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新型コロナの感染を防ぐ候補化合物を発見=東工大

2022年03月20日 07時10分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京工業大学の研究チームは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が作る酵素タンパク質「Nsp15」の機能を阻害する候補化合物を発見した。Nsp15は、新型コロナウイルスに対する人体の免疫機能を働かせにくくする作用があることから、新薬開発につながる可能性がある。

東京工業大学の研究チームは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が作る酵素タンパク質「Nsp15」の機能を阻害する候補化合物を発見した。Nsp15は、新型コロナウイルスに対する人体の免疫機能を働かせにくくする作用があることから、新薬開発につながる可能性がある。 Nsp15は、コロナウイルスが作ったRNAを分解することで、ウイルスの存在を気づかれにくくし、感染を容易にしていると考えられる。研究チームは、Nsp15が活性型であるホモ6量体を形成する前の単量体の立体構造をコンピューターシミュレーションで推定。およそ5万種類の抗ウイルス化合物の中から、単量体に強く結合して6量体化を阻害する可能性がある化合物を、バーチャルスクリーニングと呼ぶ計算によって複数発見した。 Nsp15はスパイクやカプシドなどと比べて1~2桁程度変異率が低い。そのため、Nsp15を阻害する抗ウイルス薬は、新型コロナウイルスの変異株にも効果があると期待できるという。 研究成果は3月9日、「サイエンティフィック・レポーツ(Scientific Reports)」誌に掲載された。

(笹田)

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