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なぜ挑発されると攻撃的になるのか? 筑波大などが脳内反応を解明

2022年07月26日 06時32分更新

文● MIT Technology Review Japan

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他者から挑発を受けたときになぜ攻撃的な行動をとってしまうのか? 筑波大学、慶應義塾大学、東北大学の研究グループは、マウスを使った実験でその脳内メカニズムを確認した。人間の暴力性を理解することにもつながる研究成果だという。

他者から挑発を受けたときになぜ攻撃的な行動をとってしまうのか? 筑波大学、慶應義塾大学、東北大学の研究グループは、マウスを使った実験でその脳内メカニズムを確認した。人間の暴力性を理解することにもつながる研究成果だという。 研究グループはこれまでに、挑発によって攻撃行動が増加する仕組みとして、脳内の背側縫線核へのグルタミン酸の入力が増加することを明らかにしている。背側縫線核には、さまざまな脳領域からのグルタミン酸の入力があるが、研究グループは不快情動やストレスに関係する外側手綱核から背側縫線核への神経信号の受容に注目した。 実験では、雄マウスの縄張りの中に、別の雄マウスを入れたカゴを置き、ライバル個体が見えているのに直接攻撃できない状況を作って、社会的挑発を行った。雄マウスは縄張り性を持ち、別の雄が縄張りに入ってくると攻撃行動を示す。社会的挑発を行うと、攻撃行動の出現時間や頻度は通常の2倍近くに増加したという。 実験時の脳内の活動を調べると、社会的挑発を受けたときに外側手綱核から背側縫線核への神経投射(LHb-DRN投射ニューロン)が活性化し、社会的挑発がないときの攻撃行動の際には、このニューロンは活性化しなかった。そこで、人為的にLHb-DRN投射ニューロンの神経活動を活性化させると、マウスの攻撃行動は通常攻撃よりも激しくなった。 一方、LHb-DRN投射ニューロンの活動を人為的に抑制すると社会的挑発をしても攻撃行動は激しくならなかった。このことから、LHb-DRN投射ニューロンが社会的挑発によって攻撃行動が増加するときに関与していることが分かった。さらに背側縫線核の中でも、腹側被蓋野に投射する非セロトニンニューロンを活性化させると、攻撃行動が激しくなることが明らかになったとしている。 研究成果は7月21日、ネイチャー・コミュニケーションズ(Nature Communications)誌にオンライン掲載された。

(笹田)

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