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阪大、膵がんの治療抵抗性メカニズムを解明

2022年07月08日 06時54分更新

文● MIT Technology Review Japan

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大阪大学の研究チームは、膵がんの治療抵抗性メカニズムを新たに発見した。研究チームはこれまでにRNAメチル化酵素であるMETTL3の発現上昇が膵がん細胞を治療抵抗性にし、放射線治療に抵抗させていることを明らかにしているが、METTL3がどのような遺伝子を制御しているかなどの詳細は分かっていなかった。

大阪大学の研究チームは、膵がんの治療抵抗性メカニズムを新たに発見した。研究チームはこれまでにRNAメチル化酵素であるMETTL3の発現上昇が膵がん細胞を治療抵抗性にし、放射線治療に抵抗させていることを明らかにしているが、METTL3がどのような遺伝子を制御しているかなどの詳細は分かっていなかった。 研究チームは今回、METTL3の標的となる分子を探すために、RNA修飾(エピトランスクリトーム)解析を実施した。その結果、細胞周期に関係するタンパク質であるPLK1がRNAメチル化によって発現が上昇することを明らかにした。 加えて、遺伝子編集技術を使用して部位特異的(PLK1の3’非翻訳領域)に脱メチル化することで、膵がん細胞が細胞周期の恒常性に異常をきたし、放射線感受性が上がることも解明している。 研究成果は7月1日、サイエンティフィック・リポーツ(Scientific Reports)誌に掲載された。今後、手術困難な膵がん患者に対する新たな放射線治療法の開発が期待できるという。

(笹田)

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