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「Shadowverse University League」運営部にインタビュー

暗中模索の連続! シャドバ大学リーグは運営も学生が担当、本気でeスポーツを盛り上げたい大学生達の挑戦とは?

2022年04月02日 13時00分更新

文● 八尋 編集●ASCII

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「Shadowverse University League」の運営部の皆さんにインタビュー。左から岩手大学 理工学部の荒屋敷 玲於さん、慶應義塾大学 経済学部の福谷 莉菜さん、青山学院大学 教育人間科学部の平井 穂乃華さん、千葉工業大学 工学部の渡邊 陸央さん、サードウェーブ(GALLERIA)の森畑 崇氏

 3月19日に、Cygamesの対戦型オンライントレーディングカードゲーム「シャドウバース」の大学生リーグの「Shadowverse University League 21-22 GRAND FINALS」が実施された。

 リーグの1st Seasonと2nd Seasonで優秀な成績をおさめた合計4チームによる最強大学サークル決定戦で、北海道大学、京都大学、慶應義塾大学、筑波大学が、LFS池袋esports Arenaに集結。激闘のすえ、見事京都大学が頂点に輝いた。

合計4チームによる最強大学サークル決定戦

筑波大学の怒涛の追い上げに苦戦していたものの、見事京都大学が勝利

賞金に加え、本大会に協賛しているGALLERIAのゲーミングノートパソコンも贈呈

 全国の大学のシャドウバースのサークルがしのぎを削った「Shadowverse University League」だが、興味深い話を耳にした。それは、Cygamesのサポートのもと、大学生が運営・広報を担当しているということだ。Cygamesによると、大学生リーグは今シーズンで3年目となり、発足時から大学生にリーグ運営を任せたいという想いがあったという。

 そして、どんどん学生が担当する業務は増えていっており、今期ではシーズンファイナルやGRAND FINALSの制作を除いて、シーズン中のリーグ運営を学生が中心に担っている。なお、大学生リーグの運営に携わる学生さんは、自身で応募して参加しているとのことだ。

 今回、「Shadowverse University League」の運営部に所属する岩手大学 理工学部の荒屋敷 玲於さん、慶應義塾大学 経済学部の福谷 莉菜さん、青山学院大学 教育人間科学部の平井 穂乃華さん、千葉工業大学 工学部の渡邊 陸央さんにインタビューできたので、なぜ大会の運営に興味を持ったのか、主にどういった業務をこなしているかなどを聞いてみた。

eスポーツ・シャドウバースを大学生のなかでもっと盛り上げたい
審判から結果管理、マニュアル作成まで運営部が担当

皆さんそれぞれ「Shadowverse University League」やeスポーツに熱い想いがあることが伝わり、驚いた

──「Shadowverse University League」の運営に興味をもったきっかけを教えてください。

荒屋敷 玲於さん(以下、荒屋敷さん):もともと将来的にeスポーツ関連の仕事をやりたいと思ってたので、最初は広報部に応募しました。そこから、運営部をやってみないかと打診があったので、ぜひやってみたいなと思ったというのが経緯です。

福谷 莉菜さん(以下、福谷さん):私は別のゲームになりますが、友人たちとゲームイベントをオーガナイズしたことがあったのですが、シャドウバースも好きだったので、シャドウバースの大会に携われるならぜひやってみたいと思って、応募しました。シャドウバースは女性の大学生プレイヤーが少ないので、そこにリーチしていければとも考えました。

平井 穂乃華さん(以下、平井さん):私はTwitterでの応募を見て、「本気で取り組んだことを誇れるように」といった内容のコピーが書いてあって、いいなと思い応募しました。もともとはゲームに詳しくなかったのですが、本気でやっている友人もいて、意識が変わりました。運営をとおして、リーグに出場する選手の皆さんにも、本気でゲームに取り組んだことが誇りになるように支えていきたいです。

渡邊 陸央さん(以下、渡邊さん)もともと大学生リーグに部長として参加していました。また、シャドウバースのクイズ王決定戦で優勝するくらい、シャドウバースが好きなので、僕ならもっと大学生リーグを盛り上げられるなと思ったので、募集を見た瞬間に応募しました。

──運営部では、主にどういった取り組みをされているのですか?

