G-Master Hydro Z690 Extreme/D5の性能をチェック
RTX 3090 Ti&12900KSのデュアル水冷PCが期間限定で64万円台!?ならば性能を見てみよう
2022年06月27日 11時15分更新
定番ベンチマークで総合性能とゲーミング性能をチェック
CPU以外の性能も定番ベンチマークソフトで見ていこう。総合性能は「PCMark 10」でチェック。ブラウザーやオフィスソフトなど、よく使われるジャンルのソフトを実際に動作させ、性能を調べてくれるソフトだ。評価は総合スコアーとして数値化するため、PC間で性能を比較しやすい。
また、ビデオ会議やブラウザー性能となる「Essentials」、オフィスソフトの処理速度を測る「Productivity」、動画や写真編集性能などを調べる「Digital Content Creation」(以下、DCC)という3つのサブスコアーもわかる。どんな用途に向いたPCなのか、ざっくりと見極められる点も便利だ。
正直、今回試用したモデルはハイエンド構成なので、どんな用途であっても快適に動作する。そのため、PCMark 10のスコアーをわざわざ確認しなくてもいいのだが、別のPCと比べてどの程度の差があるのかは気になるところ。ぜひ今使っているPCと比べてみてほしい。
総合スコアーは8600超え。各サブスコアーも10000を余裕で超えており、文句なしに高性能PCだ。しかし、前述のベンチマーク記事と比べて、DCCのスコアーが低い点が気になった。DCCの内訳をよく見てみると、特に「Rendering and Visualization Score」テストのスコアーが低かった。これはどういうことなのか。タスクマネージャーで動作状況をチェックしてみた。
原因はレンダリング中のCPU使用率が低いことにあった。具体的に言えば、なぜかEコアはフル稼働するものの、Pコアはほぼ使われていない状態だった。これはソフトのバージョンやOSによって挙動が変わる部分だ。
第12世代CoreはThread Directorという機能で、各ソフトで動かすCPUコアの数や種類を効率的に配分する。しかし、Windows 10ではこれが最大限に働かない場合があるのだ。そして、ソフトやそのバージョンによっても挙動が変わるのだが、Windows 11のほうがパフォーマンスが良くなることは多い。
つまり、今回の試用機のOSはWindows 10のため、振るわなかったというわけだ。なお、Windows 11には後から無償でアップグレードできる。遅くてどうしても困るソフトが出てきた場合は、Windows 11にしてみよう。
続いてゲーミング性能を、定番の「3DMark」と「ファイナルファンタジーXIV: 暁月のフィナーレ ベンチマーク」(以下、FFXIVベンチマーク)の2つで試してみよう。
3DMarkはAPIにDirectX 11を使用する「Fire Strike」系2種、DirectX 12を使用する「Time Spy」系2種、レイトレーシングテストとなる「Port Royal」を実行した。
FFXIVベンチマークは同タイトルのマップやキャラクターデータを使用し、快適にプレイできるか調べられる。画質を調整すれば、CPU内蔵GPUでもギリギリ遊べるタイトルだが、それはフルHD解像度の場合。ビデオカードを搭載するゲーミングPCであれば、最高品質で4K(3840×2160ドット)プレイを目指したい。
そこで、画質プリセットは「最高品質」、解像度を「3840×2160」の激重&超高画質設定にして、どこまでスコアーが伸びるのかをチェックしてみた。
結果は見ての通りで、スコアーは18215。評価は「非常に快適」で、文句なしに快適に遊べる環境だ。多くのプレーヤーや敵が集まるようなシーンでも、カクツキなしで遊べるだけの性能がある。
画質が高ければ高いほどゲームの没入感は高くなる。美しい画面で不満なく遊べるというポイントは、ゲーミングPCの最重要事項だ。妥協せずに遊びたいという人にとって、G-Master Hydro Z690 Extreme/D5はまさに垂涎の1台と言えるだろう。
ゲームでもクリエイティブでもなんでも超快適
「最強」の性能をぶん回せるオールラウンドPC
いまや水冷CPUクーラーを採用しているBTOパソコンは数多くあるが、360mmラジエーターとなるとその数は激減する。さらに、ビデオカードまで水冷のデュアル水冷PCとなると、めったにお目にかけない。もちろん、いくら水冷といえど、Core i9-12900KSやGeForce RTX 3090 Tiをフルに動かせば、それなりの騒音になる。
あくまで、「スペックのわりには動作音が静か」というだけで、「静音PC」というわけではない。それでも同スペックの構成の空冷PCとは比較にならないほど、静かに運用できるはずだ。騒音を抑えながら、ハイエンドのCPUとビデオカードの性能を可能な限り引き出してくれる本機は、最高峰のBTOパソコンであることは間違いない。
動画や写真の編集、科学技術計算、CGレンダリングなど、CPUやGPUパワーが必要となる用途であれば、誰もが欲しくなる1台だ。最高クラスの性能が欲しいというのであれば、ぜひ検討してほしい。しかも、今回試用した構成では70万5110円とかなり高価だが、サイコムの「サマーキャンペーン」(2022年8月7日まで)を適用すれば、64万3110円と6万2000円も安くなる。お見逃しなく。