シンプルだけどひとひねりしたものがほしい
スニーカーを履こうと思ったときに、選択肢がありすぎる。そう思ったことはありませんか。
「安いのを適当に買えばいいじゃないか」と思う人もいるでしょう。ただ、現在ではその安いのもたくさんありまして、これまたかなり迷うんですよね。
筆者は主にニューバランスのスニーカーを履いていますが(参考:「ジョブズも履いた3万円のニューバランス『991』は愛すべき一足」)、もうちょっとボリュームのない、シンプルなものが欲しくなるときもあります。合わせやすさを考えて、白いとなおよいのですが、例えばアディダスのスタンスミスなどはもうみんな履いているし……。
そこで、ジャーマントレーナーです。
その名の通り、ドイツ軍の室内用トレーニングシューズ、運動靴です。1970年代から採用されたもの。過去にはアディダスやプーマの工場でも生産されていたと言います。
ミリタリーシューズでありながらどこかシュッとしたデザインで、マルタン・マルジェラやディオールオムなどのメゾンブランドもレプリカをリリースしており、むしろ、そちらで知っている人もいるかもしれません。
シンプルだけれども、なんとなく、ひとひねりしたようにも見える。このやりすぎていない感じが、ほしかったんですね。
特別なギミックはなし、ストロングスタイルな靴
筆者はデッドストックを購入しました。価格は2万3100円。筆者の知る限りですが、デッドストックの場合、価格は2万円台前半。中古は状態にもよりますが、比較的きれいなものであれば、1万円台後半といったところでしょうか。
ちなみに白が有名ですが、黒もあります。白は訓練生用だったのに対し、黒は教官用だったらしく、オリジナルはなかなか見かける機会がありません。屋外用のネイビーもありますが、こちらも相当レアです。
なお、なぜか白と黒では靴に使われているラスト(木型)が微妙に異なるらしく、同じサイズでも黒のほうがやや大きめになっているそうです。なぜそうなっているのか、どうも納得いきませんが。
ジャーマントレーナー自体は一度廃番扱いとなったそうですが、日本のシューズブランド、タナカユニバーサルが復刻。当時の木型、ソール、マテリアル、機械などを使用し、伝統的な製法を引き継いだとうたって復刻したフォルムは、多くのブランドの注目の的となりました。そこから、先ほど紹介したようなブランドがレプリカを作る流れになったわけです。
とはいえ、見た目はシンプル。アッパーはスムースレザー、つま先のガードにスウェード。ソールはガムソール。素材として語ることはこれぐらいでしょうか。とくにこれといったハイテク要素があるわけでもないのです。
シンプルな中にも、つま先のガードのカッティングですとか、ムダがないフォルムが魅力的なのだと考えられるかもしれません。この素朴な外見だからこそ、薄いアウトソールもバランスが取れて見えるのでしょうか。
特別なギミックはなし。軍で支給されている運動靴ですから、当然といえば当然ですが、ストロングスタイルな佇まいです。
ちなみにソールの色はハニーベージュといいますか、明るい色ですが、レプリカのソールはなぜか総じて濃くて暗い黄土色なのです。この理由も気になっています。
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