イギリスを拠点とした新興メーカーのNothingが発売する「Nothing Phone (1)」。機能や性能を追及する現在のスマートフォンとは大きく異なり、背面が透けたデザイン、そして974個ものミニLEDを用い、光でさまざまな通知を実現する「Glyphインターフェース」など、デザイン面を中心に特徴的な要素を詰め込んだスマートフォンとなっているが、その実力はどのようなものなのだろうか。発売前の実機をお借りしたので実際に試してみよう。
独自性が光る背面のデザイン
箱にもこだわりが
まずは外観を確認すると、ディスプレーは6.55型で、サイズと重量は約75.8×159.2×8.3mm、193.5g。手にしたサイズ感からしても、正面から見る分には一般的な大画面スマートフォンと大きく変わらない印象だ。
ただしNothing Phone (1)はデザインに強くこだわって開発された端末であり、背面にはそのこだわりが強く反映されている。実際、Nothing Phone (1)は背面が透明でスマートフォンの中身が一部見える仕組みとなっており、400以上の独自パーツを用いてデザイナーのマッシモ・ヴィネッリ氏が手掛けたニューヨークの地下鉄路線図から着想を得たという独特のデザインを実現している。
しかも透明とはいうものの、基板などが直接見えるスケルトン仕様ではなく、一部のパーツには象をイメージしたものが用意されるなど、遊び心を感じさせる要素も取り入れられておりギーク色がそこまで強い訳ではない。あくまで筆者の印象に過ぎないのだが、個人的には「東急ハンズやロフトに置いてありそうなスマホ」という印象を受けた。
側面は再生アルミニウム素材が用いられており、アップルのiPhone 12/13シリーズに近い角ばったデザインだが、握った感触は悪くない。側面のボタンは右側に音量キー、左側に電源キー、下部に充電用のUSB Type-C端子とSIMスロットが用意されているが、3.5mmのイヤホン端子はない。同社はワイヤレスイヤホンの「Nothing ear (1)」を既に投入しているだけに、ワイヤレスイヤホンとセットでの利用を前提にしているといえそうだ。
なおディスプレー素材に有機ELを採用していることから、指紋センサーはディスプレー内蔵型のものを採用。先進性だけでなく、背面や側面のデザインに影響を与えないようディスプレー内蔵という形を取ったものと考えられる。
ちなみにNothing Phone (1)は、箱のデザインにもかなりこだわっているようだ。実際、一般的なスマートフォンの箱とは違って、大型の書籍や特装版のCDケースのような箱で、ひもを引いて開ける仕組みなど、開ける時のワクワク感がうまく演出されている。

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