グローバルリスクマネージメント
一方、小島社長兼CEOは、「2021中期経営計画の反省のひとつに、リスクに対するマネジメントが弱かった点があげられる」と振り返り、「コロナ禍やウクライナ情勢といったように、想定外のことが必ず起きることを前提に考え、リスクに耐えられる体質にならないと、計画は達成できない」と発言。2024中期経営計画では、サプライチェーンの混乱や地政学的リスク、環境、テクノロジー、パンデミック、大規模自然災害などに対するグローバルリスクマネジメントを強化。本社への情報集約の徹底とともに、経営トップによるリスクマネジメント専門会議を新設して、強靭な経営体質の実現を目指す。
小島社長兼CEOは、かつての取材のなかで、これまでの構造改革を「基礎工事」が完了した状態と表現。そして、「その上に建てたいのは揺るぎない建物」と述べていた。経営におけるリスク耐性には、強い意思を持って取り組む姿勢をみせている。
成長へのモードシフトに注目が集まる2024中期経営計画だが、攻めるだけの中期経営計画ではなく、守りにもしっかりと力を注ぐ中期経営計画になっている。
この連載の記事
-
第606回
ビジネス
テプラは販売減、でもチャンスはピンチの中にこそある、キングジム新社長 -
第605回
ビジネス
10周年を迎えたVAIO、この数年に直面した「負のスパイラル」とは? -
第604回
ビジネス
秋葉原の専門店からBTO業界の雄に、サードウェーブこの先の伸びしろは? -
第603回
ビジネス
日本マイクロソフトが掲げた3大目標、そして隠されたもう一つの目標とは? -
第602回
ビジネス
ボッシュに全株式売却後の日立「白くまくん」 -
第601回
ビジネス
シャープらしい経営とは何か、そしてそれは成果につながるものなのか -
第600回
ビジネス
個人主義/利益偏重の時代だから問う「正直者の人生」、日立創業者・小平浪平氏のことば -
第599回
ビジネス
リコーと東芝テックによる合弁会社“エトリア”始動、複合機市場の将来は? -
第598回
ビジネス
GPT-4超え性能を実現した国内スタートアップELYZA、投資額の多寡ではなくチャレンジする姿勢こそ大事 -
第597回
ビジネス
危機感のなさを嘆くパナソニック楠見グループCEO、典型的な大企業病なのか? -
第596回
ビジネス
孫正義が“超AI”に言及、NVIDIAやOpen AIは逃した魚、しかし「準備運動は整った」 - この連載の一覧へ