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「INNOVATION LEAGUE 2021 DEMO DAY」レポート

スポーツビジネスの明日を切り開く企業が集結 Googleの視覚障害ランナー支援プロジェクトが大賞に

2022年04月14日 11時00分更新

文● 中田ボンベ@dcp 編集● ASCII STARTUP 撮影● 曽根田元

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 3社目は「オーディオキャスト・パートナー」のパナソニック株式会社。同社では、リアルタイムで音声配信を行うプラットフォーム『CHEERPHONE(チアフォン)』を展開しており、特にスポーツ分野での活用を目指している。

パナソニック 木村文香氏

 今回の取り組みでは、ジャパンサイクルリーグと協力し、横浜赤レンガ倉庫で行われたエキシビジョンレースでライブ音声配信を実施。来場者により競技を楽しんでもらうべく、「競技に参加しているアスリートの声を配信する」という、これまでにない形での音声配信が行われた。

 登壇したパナソニック株式会社の木村文香氏は、「走行中の選手自身による実況解説や、ギアやブレーキの音が聞けることで、より臨場感が高まった、楽しかった、さらに興味が湧いたなど、多くの方にご好評いただいた」とコメント。今後も公式レースにおける音声配信など、新たな観戦価値の創出が期待される。

 採択企業4社目は「ファンモチベーション・ホルダー」である株式会社フィナンシェ。同社はブロックチェーンを活用した、トークン発行型のクラウドファンディングサービスや、ファンコミュニティーの提供を行っている。

フィナンシェ 安井達也氏

 ジャパンサイクルリーグとの実証実験では、専用の「JCLトークン」を発行。トークンを購入することで、専用車両に乗車できるといった体験型特典を用意した。その結果、初回ファンディングで3,997万円もの売り上げを記録することに成功した。

 同社の安井達也氏は「初回ファンディングで記録した売り上げ額は、過去に実績を含めても胸を張って成功したと言える数字。トークンの二次流通も広がっている」とコメント。約700名のトークンホルダーによるコミュニティ展開も順調とのことで、今後もジャパンサイクルリーグとどのような取り組みを行うのか注目したい。

 「ファンコミュニティ・プラットフォーマー」として表彰されたのが株式会社Fanplusだ。ファンサイト運営などファンクラブ事業を展開しており、現在は業界トップクラスの250サイトを運営。同社は日本フェンシング協会と協力し、スポーツにおけるコミュニティーサイトの可能性を協議した。

Fanplus 的場真吾氏

 今回の実証実験では、「フェンシングファンがインフルエンサーとなり、自発的に交流できるコミュニティーサイトの可能性」を調べるために、熱量が高いファン・一般層へのグループ調査を実施。その結果、情報を網羅しているサイトがないことや、試合を楽しめる工夫やEC機能がないことが課題として浮き上がった。

 登壇した同社の的場真吾氏は「ファンコミュニティーも今後検討すべきだが、課題解決のためにはポータル的なプラットフォームが必要であることが分かった」とコメント。日本フェンシング協会との取り組むに成功すれば、他のスポーツ分野でのファン層拡大に活用できそうだ。

スポーツ庁の室伏広治長官 (C)SPORTS TECH TOKYO

 成果発表後はスポーツ庁の室伏広治長官が登壇。「自転車競技もフェンシングもまだまだ皆さんが知らない魅力がたくさんあるスポーツ。デジタルを活用する意味でも大きな可能性を秘めていると感じた」と「INNOVATION LEAGUE アクセラレーション」を総括した。

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