米AMDは3月22日(現地時間)、CDNA 2アーキテクチャーを搭載したHPC・AI向けGPUアクセラレーター「AMD Instinct MI210アクセラレーター」を発表した。
AMD Instinct MI210アクセラレーターは、AMD CDNA 2アーキテクチャーを採用し、PCIeフォーマットでHPC・AIパフォーマンスを必要とする研究者やエンジニアなどのユーザーに向けて、エクサスケールクラスのテクノロジーを提供する。PCIeフォームファクターカードの倍精度(FP64)のコンピューティングで優れた性能を発揮するとしている。また、AMD Matrix Coreテクノロジーに基づいて広範な混合精度機能を備える、高速ディープラーニングトレーニング向けの堅牢なソリューションも提供する。
また同社は、ROCm 5ソフトウェアの全てを含めたAMD Instinctエコシステムの提供を開始した。AMD ROCmプラットフォームは、AMD Instinctアクセラレーターを利用できる研究者、科学者、エンジニア向けオープンソフトウェアプラットフォーム。同社はROCm 5により、AMD Instinct MI200シリーズアクセラレーターとAMD Radeon PRO W6800プロフェッショナルビデオカードといった新しいハードウェアへのサポートや、Red Hat Enterprise Linux 8.5のサポートを追加することで、ソフトウェアプラットフォームを拡張した。これにより、開発者はROCmへアクセスしやすくなり、主要なワークロード全体で優れたパフォーマンスを発揮できるとする。
さらに、AMD Infinity Hubを通じて、エンドユーザーはコンテナ化されたHPCアプリケーションやMLフレームワークを簡単に検索、ダウンロード、インストールできるようになった。AMD Infinity Hubのアプリケーションコンテナは、ソフトウェアリリースの入手とインストールという従来からの手間を軽減し、ユーザーが経験や問題解決の機会を共有して学習できるように設計されている。
同社はASUS、Dell Technologies、Gigabyte、HPE、Lenovo、Supermicroなどのパートナーや、Colfax、Exxact、KOI Computers、Nor-Tech、Penguin、Symmetricなどのシステムインテグレーターとの提携により、次世代コンピューティングの課題に対して、独自のソリューションを提供している。
AMD Accelerator Cloudでは、AMD InstinctアクセラレーターとAMD ROCmソフトウェアにリモートでアクセスし評価できる。レガシーコードの実装、アプリケーションのベンチマーク、マルチGPUやマルチノード・スケーリングのテストなど、検討中の企業やパートナーが最新のGPUやソフトウェアに迅速かつ簡単にアクセスできるようになった。