性いないよ、と実在感があるがゆえに、素直に驚く。プレイヤーであるイーサンは、鎖の付いたフックに手を貫かれて吊るしあげられる。自分の足は地に付いているのに、実際に鎖で引き上げられるという妙でありながらリアルな体験を味わえる。
ドミトレスクの頭と同じくらいの高さまで吊り上げられ、ドミトレスクに覗き込まれるのは、非常に生々しく、高い実在感を得られ、恐ろしさもリアルに感じられるだろう。
PS VR2の高解像度が活きた美麗な360度映像は一見の価値アリ!
『バイオハザード ヴィレッジ VRモード』は、とても作り込まれた圧巻の映像美を360度で体験できる、これまでのVRコンテンツの中でも1、2を争う出来だった。PS VR2は片目2000×2040ドットという高解像度の有機ELを採用。800dpiと高精細で、格子感もほんとに感じない完成度の高いVRシステムだ。
ただ、視野角が約110度と初代PS VRより10度広いとのことだが、若干ハイエンドなPC用VRヘッドセットよりも、まだ狭いと感じた。眼鏡の横に手を当てたくらいの視野といったところか。フレームレートは90~120Hzであり、滑らかに動いていたので、VRに慣れていない人はわからないが、酔いはし辛いだろう。
体験前には、視線誘導のキャリブレーションがあるのだが、ひと昔に体験した視線誘導機能を初めて搭載したVRヘッドセットなどでは、キャリブレーションが上手くいかないなどがあったが、非常にスムーズに視線を認識していて、快適にセットアップも行なえていた。
また、ヘッドセットを被った後にコントローラーを受け取るために、一度ヘッドセットを被ったまま外部カメラで外の映像が見えるモードに切り替えられるのだが、有機ELを採用されているためか、今まで見てきた他のVRヘッドセットの白黒のシースルー機能よりも高精細で見やすく、ちょっとした作業なら快適に行なえそうな出来だった。
もちろん、コンテンツによっては、そこまで感動しないものもあるとは思うが、『バイオハザードヴィレッジ』に関しては、元々の映像の作り込みが凄く、大きな陶器の装飾が細かく、豪華絢爛な城の内装の見事さと調度品の細かさがリアルで、高解像度なVRシステムで楽しむには、もってこいのコンテンツだと感じる。
東京ゲームショウで整理券を入手するのは、なかなか困難で人気を博すと思うが、実際にPS VR2が発売され入手できた場合は、一度試してみて欲しいと完成度の高いVRコンテンツだ。
【ゲーム情報】
タイトル:バイオハザード ヴィレッジ VRモード
対応機種:PlayStation VR2
ジャンル:サバイバルホラー
発売日:未定
価格:未定
©CAPCOM CO., LTD. ALL RIGHTS RESERVED.
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