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超薄型化のM2搭載MacBook AirにiOS 16登場! 「WWDC22」特集 第34回

M2搭載MacBook Airは完全無音レベルで最薄、省電力を実現した新星

2022年07月29日 12時00分更新

文● 柴田文彦 編集●飯島恵里子/ASCII

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潔いファンレス設計による性能低下が唯一の心配?

 薄く軽くなったMacBook Airを見ると、少し心配になるのは、もしかするとコンピューターとしての基本的な性能を犠牲にしているのではないかということだろう。これについては、ほとんど心配無用と言ってもいいのだが、条件によっては性能が低下する場合もある、というのが答えだ。どういうことなのか、見ていこう。

 上に挙げたスペック表には現れていないのだが、新MacBook AirもM1搭載の旧Air同様、空冷ファンを内蔵していない。つまり、主にSoCが発する熱は、通常は本体底面からデスクやテーブルに伝わり拡散する。そのため、負荷をかけた際には底面はそれなりに熱くなり、本体底面のゴム足を隔ててほとんど接しているデスク、テーブル表面も、それに呼応して熱くなる。

 また、そうした放熱によってSoCの冷却が十分に確保できない場合には、CPUなどのクロック周波数を落とすことで発熱を抑え、発熱と放熱のバランスを取るような動作となる。つまり、高負荷の処理を長時間続ける場合には、性能が低下することは避けられない。

 今回は、一般的なベンチマークテストアプリのGeekbench(5.4.5)とCinebench(R23.200)を使って、ファンレスの影響が結果に現れるのか、簡単にテストした結果を示す。結論から言えば、ある程度の長時間、高い負荷をかければ、性能はそれなりに低下することがわかった。今回は、M1チップ搭載のMacBook Air、M2チップ搭載のMacBook Pro 13インチと新MacBook Airの3機種で比較した。まずはテスト結果を数値で確認しておこう。

 基本的なCPU性能を測るGeekbenchのCPUでは、M2搭載のMacBook ProとMacBook Airは、ほとんど誤差範囲内と言える同等の結果となった。M1搭載の旧MacBook Airと比べるとM2の優位が分かる。

 GPUを数値演算に利用して評価するGeekbenchのComputeでは、やはりM2のMacBook ProとMacBook Airは誤差範囲に収まったものの、M1とM2の性能差が、よりはっきりと現れている。ただし、M1搭載のMacBook Airは、GPUが7コアのモデルだったため、いずれも10コアのGPUを搭載するM2のMacBook Pro、MacBook Airと比べるのは酷かもしれない。

 CPUによって3Dグラフィックを連続描画するCinebenchは、最低でも10分の連続動作となるため、特にマルチコアによる動作では、発熱量もかなり大きい。それによってMacBook Airのファンレスの欠点を暴くことになった。シングルコアの結果では、M2のMacBook ProとMacBook Airも大差ないが、マルチコアの結果ではM2の新MacBook AirがMacBook Proに比較的大きく劣るものとなった。やはり熱の影響を受けやすいM1搭載の旧Airとの差も縮まっている。

 MacBook Airの薄く軽いノートブックとしての特徴、用途を考えれば、ファンレス設計によって困る場面はほとんどないと言ってもいい。それでも高負荷の処理を長時間連続して実行させたい場合には、底面からの熱の放射を最大にするような外部の冷却装置を利用する手も考えられる。今後、サードパーティの製品が、いろいろと登場するのではないだろうか。

 余談ながらファンレス設計と言えば、サイズの比較でも挙げた12インチのMacBookを思い出す人も多いかもしれない。もちろん旧MacBookは、インテル製のCoreシリーズのCPUを採用したマシンだった。この12インチサイズのMacBookを最新のM2チップを使って作ったら、なかなか魅力的なノートブックになるのではないかと考えるのは筆者だけではないだろう。ついでに言えば、その際にはくさび形ではなく、新MacBook Air同様の平行な薄板形状にしてほしい。そして重量も1kgを切れば文句はない。

 なお、詳細な性能評価については、改めて別の記事で取り上げる予定だ。

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