荒屋敷さん:通常のタスクと、それぞれのタスクがあります。通常のタスクは、シフト制でリーグ期間中に審判として選手の監視をしたり、戦績をシートに埋めたりしています。

平井さん:それぞれのタスクでは、選手からよく来る質問に対するマニュアルを作ったり、新しいルールを選定したり、リーグとは別に初心者も参加できるフレッシュカップを企画したりと、さまざまです。

初めての試みで暗中模索の連続
選手同士の言い争いの仲裁も

学生が運営部を担当するのは今回が初めてで、前例がないことが多く大変だったという

──実際に運営部として活動してみて、大変だったことを教えてください。

福谷さん:オンラインでの試合が多かったので、今までになかったトラブルも起きました。そこで、過去に同じような事例があるかを調べたりして、何とか解決できないかを模索するのが大変でした。選手がヒートアップして、Discord上で喧嘩しだすこともあったので、大変でした(笑)。

荒屋敷さん:僕と渡邊君は大学生リーグで選手としてのプレイ経験もあるので、運営側も選手側の気持ちもわかるので、どちらも納得のいく結論を出すのに苦労しました。

平井さん:広報部での活動はしていましたが、運営部としては一期生だったので、さまざまな取り組みが本当にあっているのかという不安はありました。実際に1年経験して自信はついてきたので、来年につなげていきたいです。

渡邊さん:運営部というのは初の試みだったので、初めは暗中模索で何からやったらいいのかわからないということもありました。Cygamesさんから「これをやってください」ということもほとんどなかったので、自分たちでタスクを探して、選手の皆さんがより楽しくプレイできるように取り組んでいくというのも、苦労しましたがやりがいはありました。

──共通のタスクと個々のタスクがあるのは面白いですね。

渡邊さん:僕は大学生リーグとは別に、初心者でも楽しめるウェルカムカップというのを企画しました。どうやったら初心者でも楽しめるか、ルールをどうするかなど、何度も苦労しました。僕は運営部と広報部を兼任していて、本気で集中したかったので、今は大学を休学しています。

──すごいですね。ご両親の説得とか大変じゃなかったですか?

渡邊さん:なぜ休学するかを説明したら、やりたいことがあるのならやったほうがいいと背中を押してくれました。

──ひと昔前からeスポーツに対する親御さんの意識も変わっているのかもしれませんね。大学生のなかで、eスポーツの認知度はどのような感じでしょうか?

荒屋敷さん:最近はかなり熱いですよ。コロナで家にいることが多くなったこともあり、ストリーマーの認知度もかなり上がった印象です。ゲーミングパソコンを持っている人も、もともと僕しかいなかったんですが、最近は増えてきました。eスポーツはまだまだこれから伸びていくと感じています。

福谷さん:確かに、配信しているプロゲーマーの認知度は上がってきてますよね。あと、もともとゲーム好きはインドアな人が多い印象でしたが、最近はそうでもなくて、性格がとても明るくてゲーム好きという後輩の子も多いです。

平井さんプロ1本で生きていくということに興味がある人は少ないように感じますが、eスポーツ大会の運営をやっていると伝えると、すごいじゃんと言ってくれえる人も増えてきましたね。

渡邊さん:もともとは時間をつぶすためのゲームが、今では悪いイメージがなくなってきているなと感じます。そうでないと、両親も許可してくれなかったでしょうから(笑)。

運営作業にGALLERIAのゲーミングノートパソコンを使用
GALLERIAのノートパソコンがない生活に戻れない!

