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東大、呼気に含まれる微量なガス成分を機械学習で同時検出

2022年03月18日 13時12分更新

文● MIT Technology Review Japan

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東京大学の研究チームは、イオンゲルと複数の電極を使ったセンサーを開発し、呼気などの混合ガス中に存在するppm単位の水素・アンモニア・エタノールを同時検出することに成功した。従来、混合ガス中の複数の微量ガス成分を同時に検出することは難しかった。

東京大学の研究チームは、イオンゲルと複数の電極を使ったセンサーを開発し、呼気などの混合ガス中に存在するppm単位の水素・アンモニア・エタノールを同時検出することに成功した。従来、混合ガス中の複数の微量ガス成分を同時に検出することは難しかった。 研究チームは、イオンゲルと電極の界面の多様性に着目。イオンゲルに、金、クロム、白金、ロジウムの4種類の電極が接する構造のセンサーを開発した。4つの電極のうち、電気的なスイッチで2つの電極を選択して使用する。一方の電極には電圧を印加し、もう一方はMOSトランジスターのゲートに接続。ガスを吹き付けるとイオンゲルがそれを吸蔵し、電極上で反応して電位を変化させる。このセンサー応答の時間依存性を入力、吹き付けた混合ガス中の水素・アンモニア・エタノール濃度を出力として、ニューラル・ネットワークを学習させ、混合ガス中のそれぞれのガス濃度を推定した。その結果、ヒトの呼気に含まれるppm単位の水素・アンモニア・エタノール濃度を混合ガス中で識別することに成功した。 センサーを微細化して携帯端末などに搭載すれば、呼気に含まれる微量ガスの変化を読み取って手軽に健康状態を判断できるようになる。研究成果は3月17日、「ACSセンサーズ(ACS Sensors)」にオンライン掲載された。

(笹田)

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