──「Shadowverse University League」では、大会の機材としてGALLERIAが採用されています。GALLERIAの印象を教えてください。

学生の皆さんのGALLERIAの評価を聞いて一安心の森畑氏

荒屋敷さん:ゲーミングパソコンの最高峰という印象ですね。よく見るストリーマーさんが使っていて、今では大学生のなかでもゲーミングパソコンブランドとして定着している印象です。

福谷さん:GALLERIAは、ゲーミングパソコンを探しているときに友人がおすすめしてくれて知りました。あとは、好きなストリーマーさんのスポンサーをされているので、よく目にします。

平井さん私はパソコンが組めないので、組立ずみのゲーミングパソコンがほしくて、調べて最初に出てきたのがGALLERIAでした。

渡邊さん:僕はパソコンを自作するため、秋葉原によく行くので昔から知っていました。

──では、皆さんがゲーミングパソコンを購入するうえで重要視する点はどこですか?

荒屋敷さん:シャドウバースのほかにFPS系のタイトルもプレイしているので、フレームレートが出る性能です。

渡邊さん:自作するので、CPUの値段や、CPUとマザーボードがちゃんと合っているかなどですかね。

福谷さん:わからないことが多いので、全部友人に聞いています。あとはコスパと性能のバランスがいいマシンがいいです。

平井さん:あまり詳しくないですが、ビデオカードと電圧です。

──おお、詳しくない人から電圧という言葉が出るとは思わなかったです(笑)。でもGALLERIAのゲーミングパソコンはもとからパーツに合わせて電源もしっかり選定されているので、安心ですよ。

平井さん:それだけは間違えるなって詳しい友人から言われました(笑)。確かに、GALLERIAさんなら安心ですね。

──ちなみに、今回運営にあたってGALLERIAのゲーミンノートを提供されていると思います。大学生の中にはスマホで完結している人もいるとは思いますが、運営するうえでノートパソコンは必要でしたか?

福谷さん:かなり必要だと思います。やっぱり、エクセルに戦績を入力したり、資料をコピペする際に、スマホだと本当に面倒なので、かなり助かりました。

平井さん:自宅だとノートパソコンとディスプレーを接続して2画面で作業しているくらいなので、スマホだとディスプレーが小さすぎます。もうパソコンのない生活には戻れないです!

──今後、「Shadowverse University League」の運営はどのようにしていきたいですか?

福谷さん:コロナの影響でなかなかイベントを実現できなかったので、今後はより幅広い層にリーチできるような企画を実施していきたいです。もっと視聴数も増やせると感じています。今回優勝が決まったとき、私も感動してうるっときた瞬間があったので、この感動をもっと多くの人に味わってもらいたいです。

平井さん:来年度がどうなるのかはわからないのでまだまだ手探りですが、もっとオフラインイベントを増やしたいです。

渡邊さん:来年もウェルカムカップを開催して、もっと参加者を集めたいです。

──最後に、eスポーツの大会運営をしてみて、eスポーツを仕事にしたいと感じましたか?

福谷さん:私はeスポーツ関連の事業に行く予定はないのですが、今はブロックチェーン系のゲームなどにも興味があって、新しい知識とeスポーツを掛け合わせて、新しいかたちでもっとゲームが広まるような取り組みはやりたいなと思っています。

荒屋敷さん:僕はもともとeスポーツを仕事にしたいと考えています。自分の人生の中で一生ゲームをプレイしていくと思いますし、その楽しさを多くの人に伝えられる仕事に就きたいです。また、まだまだeスポーツは認められていない部分もあるので、ゲームをがんばるということをもっと誇れる環境をつくっていきたいです。

──ありがとうございました。

 Cygamesは、「Shadowverse University League」の運営を大学生に任せることで、大学においてeスポーツを文化にしていきたいと考えているという。フィジカルスポーツでは、大学のサークル団体が大会を運営して、そこに参加するという文化があり、「Shadowverse University League」を文化にするには、そこに追従していく必要があると考えたとのことだ。

 今回インタビューさせてもらった皆さんも、自分で考えて運営していくことにやりがいを感じていることがひしひしと伝わってきた。今後学生主導の「Shadowverse University League」がどのように変わっていくのか、注目していきたい。また、学生でリーグへの参加や運営に興味がある人は、「Shadowverse University League」の配信や、公式サイトをチェックして、参加してみてはいかがだろうか。

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